『MOGE02』
作:月華
「いらっしゃ……どちら様でしょうか?」
てっきりケータイメールで連絡のあった大悟が来たのかと思ってアパートのドアを開けたのだが、智明の目の前に立っていたのは、見知らぬ女性だった。
ショートカットに、つぶらな瞳をした、運動をしている姿が似合いそうな大学生ぐらいの女性だったが、その姿に智明は見覚えはない。
手には、小さな手提げ鞄を持っているから、ひょっとして、宗教の勧誘か何かかな、と思っていると、
「よう、智明。来たぜ」
親しげに彼女はそう言ってきたのだった。
そう言われても、智明を女の子が尋ねてくるような心当たりは無い。
そんな智明をからかうように、大悟は口元へ握りしめた両手を当てて、最近は見かけなくなった、ぶりっこのようなポーズを取って、
「ああん。智明君ったら、わたしのこと、わかってくれないんだから。大悟、悲しいな」
首を左右に振りつつ、大悟はそう言ったのだった。
「大悟……大悟って言う友達なら居ますけれど、彼から何か伝言でも?」
あくまでも丁寧に智明は答える。
「まだ分からないのかなあ。お前のTS仲間の大悟が、本当に女の子になれたんだぜ。もっとびっくりするとか羨ましがるとかしてくれよ」
「えっ! まさか?」
前々から夢として二人して語っていたことであるが、それがこうやって、女性の姿になって大悟が現れたことに、智明は驚きを隠しきれなかった。
言われてみると、標準的な慎重の割には、大きめの服を着ており、それは大悟がよく着ている服と同じデザインだった。
しかし、大悟を思わせるのは服だけで、にっこりと笑いながら、間近に迫ってきて、上目遣いに見つめてくる彼女に、男の大悟を思わせる要素は無かった。
「本当にそうなんだって。じゃあ証拠に、俺が知っているお前のTS履歴でも喋ってやろうか……お前が一番好きなのは変身で、ゲームで言うと……」
大悟を名乗る彼女が言ってくるTS作品のあれこれは、いずれも確かに智明がお気に入りのものばかりだった。
「本当に、大悟なの?」
「だから、さっきからそう言ってるだろ。しゃべり方とかで分からないかな?
それじゃあ、なんでも良いから、俺に関する質問をしてみろよ」
彼女に言われるままに、智明は、大悟しか知らないような、TSに関するマニアックな質問をしたのだが、いずれも正しく答えてきた。
TS以外にも、高校時代の出来事などを聞いてみたが、やはりいずれも正解だった。
「やっぱり、大悟なのかな……」
首をかしげながらも、智明は頷かざるを得なかった。
「そうだろ。なんだったら、いったん元に戻ってみようか。その前に、部屋に上がらせてもらうぜ」
そう言って大悟は、下駄箱の上に並べられているスリッパから、いつも使っているものと同じ緑色のものを選んで履いて、部屋へと上がった。それを見て智明は、やっぱりこの人は大悟なんだなあ、と確信を深めた。
1DKのキッチンを抜けて、彼女は部屋へと入った。
そして、くるりとこちらを振り向いたかと思うと、いきなり服を脱ぎ始めたのだった。
「ちょ……いきなり何を?」
止めようとするのだが、それに構わず彼女は上着を脱いだ。
その下にはブラジャーは着けておらず、いきなり、小さな膨らみを持った乳房が現れたのだった。
「やめてくださいよ」
智明は、慌てて目を閉じて、さらに手のひらで自分の目を覆い隠した。
「おいおい、ちゃんと見てくれよ。あ、そうだ。今の俺は、女の体なんだから、なんだったら、外に向かって大声で叫んでも良いんだぜ」
「そ、そんな……」
裸を見ろという理不尽な彼女の要求に、智明は戸惑う。
「ほら、見てくれよ」
「わ、わかりましたよ……」
そう言って智明が目を開けると、彼女はパンツ一枚になっていた。
それは、文字通りパンツだった。男のものの下着、という意味で。
華奢な感じがするボーイッシュな裸身には似合わないような、派手な柄の入ったトランクスを身につけているのだ。
その彼女は、トランクスへと手を掛けた。
「ほら、ちゃんと見てろよ。見てないと、きゃー、のび太さんのエッチ、って大声で叫ぶからな」
そう言われては、普通の女の子の悲鳴以上に周囲の注目を集めることは間違いなく、智明は再び目を閉じることも出来ないでいた。
その合間にも、彼女はトランクスを脱ぎ捨て、全裸になってしまった。
妥協するように下を向きながら、上目遣いに見てみると、閉じた股間の上に、淡く生えた陰毛が揃っているのが見て取れる。
「それじゃあ、元の体に戻ってみるぜ」
言うなり彼女は、手提げ鞄から、肌色をした太い棒を取りだした。
