『あさはは』
作:月華
第1章「意識が戻るってみると……」
「か、義母さん……」
鏡に映る人の呼び名を、俺は呟いた。
口から漏れた声は、頭に響く感じがあって、ちょっとした違和感があったものの、聞き慣れた、亜紀子義母さんのものだった。
鏡を通して見つめ返してくる顔は、目元に優しさを感じさせられる、母親としての包容力という言葉がふさわしかった。
両手を頬へと当ててみると、男とは違った、しっとりと指先を撫でるような、柔らかい肌触りが伝わってくる。
視線を体へと向けると、ボディラインを見え隠れさせて挑発するようなネグリジェに包まれた、義母さんの体が見て取れた。
ネグリジェの下には、黒いブラジャーとパンティーが透けて見える。
ブラジャーに包まれているというのに、胸元の大きな膨らみは、ブラジャーの肩ひもだけでなく、肩の当たりの皮膚を下へと引っ張るように、ずしりとその重みを伝えてくるのが感じられる。
男の体から、突然、沙織姉さんの体になってしまった時ほどには違和感は感じないものの、それでも姉さんに続いて、今度は亜紀子義母さんの体になってしまったのだから、落ち着いては居られない。
それでも俺は、義母さんの体を注視せざるを得なかった。
ネグリジェに透けて見えるその体のラインは、姉さんとは違った、三十三才という、女体としての成熟を感じさせられる豊満さが、伝わってくるからだった。
俺は、両手を顔の前へとやって見つめてみた。
マニキュアに彩られて、綺麗に整った爪と、細くしなやかな指先が見て取れる。
くるり、くるり、と手のひらを回してみると、男の手に比べて小柄なせいか、やけに敏捷に動くのが感じられる。
右手を握りしめてみると、男の体とは違って、力強さは感じられず、割れ物を包み込もうとするような、女性ならではの優しさと、儚げさが感じられた。
俺は、その手を顔の前に持ち上げたままに、視線を下へと降ろしていって、二つの膨らみが前へとせり出している、胸元を見つめた。
眼下の視界を遮るように盛り上がっている黒いブラジャーと、それとは対を為すようにして、ブラの上からはみ出ている白い乳肉が作り出す、深い深い谷間。
義母さんは、Fカップの姉さんよりも、一回りは大きい、Gカップのはずだった。
俺は、目の前に挙げていた手のひらを、ゆっくりと降ろして、膨らみの上へとあてがった。
ネグリジェとブラジャー越しだというのに、俺の両手には、しっとりとしてきめの細かい、義母さんの乳房が触れてくるのが感じられる。
手のひらを乳房に押し当てたままに、その立体的な曲線美をなぞるようにして、俺は手のひらを降ろしていった。
「ん……」
その途中で、指先が、乳房の先端でせり出しているもの――乳首へと当たるのと同時に、甘い疼きが俺の頭へと伝わってくるのが感じられた。
その感触は、姉さんの体になった時よりも敏感だった。
開発された女の体、という言葉が浮かぶ。
そのまま乳首を弄ろうかと思ったけれど、俺はさらに乳房の下へと手のひらを這わせていった。
小指の脇が胸元へと当たった所で、俺は両手で、義母さんの乳房を持ち上げてみる。
男としての俺の手のひらよりも小さな義母さんの手のひらには、はみ出してしまうのではないかと思われるぐらいの、みっしりとした重量感と、ふんわりとした弾力感が伝わってくる。
乳房が持ち上げられるのに合わせて、肩へと掛かっていた乳房の重みが減って、胸元の乳房が宙に浮いているような気分になってきた。
丸くて柔らかい風船を二つ、胸元に押し当てているような気分になってくる。
乳房をさらに持ち上げると、小柄な手のひらからこぼれ落ちそうなぐらいに、義母さんの乳房が、手のひら一杯にのしかかってきた。
それに合わせて、乳首がブラジャーに擦られるのが感じられる。
俺は、人差し指から小指までの指先で乳房を持ち上げたままに、親指を乳首へと伸ばした。
「あぁん……」
姉さんの体で何度も体験したことだけれど、胸元に乳房があり、その先端には快感のスイッチがあるかのような感覚は、男の俺には何度体験しても異質であり、そして今の俺は女性の体になっているのだ、と実感をさせられる。
親指で乳首を転がしているうちに、ちん○んが勃起するように、乳首がだんだんと固く痼ってきて、指先の動きを、一層ダイレクトに受け取るようになってきた。
親指を、左右へと、きゅっ、きゅっ、と動かすと、ブローチのように、乳首が柔らかい乳房の中にめり込みつつ、その向きを変えては、ジンジンとした甘い疼きを俺の乳房全体へと、そして頭へと、伝えてくる。
乳首への刺激に釣られて、乳房全体も、新たな刺激を求めて、熱く膨れていくのが感じられた。
俺は、乳房に被せるようにして両手を当ててみたけれど、義母さんの小さな手のひらでは、大きな乳房を覆い切ることは出来ない。