その形が意味するものを理解すると、智明は顔を赤らめてしまった。
長さは25センチぐらい、両端の先がえらばったように太くなっているそれは、アダルトビデオのレズプレイで目にする、双頭ディルドのように見えたからだった。
しかもそれは、光沢のするシリコンなどではなく、まるで本物のペニスそっくりな色や質感をしているのだった。
「見てろよ」
彼女は、手にしていたものを、自らの股間へと当てた。
智明は、アダルトビデオの一光景を思い出し、顔を赤らめてしまう。
股間に当たっていたものは、スムーズに彼女の中へと入っていった。
「ん……戻ってきた……」
そう言う彼女の全身に、変化が起こってきた。
肩幅が広がっていくように見えたかと思うと、それだけでなく、全体的に体が一回り膨れあがっていくのだった。
ショートカットのように見えた髪の毛は、長さこそ変わらないものの、どことなく乱雑な感じになり、手入れをしていない男の髪の毛、という感じになっていく。
その顔も、風船が膨らむように、全体的におおざっぱな感じになっていき、ボーイッシュな女の子らしさが消え、男の顔へと、そして見慣れた親友である大悟の顔へと変わっていく。
背も伸びていき、身長が智明と同じぐらいになった時には、正面から見ていて気が付かなかったが、胸元にあった膨らみも無くなっていた。
そのまま股間へと視線を向けると、さっきペニスを挿れていたはずの割れ目はなく、まるで元から生えているかのように、ペニスがそびえ立っているのだった。
「よし、今回もちゃんと戻れたみたいだな」
そう言ってくるのは、間違いなく大悟だった。
さっきまで目の前にいた、ボーイッシュな女の子の面影はどこにも無い。親友と言えども男の全裸を前にするには抵抗は感じたが、智明は彼の姿を、まじまじと見つめるしかなかった。
「どうだ。これで俺だって分かったろ?」
「本当に大悟なんだね……でも、どうやって」
「オナニーをしていたら、チン○ンが引っこ抜けて、そうしたら女の子になってたんだ」
「あれって、本当に女の子だったの?」
「お前も見たろ。それじゃあ、もう一度、引き抜いてみるからな」
言うなり大悟は、自らのペニスへと手を掛けた。
勃起したものが彼の手によって引っ張られたかと思うと、それはするりと前へとせり出していき、長さが伸びていくように見えた。
「おい、チン○ンばっかり見ているんじゃなくて、ちゃんと全身を見ていろよ」
「う、うん……」
地面に埋まった杭が姿を現すかのように、ペニスが引き抜かれていくと同時に、大悟の体に変化が起こった。
さっきとは逆に、肩幅が狭まり、身長も縮んでいく。
髪の毛がさらさらとしたものになり、顔立ちも小柄で整ったものへと変わっていく。
同時に、胸元では乳輪と乳首が大きくなっていき、その周りがだんだんと膨らんでいくのが見て取れる。
股間から、双頭ディルドのようなものが抜け出て、小さくなった女の子の手に握りしめられる。
ただ、その姿は、さっきとは違っていた。
さっきは、可愛らしい女の子だったのだが、今は、中性的な、と言った方が似合うように見えるのだ。
「どうだ。女の子になったろ?」
姿だけでなく、声もさっきと違って、ハスキーなものだった。
「女の子になったけれど、さっきと少し違うね」
「そうなんだ。どうやら、チン○ンを抜くだけじゃなく、それから女として気持ちよくなっていくと、もっとちゃんとした女の子に変化していくみたいなんだ」
その言葉に、智明は、おや、と思った。
「それじゃあ、やっぱり、さっそくエッチなこと、したの?」
「まあな」
目の前にいる中性的な女の子は、ショートカットの髪の毛をくしゃくしゃと掻き乱しながら、照れたような顔で答えた。
「そりゃ、誰だって女の子になったらすぐに触って確かめてみるだろ。
あ、でも、ちょっとクリトリスを触ってみただけだぜ。元に戻れるのと、また引っこ抜いたら女の子になれたのを確認して、すぐにお前にメールを打ったんだぜ。俺とお前の仲だもの。すぐに見せてやりたいものな」
「本当に、大悟なんだね……」
目の前で変身をするのを見せられてもまだ信じられないでいた智明だったが、そんな言葉を聞くと、目の前にいる女の子は、やっぱり大悟なのだな、と思えてくるのだった。
「ねえ、大悟。それって、僕でも出来ないかな?」
「そうだな。試しにやってみるか。オナニーの時に、チン○ンをねじるようにしてから、引っこ抜くみたいにするんだ」
「そ、それじゃあ……」
智明はズボンとトランクスを脱いで、大悟の変身する光景を見て、すでに勃起していたものへと手を掛け、言われた通りにするのだが、
「痛たたた……」
引っこ抜こうとしても、痛みが走るばかりで、とても抜けそうには思えなかった。
「駄目みたいだ……」
残念そうな声で、智明が呟く。
「それじゃあ、俺が試しにやってみようか」
言うなり大悟の姿をした女の子が、智明の背後に回るなり、その手を彼のペニスへと当ててきた。
そして、くいっ、と彼のものを捻るのだが、
「い、痛いっ!」
「あ、悪い」
慌てて、ペニスへ掛かっていた細い指先が離れる。
「駄目なのかな。俺の場合だと、今の手つきで抜けたんだけれどなあ」
「僕には無理なのかなあ……」
残念そうな声で、智明が呟く。
「まあ、気を落とすなよ。お前だって、いつかは抜けて、女の子になれるんじゃないか」
「そうだと、良いね」
どことなく寂しげに、智明は呟いた。
そんな彼を慰めるように、
「今はさ、俺のアソコ、お前に見て欲しいんだ。ほら、ここだぜ」
智明の手が、細い指先に掴まれたかと思うと、ぐにゅりとした感触が、指先に触れてきた。
驚きつつ振り返って見てみると、智明の指先は、女性の割れ目へと触れているのだった。
「うわあ」
「おいおい、何を驚いた声出しているんだよ」
「そりゃ、初めて触るんだもの……」
「ああ、そうか。お前、童貞だったもんな」
「そういう大悟だって、童貞だろ」
「童貞、って言えるのかな。この体で?」
大悟は、両手を胸元に当てて、見せつけるように小さな膨らみを、揉んでみた。
「ってことは、もしかして処女?」
「なのかな? 実は俺も、よく確かめていないんだ。だからさ、智明に触って欲しいんだ」
「本当に、良いの?」
「ああ、俺とお前の仲だろ」
言うなり大悟は、ベッドに腰を下ろし、両足をM字に開いて、その中心にある割れ目を智明へと見せつけてきた。
中性的な感じがすると言えども、女の子がそんな格好をしてくるとなると、智明は思わず唾を飲み込んでしまう。
「そ、それじゃあ……」
智明は、ベッドの前に膝立ちになり、M字に開かれた両足の合間へと顔を近づけていった。
「どうだ、ちゃんと見えるか? 実は俺も、よく見ていないんだ」
「え、鏡を使った探索は、基本でしょ」
「いや、全身は見たんだけれど、肝心の部分はちゃんと見ていないんだ。少しでも早く、お前に知らせようと思って、すぐに来たから」
「そうなんだ。ありがとう」
TS仲間の配慮にお礼を述べながら、智明はさらに顔を近づけていった。
健康的な太ももの温もりが頬に伝わってくるのと同時に、生えた陰毛の下に、複雑な肉の割れ目が見て取れたのだった。
インターネットの無修正動画で、女性の股間を見たことがあるが、生で見るのはこれが初めてのことだった。
「どうだ? 見えるか? 俺の位置からだと、よく見えないんだ」
「あ、やっぱりそうなんだ。なんだったら、手鏡でも持ってこようか?」
「いや、お前に見て欲しいんだ。それで、感想とかを言ってくれると助かる」
「そう。それじゃあ……」
彼女の顔を見ていた智明は、視線を再び股間へと向けた。
それは、インターネットで見る女性の股間と同じ形をしていた。
「どうだ?」
心配そうに、ハスキーボイスで尋ねてくる。
「う、うん。ちゃんと女の子のものになっているよ。クリトリスもあるし、膣の部分も割れてるし」
「そうか。普通の女の子と同じか」
「同じって言うか、パソコンの画面で見るのと違って、太ももの温もりとか、汗の匂いとかも感じられるから、すごい迫力だよ」
「それって、なんか、いかにも童貞臭い感想だな」
「そりゃそうだよ。童貞なんだから」
「そうだよな。でも、女の子になった俺の股間を見られるのって、なんか変な感じだよな。俺からは陰毛しか見えない部分を見られているんだもの。何が見えるんだよって感じだよ。それに、こうやって見下ろしていると、胸の膨らみを見せつけられるみたいで、なんか、いかにも女の子、って感じがするんだ。
そ、それじゃあよ。触ってくれないかな? 俺のクリトリスに……」
それまで股間を見つめていた智明の視線が、確認するかのように、上へと向かう。
「いいの?」
「ああ、良いぜ。頼む……」
ハスキーボイスに加えて、上擦った声で頼まれて、智明はまるで非常ボタンを押そうとする小学生のように、目の前にある小さな突起へと、指先を震えさせながら伸ばしていった。
11月3日追加
そして指先が、ぐにゃりとした突起に触れた途端、
「痛っ!」
そんな声が、頭上から聞こえてきた。
「あ、ごめん。痛かった?」