それでも俺は、下からすくい上げるようにして乳房を盛り上げつつ、五本の指先を一杯に広げて、乳房を握りしめた。
指先を広げきった所で、じわりと指先を乳房めがけて折り曲げると、揉まれるというよりも、むしろ指先の合間から、乳房が溢れだしていくような感覚が伝わってきた。
「ん……」
指先から溢れ出ようとする乳房を、俺は必死になって覆おうとする。
こぼれ落ちる乳房と、指先の追いかけっこは、いつまでも続きそうだった。
しかも、指先の刺激によって熱を帯びた乳房は、熱せられて風船が膨らむようにして、一回りは大きくなったような感じになってきた。
絶えず動き続ける指先は、シルクの下着を擦り、ブラの布地とは違った種類の滑らかさを持つ乳房と擦れ合い、乳房全体へと、絶え間ない刺激を与えてくる。
「あはぁ、あぁ……」
快感による息苦しさから、俺の口からは、義母さんの喘ぎ声が漏れていく。
その甘美な声に、男としての俺の欲望が刺激され、同時に、さらなる快感を求めようとする女の体としての欲望が重ねられる。
男としての本能と、女としての肉欲から、さらなる刺激を求める俺は、慌ただしくネグリジェを脱ぎ落とし、ブラジャーのホックを外した。
途端に、肩へと、ずしりとした乳房の重みが伝わってきて、胸元へと、なま暖かい膨らみが張り付いてくるのが感じられる。
俺は、上半身裸になった、義母さんの体を、鏡越しに眺めた。
やや下を向いた感じの乳房は、左右へと広がっていて、カップのサイズ以上に大きく感じられた。
白い乳房の先端には、緋色の乳首が、左右へと向かって広がっているのが見て取れる。
俺は、人差し指から小指までを揃えて、下乳が作り出す、綺麗な曲線をなぞってみた。
指先には、きめの細かい義母さんの肌ざわりと、なぞる指先をやんわりと受け入れる柔らかさが感じられた。
二度、三度と、なぞってから、俺は両手で左右の乳房を持ち上げた。すると、それまで肩に掛かっていた、乳房の重みが消えて、胸元にふわりとした風船が当てられたような感じになる。
そして乳房を持ち上げて、まるで肉まんのような形を乳房が作り上げた所で、俺は手のひらを、ぱっ、と離した。
すると、さっきまでの反動のように、胸元を柔らかい乳房が流れ落ち、肩へと乳房の重みが伝わってくるのが感じられた。
肩へ掛かる乳房の重みは、沙織姉さんの時にも体験したけれど、それよりも大きく、そして柔らかい義母さんの乳房で感じる重みは、格別だった。
しばらくの間、乳房を持ち上げては離し、ということを繰り返していたけれど、それだけでは飽き足らなくなった俺は、足の爪先に力を入れて、軽く飛び跳ねてみた。
その効果は、抜群だった。
俺が飛び跳ねると、それとワンテンポ遅れて乳房が宙へと浮き上がり、肩への重みが消える。
次の瞬間、両足を畳へと降ろすと、浮き上がっていた乳房がその反動から胸元へと、パチン、という音と共に柔らかくぶつかってきて、その弾力から、打ち寄せた波が徐々に消え去るようにして、ふるふると揺れてから、元の位置へと戻る。
同時に、肩へは、急激に引っ張るような乳房の重みが伝わってきて、義母さんの乳房の重みを、より一層感じさせられる。
今度は、左右へと体を振ってみた。
体の揺れとはわずかに遅れて、胸の脇の部分が引っ張られるような感じがし、反対側では、揺さぶられた乳房が、張り付いてくるように、ぴたりと触れてくるのが感じられる。
左右に揺れる乳房の先端で、勢い良く動き回る乳首へは、部屋の空気の感触が、まるでぶつかってくるかのように、はっきりと伝わってくる。
おまけに、揺さぶるたびに、胸の谷間では、二つの乳房が、優しく擦れ合う。
俺が体の動きを止めても、まだ乳房は、振り子のように揺れ続けていた。
その揺れも、だんだんと収まってきて、再び、豊満に膨れあがった乳房が、俺の正面にある鏡と、そして眼下で形を整え、綺麗な曲線美を作り出す。
胸にばかり注意が行っていたけれど、それをとがめるように、別の感覚が湧き起こってきた。
それは、股間からだった。
男の、力強さを主張するような勃起とは違う、官能の熱によって、股間が溶けてくるかのような、姉さんの体で感じたのと同じ感覚だった。
でも、姉さんとまるっきり同じ訳ではない。
姉さんと違うのは、その位置だった。
股間の、もっと奥の方、子宮のある辺りが、じわじわと疼いてくるのだった。
熱く疼く子宮に刺激されて、ほころび始めた膣内へと、ねっとりとした体液が湧き出てくるのが感じられる。
膣を内側から撫で下ろすような粘液は、狭い膣内を充満させ、入り口へと溢れ出ていくのが感じられる。
パンティと股間が触れあっている場所へと割り込むようにして、滑(ぬめ)りとした感触が浸蝕してきて、パンティの前部へと染み渡っていく。
その様子は、鏡越しにも見て取ることが出来た。