男と違って、精緻に作られた女性器に乱暴に触れてしまったかと、智明は指を離して尋ねた。
「いや、なんて言うか。痛いって言うよりかは、敏感すぎるんだよな。何なんだろう? これって。女の体だから敏感なのか、それとも俺が女の体になったばかりだから敏感なのか?」
自分自身の体の反応に戸惑いながら、大悟は呟く。
「多分、その両方なんじゃないかな? 元々、女の人の方が敏感だって言うし。それに、慣れていないってこともあるだろうし。ほら、男の体で言ったら、包茎の皮を剥いたばかりのオチン○ンみたいに」
「そうかもしれないな」
二人して、女の子になってしまった大悟の体について、あれこれと想像を語るのだった。
「それとさ。やっぱり指が直に触れてくるのもあるんじゃないかな。だから、その……舐めてくれないかな? クリトリスを……」
「え、良いの?」
女性器を目の前にさらけ出されて、触っているだけでも、智明にとっては恐れ多いと感じていたのだ。それが、舐めて欲しいと言ってくるのだから、戸惑ってしまう。
「ああ。指よりも、舌の方が、粘膜で出来ているから、刺激は少ないと思う。それにさ、やっぱりクリトリスって、舐められた方が気持ちよさそうだしな」
目の前にある小さな突起を見つめつつ、智明はごくりと唾を飲む。
「それじゃあ、いくよ」
智明は、顔を股間に貼り付けんばかりに近づけていった。
さっき以上に、汗ばんだ股間の匂いが伝わってくるのと同時に、それに混じって海に行った時のような匂いも感じられる。
(これが、女の人の匂い……)
視覚以外で感じる女性器の感じに、童貞の智明は圧倒される感じだった。
むわりとした女臭の中で、智明は舌を伸ばし、小さな突起へと狙いを定める。
舌先へと、わずかに尖った肉の部分が触れてきたのと同時に、
「あっ!」
頭上から、女の悲鳴のような声が聞こえてきたのだった。
智明は慌てて舌を離した。
「また痛かった?」
恐る恐る、尋ねると、
「いや、今のは痛かったって言うよりも、いきなり、びりびりってクリトリスが痺れた感じだったな。それで驚いて声を出したんだ」
上擦った女の声で、大悟が答えてくる。
「考えてみれば、順番がおかしいのかもしれないよな。普通の女だったら、オナニーを経験してから、男に舐められるんだろうけれど、俺ってそれをすっ飛ばしているんだもんな。性に疎い女どころか、性をまるっきり知らない女だもんな」
「それじゃあ、僕が舐める前に、きちんとオナニーしてみる?」
「いや、それはいいや。智明のリードで、女の体を知るってのも良いかも知れない。だから、続けてくれ」
「……分かった」
再び、智明の舌が、小さく突き出た女の部分へと伸びていく。
舌先へと、ぐにゅりとしたものが触れてくるのを感じつつ、
(これがクリトリスの感じなんだ……)
初めて女性の体をまさぐる童貞の男として、智明は感動と興奮を味わっていた。
初めての体験をしているのは、大悟も同じだった。
男の体のどことも違う、まるで傷口を直に触ったような、それでいて痛みとは違った刺激が、智明の舌の動きに合わせて伝わってくる。
「ああ、これがクリトリスを舐められる感じなのか。なんだか、色んな感覚が混じっているみたいだぜ。くすぐったいような痛いようなこそばゆいような……」
ハスキーボイスを上擦らせて、大悟は呟く。
「あ、なんか感じが変わってきた。なんだろう、この感じって? なんだか、勃起する前のチン○ンを弄っているみたいだ。それに、何か、反応の仕方が、男と違うな。アソコを弄られても、勃起しないって変な感じだよな。まあ、女の体だから当然なんだろうけれど」
初めて感じる女の感覚、クリトリスの感覚を、智明にも教えようとするかのように、考え考え、呟いてくる。
「ん、それに感じる場所が男と違うってのも、やっぱり変な感じだよな。股間のすぐの場所が感じてるんだから。そうか、場所が違うんだ」
納得したように、震える声で、大悟は言ってくる。
「な、なあ。クリトリスを舐められてたら、なんだか、その下の方がむずむずして来たんだ。これってやっぱり、膣の部分が敏感になってきてるってことだよなあ? 触られているのと違う場所が感じてくるなんて、やっぱり女の体って、男とまるっきり違うな」
自分自身の体に戸惑っているような、女の声が頭上から聞こえてくる。
そんな言葉を聞いてしまうと、智明の意識も、クリトリスの下にある割れ目へと向かってしまう。
智明は、舌の位置をわずかにずらした。
たった数センチずらしただけなのに、舌先に伝わってくる感じはまるっきり違ったものになったのに、智明は驚いてしまった。
クリトリスとは違う、崩れてしまうような柔らかさが感じられるのだった。
(これが、膣の感じ……オマ○コの舌触り……)
さらに意識を集中させると、そこには縦に筋が入ったようになっているのが分かった。
しかも、舌先に伝わってくるのは、膣口の感触だけではない。
(ああ、しょっぱいんだ。これがオマ○コの味。女の人の味……)
視覚、触覚、嗅覚に続いて、味覚までもが、初めての女性へと触れていく。
その味は、匂いで感じたのと同様、海水を思わせるしょっぱさがあった。
初めて触れる智明と同様に、いや、それ以上に、初めて膣口を舐められる感覚に、大悟は打ち震えていた。
「ああ、舐められてる……オマ○コ、舐められてる……何だか、体の内側が舐められているみたいだ」
同じ女性器、同じ粘膜部分と言えども、クリトリスと膣から伝わってくる感じは、まるっきり違っていた。
「ああ。何だか、体がまくり上げられるみたいだ……ああ、もっと舐めてくれ……舌先を挿れるみたいな感じで」
乞われるがままに、智明は舌を尖らせるようにして、割れ目の合間を探っていった。
舌先に力を入れると、柔らかい膣肉が、ぐにゃり、と左右に分かれて、智明の侵入を受け入れていった。
「ああ、入ってくる……これが、挿れられるって感じなんだ。こんなのって、男には無いもんな……」
大悟は、股間の割れ目を作っている膣肉が蠢きつつ、智明の舌を誘い込むように動いているのを感じていた。
こんなにも細かい肉の動きは、男の体にはないことだった。
「すごい……俺のオマ○コ、ぐにゅぐにゅ動いてるよ。はぁ、これがオマ○コが動く感じなのか。なんだか、体の中に芋虫が入り込んで動き回っているみたいだ……
それに、あ、なんだかオマ○コが疼いてきた……奥の方が熱くなってきて、まるで体の中で汗をかいているみたいだ……」
そんな言葉が意味していることを、智明は舌先で感じていた。
1センチぐらいしか入っていない舌先へと、膣口の肉がうねうねと絡みついてくる。それと同時に、舌先へ感じるしょっぱさが強くなり、さらに膣の奥から、ねとりとした粘液が染み出てくるのが感じられた。
「もしかして、これが濡れるって奴なのか?」
恐る恐る、自らの肉体の変化を問い掛けてくる。
「うん。舌の先に、とろっとしたものが当たってきてる。それに、見た感じも、さっきよりも湿っているみたいだし」
舌を離して、顔を上げて智明が答えた。
その先には、二つの小さな膨らみと、心配そうな顔でこちらを見つめてくる女の子の顔がある。
「やっぱりそうなのか。これが濡れるって感じなのか。なんだか、体の中に、とろっとしたものが溜まって、漏れていくみたいな感じなんだ」
そう言ってくる女の子の表情には、興奮と戸惑い、好奇心と狼狽が入り交じっていた。
やがて、意を決したような顔になったかと思うと、
「なあ、指、入れてくれないか?」
智明の顔を見詰めつつ、そう言ってくるのだった。
「あ、うん……でも、良いの?」
親友が変身した姿とは言え、女の子の膣内に指を入れるとなると、智明は相も変わらずいちいち確認の問いをしてしまう。
これが、本当の女の子相手だったら、人によっては鈍感な男だと愛想を尽かされてしまうかもしれないが、目の前にいるのは、女の子に成り立ての大悟なのだ。
「あ、ああ。さっきよりかは、気持ちよくなってきているみたいだ。なんて言うか、全身が風呂に入っているみたいに、火照ってきてるんだ」
「そ、そうなんだ。それじゃあ」
智明は、人差し指を立てて、目の前にある割れ目へと近づけていった。
指先に、ぺたりと柔らかく濡れた肉が触れてくるのを感じつつ、さらに進めていった。
ぐにゃりとした膣口は、押し当てられたものを、ゆっくりと飲み込んでいった。
その感触は、左右から閉じた柔らかい扉に、強引に指先を突っ込んでいるかのようだった。
「ああ、指先にねちゃねちゃしてて柔らかいものが貼り付いてくる。これが女の人の中なんだ」
「ん……智明の指が、マ○コの中に入ってくる。これが、入れられるって感じか。体の中に、何かが入ってくるって、おかしな感じだよな。でも、悪い気はしないな。なんだか、体が勝手にそれを求めてる、みたいな……」
大悟の意志を離れて、股間の膣襞は勝手に動き、智明の指先を飲み込み続けていた。
やがて、指先が中程まで入ったところで、智明は膣襞の圧迫とは明らかに違う感触を感じた。
「あっ!」
その途端、軽い悲鳴のような声が聞こえてきた。
「ごめん」
智明は、慌てて指先を抜こうとした。