黒いパンティの中心に、段々と染みが作られてきて、部屋の灯によってわずかに輝くようになる。
俺は、股間にせかされるかのように、パンティへと手をやり、太ももに沿って、ゆっくりと降ろした。
割れ目の部分とパンティが離れると同時に、ねちゃり、と言う音が聞こえてくるかのように、きらきらと輝く粘液が糸を引き、同時に空気に触れた股間へと、撫で回すように部屋の空気が当たってくる。
糸を引いた粘液が途切れて、右の太ももへと、たらりと垂れ落ちて、太ももの敏感な部分をくすぐるように流れていく。
俺はパンティを足下まで下ろし、脇へと脱ぎ捨てた。
再び正面を向くと、全裸になった義母さんが、鏡へと映し出されていた。
ヘアの生え具合は、姉さんよりも濃いめだけれど、その分、面積は小さめと言った所だった。
人差し指と中指を伸ばして、ヘアを撫でてみた。
引っ張れるようにして、さわさわとした感触が、股間の上辺りから伝わってくる。
もったいつけるような弱い刺激に対して、俺の股間は、きゅんきゅんと音を立ててくるかのように、さらなる刺激を求めてくるのが感じられた。
俺は、ヘアの下にあるクリトリスを素通りして、割れ目へと人差し指を当てた。
指先からは、柔らかく、そしてねっとりと湿った感触が、同時に割れ目からは、待っていたものが当てられた感触が伝わってくる。
押し当てた人差し指を、ゆっくりと割れ目へと押し入れていった。
「ん……」
指先が入っていくと同時に、背筋から後頭部にかけて、ぞわり、とした快感の刺激が這い上がっていく。
指先に伝わってくる膣の感触は、姉さんよりも、入れられ慣れている、という感じなのだった。
溢れ出てくる粘液は姉さんのものよりもサラサラとしていて、指先に絡みついてくる肉襞も、奥へ奥へと指を誘い入れるかのように蠢(うごめ)いている。
(も、もう一本……)
股間の疼きに流されるままに、中指を割れ目へと突き立てようとした所へ、
「義貴、いるんでしょっ!」
いきなりふすまが開けられて、沙織姉さんが入ってきた。
そして姉さんの後ろには、「俺」が困ったような表情で立っているのが見える。
「って、なんて格好しているのよ。あなたって、節操ないわね」
その口調は、間違いなく沙織姉さんのものだった。
沙織姉さんが自分の体に戻っていて、その後ろに「俺」がいるってことは……
「じゃあ、後ろにいる俺は……ひょっとして、義母さん?」
「ええ、そうよ。わたしの体が元に戻ったから、義隆もかと思って、部屋に行ってみたら、あなたの体に入っちゃった義母さんがいたってことよ」
「ねえ……あなた、義隆君なの?」
勢いづいた姉さんに、おずおずと割り込むようにして、「俺」が尋ねてきた。
おっとりとした口調は、間違いなく亜紀子さんだった。
もっとも「俺」の体でそう言われると、まるでおかまになった俺を見ているかのように思えてくるけれど。
「じゃあ、やっぱり、義母さんなの?」
「ええ、そうみたいね。沙織さんの話だと、昨日は義隆君と沙織さんが入れ替わったっていう話だったけれど」
「ああ、そうなんだ。昨日は姉さんと入れ替わって、大変だったよ」
まあ、大変は大変でも、苦労したとか言うよりも、今までにない経験ばかりで戸惑ったってのが実態なんだけれど。
「あのぉ。それで、どうやって元に戻ったの?」
おずおずと尋ねてくる義母さんに対して、
「良く分からないわ。そもそも、どうして入れ替わったのかも分からないし」
「そんな……じゃあ、これからどうしましょう」
そう言って「俺」は、義母さんの癖である、右手を握りしめて、口元へと当てる仕草をした。
「まあ、様子を見るしかないんじゃないの」
「でも、今日はあたし、近所付き合いがあるから……」
そういえば、義母さんは、土曜日は近所の社宅に住んでいる人と集まって、寄合いをしているのだった。
「わかったよ。それじゃあ、俺が代わりに行くから」
「でも、近所付き合いって言っても大変よ」
「大丈夫。ぼろを出さないように、何もしないでいるから」
「それじゃあ駄目なの……近所付き合いって言うのはね……」
言いよどむように、口をもぐもぐとさせてから、
「近所の単身赴任の奥さんが集まって、レズプレイをするのよ」
握りしめた手を口の前に当てたまま、義母さんはそう言ってきたのだった。
「レ、レズプレイって……」
「単身赴任で寂しい奥さんが集まって、通販で買ったバイブとかの品評会をしたり、新しいオナニーの方法を試し合ったりするの。
バイブを使い合うことで、これが本当の、近所突き合い、なんて洒落はお好き?」
無理矢理に場を和ませるように言ってくる義母さんに、俺は絶句するしかなかった。
そんな俺に追い打ちを掛けるように、
「で、次に、大勢の旦那さんと一緒に、乱交プレイ」
「ら、乱交プレイって……」
「……やっぱり、バイブよりも、本物の方が気持ち良いじゃない」