「いや、そのまま入れてて良いぜ。ちょっとアソコの中が引っ張られた感じがしたから声をあげちまった。
もしかして、今のって、処女膜を突かれた感じかもしれない」
「……処女膜」
智明はオウム返しにその言葉を呟くしかなかった。
「ってことは、やっぱり俺って、処女なのかな?」
「そうなんだ」
その言葉は、大悟がペニスを引き抜いて女の子に変身した時と同じぐらいに衝撃的だった。
目の前に、処女の子がいて、その中へと、指を入れている。
大悟は、考え込むような顔をしながら、まだ膣内に入ったままの智明の指先を、まじまじと眺めていた。
やがて、口を開いたかと思うと、
「よし。決めた。俺の処女、お前が奪ってくれ」
女の声で、そう言ってきたのだった。
11月4日追加
「本当に良いの?」
今日で何度目になるか分からない確認の言葉を、智明は口にした。
「前に言ったことあるだろ。『女の子になったら、処女はお前にやる』って」
そういえば、そんなことを言われたことがあったな、と智明は思い出した。
「いつかはロストバージンすることになるんだから、それだったら相手はお前が的確だろ。それに、俺だけが女の子になっちまったんだ。せめてお前は、男として処女を奪う体験をしてみろよ。
ねえ、お願い、智明に、わたしの処女、あげたいの」
まじまじと見据えてくるような視線が、智明へと向かってくる。
「わ、分かった。
あ、一つお願い。今みたいに、女の子っぽくしないで、いつもの男の口調のままの方が良いな」
「そうだったな。そっちの方が興奮するものな」
お互いの趣味は全て分かっているというような顔で、大悟はにやりと笑った。
「さあ、それじゃあ早く」
言って大悟は、その女体をベッドへと横たえる。
智明は、興奮した呼吸を整えるように、ごくりと唾を飲み込んでから、震える手つきで、着ている服を脱いでいった。
トランクスを脱ぎ終えると、彼の股間からは、勃起したものがそそり立っていたのだった。
そんなペニスへと向かってくる視線に気付いて、智明は思わず股間を手で隠してしまった。
「別に隠さなくても良いぜ。どうせこれから、俺の中に入れるんだろ」
「そりゃそうだけど。女の人に見られてると思うと、なんだか恥ずかしくなっちゃって……」
「まあ、俺だって本当に女の体になって、他の男のものを見ることがあるなんて思ってもなかったからな。あんなものが入ってくるのかと思うと、つい見ちまうんだ」
「やっぱり、緊張してるの?」
「ああ。心臓がドキドキしてるぜ。これって、初体験する女の子の気持ちなのかな? それとも、初体験する男の気持ちの方なのかな? うーん、やっぱり、女の子になって初体験をする男の気持ち、なのかな?」
「そのまんまだね」
迷い迷い言ってくる台詞に、智明は思わず笑ってしまい、わずかに緊張がほぐれる。
「まあ、実際にそうなんだからな。なまじチン○ンの固さとか大きさとかは、処女の女の子よりも良く知っているから、あんなものが本当に体に入るんだろうかとか、心配になって仕方ないんだ。それに、なんと言っても、処女喪失の痛みってのも気になるしな」
「なるべく痛くしないように優しくするよ」
「ありがとな。あ、でも、むしろ痛い方が、いかにも処女喪失って感じがして良いかも知れないから、どっちが良いか悩むな」
「まあ、なるようになるよ。それじゃあ、いくよ」
言って智明はベッドへと上がり、わずかに広げられた両足の合間へと入ろうとした。
「もう少し、足を広げてもらえる」
「あ、ああ。そうか。こんな感じか?」
ストレッチ体操をするかのように、膝が伸ばされたままで、両足が左右に広げられたのだが、太ももが邪魔をして、智明は体を進めることが出来ない。
「もっと広げてもらえないかな。太ももが当たってくるんだ」
「こ、こんな感じか」
言われるままに、両膝が持ち上げられ、両足が広がっていき、その中央にある割れ目が見せつけるようにさらけ出される。
「すげえ。女の足って、こんなに広がるんだ。なんだか、オムツでも替えられるみたいな格好だな」
「でも、男の僕から見たら、すごく興奮する格好だよ。アソコが丸見えなんだもの」
「やっぱり自分から見えないってのは、男と違うよな。まあ、後で鏡でも使って、じっくり観察するとして……
それじゃあ、挿れてくれよ」
「う、うん。わかった……」
智明は、広がった足をさらに左右へ割ろうとするかのように、膝へと両手を当てつつ、腰をゆっくりと進めていった。
やがて、亀頭の先へと、湿った部分が当たってきた。
「場所は、ここで合ってる?」