「いや、そうじゃなくって」
俺はぱたぱたと手を振った。
「これも近所付き合いってものなの。大人の付き合いってものなのよ。
あたしがこうやってご近所さんと付き合っているから、あの人は支店長にまで出世できたのよ」
あの人とは、俺の父さんのことだ。
父さんは、家では普通な割には出世をしているなあと思ったら、義母さんにそんなことをさせていたなんて。
「義母さん……そんなことをしていたの」
「あ、でもね、父さんの出世のためだけじゃないの。なんて言うか……女の本能?」
「そこで疑問形で聞かれても……」
相変わらず握った手を口元に当てたまま「俺」は、上目遣いにそう言ってきた。
「でも、あたしが愛しているのはあの人だけよ。だから他の旦那さんとセックスしても、キッスはNGなの」
あんたは安手の風俗嬢か、もしくはどこぞの魔法少女の奥様か、と言いたくなったのを、俺はどうにか我慢した。
「ま、昨日はわたしになって、良い経験したんだから、今日もその調子でやっちゃいなさいよ」
クエスチョンマークの飛び交う雰囲気の中、それを強引に治めるようにして、姉さんは俺の肩を力強く叩いてきたのだった。
第2章「憧れの熟女と交歓……」
俺は義母さんと姉さんに手伝ってもらって着替えをしてから、義母さんに言われた社宅へと向かった。
レズプレイに乱交プレイか……
昨日は姉さんの体になって、色々とエッチな体験をしたけれど、乱交プレイはさすがに無かった。
その前の、俺の体だった時も無かった。
まあ、当たり前か。
それが、義母さんの体になって、いきなりそんな体験をしようというのだから、考えると興奮をしてくる。
まずは男としての興奮。
いつも社宅を歩いて出会う度に挨拶をしてきた近所の奥さんたちとレズプレイをしようと言うのだ。
顔しか見たことのない奥さんたちの裸が見られる……
女だけの密会に、こっそりと変装をして侵入するようで、覗きをする人はこんな気持ちだろうか、と思ったりする。
俺の頭には、女性同士の熱気に包まれる中、汗に濡れたきめの細かい女性の肌同士が触れあう、ねっとりとした感覚が思い浮かぶ。
そんなことを考えていると、俺の体に変化が起こってきた。
いつもだったら、ちん○んが勃起してくるのだけれど、義母さんの体になっている今はそうではない。
腹部の奥辺りがジクジクと疼いてくる。
そこから伝わっている股間の部分が熱くなり、ねっとりとした粘液が湧き出てくるのが感じられる。
歩きつつ、太ももを擦り合わせていると、ジュクジュクという音が聞こえてくるんじゃないかってぐらいに、俺の股間は濡れ始めていた。
自然と、歩幅が小さくなる。
歩数が増える分、足を通じて股間へと伝わってくる振動が増えることになる。
一歩ずつ歩く度に、下から突き上げるような刺激が、股間へと届き、さらにその奥にある子宮へと伝わってくる。
溢れ続ける粘液が、パンティの中いっぱいに広がっていく。
もう収まりきれなくなった愛液が、パンティの隙間から垂れ落ちていくのが感じられた。
敏感になっている太ももの内側を、一条の糸が、つぅい、と垂れていく。
その感覚は、なめくじが敏感な場所を這っているようでもあり、透明人間が指先で太ももを撫でてくるかのようでもあった。
女性独特の反応を感じていると、俺の頭はペニスのことで一杯になっていた。
入れて欲しい……入れて欲しい……入れて欲しい……
暴れるように疼く子宮を満たしてもらいたくってしょうがなくなってきた。
ちょうど、男の体の時に、オナニーをしていて、射精がしたくってしょうがないのと同じようなものだ。
男との違いは、男だったら自分で処理できるけれど、女の場合はそうはいかないということだ。
とにかく、太くて熱いものを、股間に挿入れてもらいたい。
そう思っていると、だんだんと吐息が熱くなってきているのが感じられた。
すれ違う人にとっては、ちょっと息が荒くなっているようにしか思えないだろうけれど、義母さんの体になっている俺には、その微息が、頭中に響いてきて、自然と漏れていこうとする喘ぎ声を、必死にこらえようとしているように思えた。
道路の真ん中で、喘ぎ声をこらえる義母さん……
それが今の、俺の姿なのだ。
俺は、このままでは路上でオナニーをしてしまうのではないかと心配しつつ、社宅への歩みを早めた。
そして、たどり着いた家のドアベルを鳴らす。
「はい?」
ドアフォン越しに女性の声が聞こえてくる。
「いつもお世話になっております。隆司の妻の亜紀子です」
「あら、亜紀子さん。さあ、どうぞ上がってくださいな」
玄関を開けて出てきたのは、和服に身を包んだ女性――高梨理彩子さんだった。
確か旦那さんは取締役をやっているのだが、今は単身赴任をしているため、大きな社宅に一人で住んでいるのだ。