緊張した口調で問い掛ける。
大悟の股間に当たってくる部分は、さっき智明が指を挿れた場所だった。
「ああ、多分、そこで良いと思う」
お互い、女の体は初めてということで、まるで暗闇の中で手探りをして相手を探すかのようなやりとりがされる。
「そ、それじゃあ、いくよ」
言って智明は腰を進めたのだが、亀頭の先がわずかに割れ目へめり込んだかと思うと、そこはさっきの指とは違い、つるん、と上滑りして、外へと向かってしまった。
「あ、ご、ごめん」
もう一度、腰を引いてからチャレンジするのだが、またしても結果は同じだった。
「やっぱり最初は、なかなか上手く入らないみたいだね」
「いや、謝らなくて良いんだ。多分、俺の方も緊張していて、力んじゃっているのかもしれない。ちょっと深呼吸していいか?」
言うなり、小さな口が開かれて息が吸われるのと同時に、小さな膨らみを持った胸元が、上へと揺れるのが見て取れた。
「それじゃあ、僕も……」
二人して、呼吸を合わせるかのように、ゆっくりと深呼吸を繰り返す。
「よし、それじゃあ今度こそ頼むぜ」
「うん。いくよ」
智明は、再度腰を進めていった。
亀頭を押し返すような柔らかい膣口の感触が伝わってくる中を、それを掻き分けて突進するかのように、ペニスを埋めていく。
ずぶり、ずぶり、と徐々に亀頭の先が、柔らかく濡れた膣口へと包まれていく。
やがて、亀頭がすっぽりと包み込まれて、その雁首を形取るかのようにうねうねとした膣襞が貼り付いてくるのが感じられる。
(ああ、これが女の人の中なんだ……)
自分の指で触るのなんか比べものにならないほどの、襞の一つ一つが亀頭と雁首をなぞってくるかのような、女の中の感触が伝わってくる。
「ああ、なんだか丸っこいものが入ってる感じだ……」
智明の眼下で、呟くような声が聞こえてくる。
「これが挿れられる感じなのか。なんだか、お腹が膨れあがるみたいな感じだ。智明、今のところ、どこまで入ってる?」
自分の体だと言うのに、大悟からは見ることが出来ずに、智明にそう尋ねる。
「うん。雁首の部分までが入ったところ」
「まだそれだけなのか。なんだか、太い棒を挿れられているみたいだな……」
「大丈夫?」
「ああ、心配するなって。それよりも、そのまま続けてくれよ」
「分かった」
智明がさらにペニスを奥へと挿れていくと、その先端に、膣の圧迫とは違った抵抗が感じられた。
「痛てっ!」
急に背後から肩を叩かれたかのように、彼女の全身が、びくん、と震える。
「今、オチン○ンの先に、なんか当たってくるものを感じたんだけれど、やっぱり処女膜かな?」
「ああ、そうだろうな。なんか、膣の中が、奥の方へ引っ張られるような感じがしたぜ。あ、気にせずそのまま続けてくれよ」
「う、うん……」
智明がペニスを進めると、先端に当たっていたものは、ゴムのように歪んで抵抗をしてきたが、突然、その反動が無くなった。
腰を進める勢いに乗ったペニスは、そのままずぶずぶと奥へ入っていく。
「痛つぅ……」
そう呟く彼女の顔は、目をぎゅっとつぶり、口を固く閉じていた。
「痛かった?」
「ああ、やっぱり痛かった。なんだか、体の中がこじ開けられて、その奥に切れ目を入れられたみたいだ。これが処女喪失の痛みってやつか。まあ、怪我した時よりも、ちょっと痛い程度だな。
それより、どうだ? お前の方の、童貞喪失の方は?」
「うん。すっごく気持ち良いよ。ぬるぬるしたものが、ぐにゅぐにゅって絡みついてくるみたい。これが、オマ○コの感じなんだね。すごく気持ち良いよ」
「そうか。やっぱり男の体って、すぐに気持ちよくなれて便利だよな。それに比べて、こっちは痛いやら、太いものが入っているやらで大変だ」
「まだ、気持ちよくはならないの?」
「ああ、やっぱりエロ漫画みたいにはいかないもんだな。あ、でもこうやってしゃべっていたせいか、さっきよりかは痛みが引いてきたな。もう少し、奥に入れてもいいぜ」
「こ、こうかな?」
腰を突き立てていくと、ペニスの先端へと、またしても抵抗が感じられた。さっきのような弾力のあるものではなく、もっとこりこりとしたものだった。
「あ、なんかチン○ンの先が、俺の奥の方に当たってきてる。これってもしかして子宮口かな?」
「う、うん。なんだか、当たってきてるよ」
「ってことは、俺の腹の中に、子宮があるんだな……」
大悟はそう呟きながら、智明のものを受け入れている自分の腹の部分を眺めた。
「ん……なんだか、痛いだけじゃなくて、股間の部分が疼いてくる感じがしてきた。智明、今度は腰を引いてみてくれよ」