理彩子さんの年齢は、四十才過ぎだと教わっていたのだが、和服に身を包んだ清楚な姿は、三十台と言ってもおかしく無いぐらいだった。姉さんや義母さんと違って、ずいぶんと落ち着いた印象を受ける。
……この人らと、レズプレイをするのか。
これからしようとしていることと、目の前にいる女性とのギャップに、俺は戸惑いを覚えた。
「さあ、ご遠慮なさらずに、どうぞ上がってくださいな」
言って理彩子さんは、玄関にスリッパを揃えてくれた。
「はい、お邪魔します」
俺は、理彩子さんに従って、居間へとたどり着いた。
和室二部屋をぶち抜いたそこは、ずいぶんと広く感じられた。
「今日はずいぶんと早くいらっしゃったのね。まだ他のお客様が集まるのは一時間後よ」
「は、はあ……」
なるべく周りの様子を見るように、と言われて早めにやってきたのだけれど、妙齢の女性と二人っきりというのは緊張する。
今の俺が男だったら、あらぬ妄想が膨れあがっていることだろう。
理彩子さんに導かれるようにして、若いちん○んをさらけ出し、弄ばれる。
「せっかく二人っきりなんですもの。二人だけの時間を、楽しみましょう」
何をして? と問おうとして開けた唇へと、理彩子さんの唇が覆い被さってきた。
やや細身の唇には、濃いめの口紅が塗られており、それが接着剤の作用をするようにして、俺と理彩子さんの唇を貼り付け合わせる。
目の前には、俺の様子を見るようにして、うっすらと目を開いた理彩子さんの顔があり、頬には紅潮した熱気が感じられる。
乞われるままに愛撫を受け入れている俺の唇は、なされるがままだった。
俺の首筋へと、彼女の両腕が絡みついてくる。
そのうちの一方が、髪の毛を掻き上げるようにして後頭部へとたどり着き、唇を重ねたままの俺の頭を、自らの元へと、ぐいぐいと引きつけてくる。
圧迫されるようにして、俺の唇は自然と開いていた。
それを待っていたかのように、吐息に包まれた理彩子さんの舌が、俺の口中へと入り込んでくる。
侵入してきた舌先は、乱暴とも言える動きをした。
おずおずとした俺の舌へと絡みついてきたかと思うと、俺の舌先から根本までを、何度も舐め回してくる。
さらに、俺へともたれかかってくるようにして、体を傾けてくると、重なり合った俺の口内へと、唾液を流し込んでくる。
理彩子さんの欲の強さを表すかのような大量の唾液が、俺の中へと入ってくる。
味わう暇も無く、俺はそれを飲み干した。
「ふふふ。今日の亜紀子さん、ずいぶんと受け身なのね」
こっちの事情を知らない理彩子さんは、そう言ってきた。どうやら、俺がそういう態度をしているのが嬉しいみたいだ。
「それじゃあ、まだ来ていない人には悪いけれど、二人っきりで、楽しんでおかない?」
流し目で誘ってくる言葉に、俺はどきりとした。
はい、とも、いいえ、とも言えないままに、理彩子さんは来ていた和服を、はらりと脱ぎ捨てた。
下着は着けて居らず、すぐさま裸身が露わになった。
その姿は、綺麗だった。
顔立ちはまだ若く、乳房は少し垂れ気味とは言っても、その量感は若い女性では持ち得ないものだし、余計な脂肪もついていない。
「さあ、亜紀子さんも、早く……」
せかされるままに、俺は慌てて服を脱ぎ捨てた。
夏の薄着を脱ぎ捨て、ブラジャーも取り、最後になってパンティを下ろすと、それまで中に溜まっていた愛液が、一気に噴き出しては、太ももを垂れ落ちていった。
広い和室に、全裸の女性が二人。
お互いに人妻で、豊満な全身には、大人の女だけが持つ色気が漂っている。
しかも、そのうちの一方は俺なのだ。
「いつ見ても、綺麗な体ね。やっぱり、若いって羨ましいわ」
しなだれるように、理彩子さんは一糸まとわぬ肌を重ねてくる。
肌同士が触れあい、ぴたりと重なり合いつつ、なおも理彩子さんが体を寄せてくるために、肌が擦れ合う。
鼻先を黒髪が横切ると、女性ならではの洗い髪の香りと化粧の匂いが、俺の鼻をくすぐってくる。
誘われるようにして、俺も理彩子さんの体へと腕を重ねる。
だが、理彩子さんの体は、俺の腕から逃れるようにして、下へと滑り落ちていく。
「あぁ……」
ブラジャーを外した時には既に勃起していた乳首へと、理彩子さんの唇が覆い被さってくる。
俺の眼下では、俺の胸元にある亜紀子さんの乳房が、女性の唇に引っ張られて、前へとせり出していく。
左右にある乳房のうち、片方だけが持ち上げられる形になり、女性しか体験することの出来ない、バランスの悪さが感じられる。
「あぁ……舌が……」
大事なものを持ち上げるようにして、理彩子さんは俺の乳房を両手で掲げつつ、口に含んだままになっていた乳首を、舌で舐め回してくるのだった。
聞こえよがしに、ちゅう、ちゅう、と音を立てて吸われていると、まるで、ちん○んの亀頭を舐められているような錯覚を感じてしまう。
なすがままの俺の乳首を、理彩子さんの舌が這いずり回る。
すでに大きくなっている乳首をさらに弄ぶようにして、乳輪の部分を舌先でこじってくるかと思うと、舌の表面全体を使って、乳首を舐め上げる。
その一方で乳首が吸い上げられると、乳輪全体が、ぷっくりと膨れるような感じになってくる。
「ああ……理彩子さん……」
名前を呼ばれた彼女は、上目遣いで俺を見つつ、口を離した。
乳輪の周りには、赤い口紅の跡が残っていて、中心にある緋色の乳首をより際だたせている。
「亜紀子さんの乳房、張りがあって良いわね。同じ女ながら、ほれぼれしちゃう」
そう言ったかと思うと、再び乳首へと口を這わせつつ、もう一方の乳房へと、手のひらを当ててきた。
「ん……両方いっぺんだなんて」
左の乳首が舌で弄られつつ、右の乳房全体が、女性の繊細な手によって揉みしだかれていく。
さっき感じたアンバランスさとは違う、女性の乳房ならではの体験に、俺の腰は自然とがくがくと震えだした。
「ふふふ。まだ胸を愛撫しているだけなのに、もうすっかり感じているみたいね」
「は、はい……」
年上の女性からそう言われると、まるで昨日今日、女の体になった俺が、女性の快感をレクチャーされているかのように思えてくる。
「それじゃあ、もっと気持ち良くしてあげる。布団に横になって」
和室へと敷かれている何枚かの布団の上へと、俺は座り込むようにして腰を落とし、そのまま仰向けになった。
両足を動かしたせいで、膣の中に溜まっていた粘液が溢れ出し、アヌスへと垂れ伝わっていくのが感じられる。
そんな俺の股間をめざとく見つけた理彩子さんは、俺の耳元へ口を寄せて、
「ふふ、もうすっかり濡れているわね」
子供のいたずらを暴いたように、そう囁きかけてきた。
俺は、こくり、と頷いた。
もったいつけるようにして、理彩子さんは、俺の陰毛を軽く撫で回してくる。
焦らされるような刺激に、俺は腰をもじもじと動かす。
「もっと下の方を触ってもらいたいみたいね」
俺は再び頷いた。
「どこを触って欲しいか、言ってみて」
その声には、相手の弱みを握っているかのような優越感と、そんな自分に酔っている恍惚感が混じっていた。
「もっと……下の方です」
俺は、怯える小鳥のように、おずおずと言葉を発した。
「もっと下って言うと、ここかしら?」
「あっ、そ、そこは……」
沙織姉さんの体でも体験したことのない刺激に、俺は、びくり、と震えた。
理彩子さんが触ってきたのは、俺のアヌスだった。
突然、排泄をする場所を触られたのに驚くのと同時に、触られた瞬間に、そこがひくりと動き、これまでに感じたことのない感覚が湧き起こったのに、さらに驚きが増した。
「あら、違ったみたいね。でも、好きなんでしょ。ここも……」
言いつつ、理彩子さんは、俺の割れ目から溢れた粘液に濡れるアヌスの周りを、指先でなぞり始めた。
その度に、誰にも触られてはいけないはずの場所を犯されているという、罪悪感めいた気持ちが湧いてくる。
それと同時に開こうとする、未知の快感への扉。
まだ知らぬ快感への好奇心と性欲に、ごくり、と喉が鳴る。
アヌスを触られているうちに、股間はさらに熱くなり、粘液が、こんこんと溢れていくのが感じられる。
目で見なくても、そこは軟体動物のようにひくひくと動き、少しでも強烈な刺激が来るのを待ち構えているのが感じられる。
下半身から湧き起こる欲望に促されて、俺は声を上げた。
「お……おま○こ、です。おま○こを、触ってください」
俺がそう言うと、口からは、亜紀子さんの声で、いやらしい単語が発声されるのが感じられた。
理彩子さんは、いやらしい言葉を発した俺の口元を俺の顔を満足げに見つめつつ、指先を器用に動かして、割れ目の中心へと、人差し指と中指を当ててきた。
ずぶり
いきなりだった。
俺の割れ目へと、二本の指が、ずぶずぶと入ってくる。
「あっ、あぁぁ……」
喘ぎ声を上げつつ、俺は腰をよじった。
仰向けになって上を向いたままでも、理彩子さんの指先が入ってくる様が、敏感な俺の割れ目を通じて、はっきりと感じ取れる。
指の腹を膣の上へと押し上げつつ、二本の指はすっぽりと俺の中へと入り込んだ。
それは、始まりに過ぎなかった。
「あぁん、あはっ、指……暴れてるぅ……」
俺の中へと埋め込まれた指が左右へと開き、俺の膣をいっぱいに広げる。
指の合間に出来た隙間へと、クーラーの効いた部屋の空気が入り込んできて、ぐちょぐちょに濡れている俺の膣内をくすぐっていく。
まるで、膣を通じて体内へと空気を送り込まれているようだった。
「ああ、お腹が、掻き回され……」
理彩子さんは広げた指先を、俺の膣内でぐるぐると回転させてきた。
繊細な指が、ひくひくとしている俺の膣を乱暴に弄り回してくる。
ぐちゅ、ぐちゅ、と音を立てつつ、開いた俺の膣からは、粘液が垂れ落ちていくのが感じられる。