「分かった」
智明は、慎重に腰を引き、奥まで入っていたものを、ゆっくりと引き抜いていった。
割れ目から出てきたその部分には、透明な粘液と共に、うっすらと赤い鮮血が混じって見えた。
「血が出てるみたいだね」
「そうなのか。見たいけれど、なんか見るのも恐い気がするな。女だったら、生理で股間から血が出るのは慣れているんだろうけれど、俺の場合、完全に初心者女だもんな」
「ああ、そうだよね。それで、痛みの方はどう?」
「まだ痛むけれど、慣れてきたって感じかな。だから、腰を動かしてみていいぜ」
智明は、初めて体験する女性の中をじっくりと味わおうとする気持ちと、なるべく痛い思いをさせないようにという気持ちから、ゆっくりと腰を動かしていった。
その度に、ぬめぬめとした膣襞が、智明のものへと巻き付いてきて、くすぐってくる。
そんな腰の動きを、大悟は膣内で受けとめていた。
「なんだか、体の中が掻き回されるみたいだな。うん、だんだん慣れてきた。もう少し、早く動いても良いんだぜ」
「動きたいんだけれど、なかなか難しくって……それに、激しくすると、すぐに出ちゃいそうで」
智明は、あくまでもスローペースで、ペニスを出し入れしてきた。
そのうちに、じわりと股間の奥が炙られるような感じがしてきた。
「ああ、なんだか気持ちよくなってきたみたいだ……いいぜ、その調子だ」
その言葉の通り、智明のペニスを包む膣襞から、緊張が解けたかのように、うねうねとした動きが早まっていくのが感じられた。
「ああ、オマ○コの中、ぐにゅぐにゅ動いているよ。もう、出ちゃいそう……」
呻くように、智明が呟く。
「そうか。それじゃあ、出してくれよ。オマ○コの中に、精液出してくれよ」
そんな言葉に合わせるかのように、ペニスへの締め付けが強まった。
「ああ、僕、出ちゃうよぉぉぉぉぉ!」
智明の背中が、ぐいっ、と反り返ったかと思うと、その反動で奥まで達したペニスの先端から、精液が吐き出された。
そんなペニスの根本から雁首、そして鈴口までを、湿った膣襞がやわやわと締め付けてくる。
射精の快感に上乗せするかのように、女性器の心地良さが感じられる。
これまでオナニーの際に、ティッシュに向かって射精することしかしてこなかった智明にとっては、射精と同時にペニス全体が包み込まれ、さらには絞られるような動作をされるというのは、これまでに感じたことのない射精感のように思えた。
そうやってペニスから吐き出されたものがぶつかってくるのを、大悟は胎内の奥で、感じ取っていた。
子宮口へとぶつかった精液が、その勢いのままに、子宮へと流れ込んでくる。
挿入の快感とは違った、じわりとした暖かみを伴った、心地よいと言える感じが伝わってくる。
「ああ、智明の精液、マ○コの奥に入ってきてる……」
上擦った女の声が、口から漏れていく。
「これがチン○ンを入れられる気持ち良さ。中出しされる女の気持ち良さなのか」
そう呟く顔には、女としての大事なイベントが終わった安心感と、男としての好奇心が満たされた満足感が入り交じっていた。
そんな顔を見詰めつつ、智明は腰を引いた。
そこからは、彼が膣の中へと出して、入りきれずに溢れ出てきた精液が、ペニスが抜けると同時に垂れ落ちてきた。
白濁の合間には、処女の性器が流した純血を表す赤いまだらが混じっていた。
「ねえ、まだ痛む?」
「うん。痛いって言うか、むずむずするって言うか、もうチン○ンは抜けてるはずなのに、まだなんか太いものが入っているような気がするんだ」
「ふーん。そういう感じなんだ。こっちは、いつも通り、射精が終わった後の、気が抜けたみたいな感じだよ」
「おいおい、女の処女を奪っておいて、気が抜けた感じはないだろ」
「あ、ごめん。でも、大悟だって、男のオナニーの後のむなしさはわかるだろ」
「まあな。でも、そう考えると、やっぱり女の体って、男と違って複雑に出来ているんだな。これから、だんだんと気持ちよくなっていくんだろうな」
「そうなんだろうね。なんだか羨ましいな」
「まあ、俺だけ女になれて、悪いと思ってるよ。だからその分、この体を可愛がって、開発してやってくれよ」
言うなり、処女を失ったばかりの女の子の顔が近づいてきて、智明の唇を奪ったのだった。
智明は目を見開いたままに、目の前でうっとりと瞳を閉ざしている彼女の顔を、じっと見つめたのだった。
続く
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