俺は、理彩子さんに操られる指人形になってしまったような感覚に囚われてきた。
「ああ、もっと、もっと……」
指人形が操り師の動きによって命を吹き込まれるのと同じように、理彩子さんの激しい指の動きは、俺の全身を自由に操っていくのだった。
指先を動かしつつ、理彩子さんは、顔を俺の股間へと近づけた。
M字に開いたふとももの合間には、理彩子さんのいじわるめいた顔と、その下で激しく動く手元見て取れた。
理彩子さんは見せつけるようにして舌を伸ばしてから、俺の股間へと近づいてくる。
「あはぁっ!」
反射的に顔を持ち上げて覗いてみると、ぷっくりと膨らんだ俺のクリトリスを、根本からこじるようにして、舐め上げてきているのが見て取れた。
ちろちろと舌が動く一方で、膣の中に入り込んでいる指先はますます激しさを増していた。
体の奥底を掻き回されつつ、表面に出た敏感な場所を舐め回される。
「あぁっ、あはっ……あんっ!」
男の体では味わうことの出来ない、体の内側を刺激される感覚に流されるままに、俺は体をくねらせ、喘ぎ声を上げる。
無意識にふとももを閉じようとすると、遮るようにして両膝へと手が添えられ、逆に開かれる。
年上の女性に股間の奥底を覗かれる様に、俺は興奮しつつも、恥ずかしさを覚えてしまう。
理彩子さんのテクニックは、完璧と言っても良かった。
おそらくは、これまでに肌を重ね合った際に、義母さんの感じる場所を、完全に知り尽くしたのだろう。
俺は、彼女のなすがままに快感を与えられ、その強さに気を失わないでいるのが精一杯だった。
びくり、びくり、と体が勝手に、のたうちまわるのが感じられる。
股間を中心にして、全身へと静電気が走るような感覚。
「あはっ! んはっ、やっ……!」
開けっ放しになり、喘ぎ声ばかりを漏らす口からは、涎が垂れ落ちていく。
首を揺らす度に、目に入ってくる景色がぐるぐると回っていく。
耳元へは、自らの口が出す義母さんの喘ぎ声と、股間で湧き起こる粘着音が伝わってくる。
全身がじっとりと汗で濡れた所を、クーラーの冷気がさわりと撫でてくる。
股間の奥底が熱くなり、蝋燭が溶けるようにして、粘液が漏れていくのが感じられる。
痙攣を起こしたかのように、がくがくと腰が震える。
外からの刺激に呼び起こされるように、股間の奥底が、熱く脈打っていく。
それに合わせて、理彩子さんの愛撫を受け入れる俺の体も、ますます敏感になっていく。
俺の中へとすっぽり入り込んでいる二本の指先がどう動いているのか、手に取るようにはっきりと分かる。
小指の先ほどの大きさも無いクリトリスが、まるで体の表面すべてを覆っているかのように思えてくる。
もう、限界に近かった。
いや、すでに限界を超えているのかもしれない。
男の体だったら、全身の体液が枯れるほどに射精をしているほどの快感が起こっても、義母さんの体は、なおも刺激を快感へと変え、さらにその先を求めているのだった。
必死に顔を上げて股間を見つめると、理彩子さんと目があった。
その妖艶な瞳に、俺はどきりとした。
考えてみれば、年上の女性とエッチするなんてのは、初めての体験なのだ。
例え今の俺の体が、義母さんのものだとしても、いつも近所で見かける、和服姿の似合う理彩子さんから愛撫を受けているのだと思うと、まだ童貞の俺としては、体が感じている興奮とは違った、男の本能としての興奮を覚えるのだった。
あの理彩子さんが、裸身をさらけ出して、俺の股間を舐めている。
そんな、童貞男としての初体験と、その刺激を強烈な女としての快感に変換する義母さんの体とのギャップに、俺は戸惑いつつも、男と女、両方で感じる興奮に、俺の心はますます高ぶっていく。
そんな、男としての本能が加わったためか、義母さんの体は、ますます敏感になってきていた。
もはや、静電気の刺激なんてレベルでは無かった。
電気ショックと言っても良いぐらいだった。
理彩子さんがクリトリスを一舐めする度に、俺の全身はびくびくと震える。
指先が回される度に、頭から爪先までの全身を内側から掻き回されているようになってくる。
刺激されて膨れてきているクリトリスは、ちん○んぐらいの大きさになっているように思えてくる。
膣へと入り込んでいる指先は、脳にある快感神経を直接触ってきているように思えてくる。
まるで、俺の全身が、膣とクリトリスになってしまっているかのようだった。
流されるままに、俺の全身が性感帯となった時、体の中で爆発が起こった。
「あはぁぁっ!」
一瞬、気を失ったようだった。
そんな俺を引き戻したのは、絶え間なく押し寄せてくる理彩子さんの愛撫だった。
体が、快感を注入されて、膨らんでいくかのようだった。
目の前が真っ白になっていき、火花のようなものが見えてくる。
どしん、どしん、とでも表現するしかないぐらい、津波のような快感が押し寄せてくる。
快感の津波は膣へと入り込んできて、中へと溜まっていく。
そして、膨れあがった膣が、その快感を受け入れきれなくなった時、
「あはぁぁっーー!」
体中の神経が快感に支配されて、全身が大きく跳ね上がったかと思うと、その反動で、全身の力が抜け落ちていくのが感じられた。
それは、フルマラソンを駆け抜けた後に近かった。
体中のエネルギーを使い果たし、後には疲労感が残る。
それとは対照的に、今の俺は、体中のエネルギーを快感に変えて、その余韻に浸っているのだった。
そんな俺の絶頂を見届けてか、理彩子さんは、俺の股間から顔と指先を離した。
ぐったりとしている俺を満足げに見つめたかと思うと、近くにあった引き出しから、何かを取り出した。
かろうじて残っている力で顔をそちらへ向けると、それは、レズプレイで使われる、ペニスバンドだった。
理彩子さんは、それで俺を犯そうと言うのだろう。股間へと当てようとしていた。
そこへ、俺は声を掛けた。
「理彩子さん……お願いです。それを、わたしに付けさせてもらえませんか?」
荒い息の中で、俺はそう懇願したのだった。
俺がそう言ったのは、理彩子さんの肉感的で熟れた体を見ているうちに、その体で童貞を失いたいと思ったからだ。
亜紀子さんの体になっている俺には、それは無理な相談だったが、ペニスバンドを見て、それを付けて、理彩子さんの中に入れたいという衝動に駆られたのだった。
理彩子さんは、ちょっと目を見開いたものの、これまでにもそういうプレイがあったのか、さほど驚いた様子も無く、にこりと笑った。
「ええ、いいわよ。それじゃあ今日は亜紀子さんが攻めなのね」
俺は差し出されたペニスバンドを手にした。
竿の部分を触ってみると、シリコンが手に張り付いてくるような感じがして、形は触り慣れているものの、その手触りは、俺自身のものとはまったく違っていた。
ペニスバンドは、外側だけでなく、内側にもペニス状の突起が付いていて、付ける俺の中へも挿入される形になる。
膝立ちになったまま軽く股間を広げて、内側への突起を、俺の股間へと突きつけた。
「ん……」
挿入をすると、じゅくり、と音を立てつつ、中に溜まっていた粘液が溢れ出る様は、新鮮なトマトに指を指したような感じだった。
それと同時に、腹部を圧迫してくるような快感が体中に広がっていく。
その感覚は、中へ中へと入ってくる度に、ますます強く、重くなっていった。
クリトリスが感じる沙織姉さんと違って、亜紀子さんの体は、奥の方がもっと感じるようだった。
ベルトの部分まで埋め込むと、じんわりとした快感と共に、腰の奥底にまでは、微妙に届かないもどかしさが感じられる。
俺は、ベルトを腰に巻いてから、股間を見つめた。
眼下には、大きな膨らみがあり、その先端には左右へと乳首が先を尖らせている。
白くて丸い膨らみの谷間からは、形は見慣れているが、人工色めいた肌色をしたちん○んが伸びている様は、異様な組み合わせのように見える。
理彩子さんに近づこうと立ち上がると、ワンテンポ遅れて、立ち上がるのを制するように、胸元の乳房が下へと引っ張られるような感じがして、股間では人工のちん○んが揺れた。
いつもだったら、股間で勃起したものの根本が揺さぶられるような感じがするのだが、ペニスバンドを装着している今の俺は、眼下に見える揺れと同じ動きを、自らの膣内で感じ取るのだった。
揺れを押さえようと、ちん○んへと手を伸ばして固定をしてみると、俺の中で前後左右に揺れていたちん○んの動きも止まる。
「さあ、亜紀子さん。いらっしゃい」
股間へと意識が向かっていた俺へと、理彩子さんの、優しく誘ってくる声が届く。
見ると、両足を広げて、股間を丸見えにしている彼女の姿が見える。
女の人のあそこは、昨日、沙織姉さんになって散々見てきたけれど、いつも学校に行く途中にすれ違う、妙齢の女性のものを見るのは、やはり違っている。
誘うようにして、惜しげもなく晒してくる様に、童貞としての俺の気持ちが高ぶってくる。
そんな彼女を見つつ、ペニスバンドに手をやっているうちに、昨日した、由美子とのエッチが思い浮かんだ。
「あの……今日は趣向をこらして、ちょっと変わったプレイをしてみたいんです。実はわたしの正体は、息子の義隆君なんです。ほら、映画とかであるじゃないですか。階段から落ちたら体が入れ替わっていたという話。あれと同じで、わたしの体になっている義隆君が、理彩子さんを相手に、童貞を失うってシチュエーションを、プレイしてみたいんです」
俺の言葉にしばらく考えるような顔をしてから、やがて納得し、それは面白い、という顔をした。
「わかったわ。
ねえ、義隆君。女の人のここを見るのは、初めて?」
全て合点したようで、理彩子さんは、もったい付けるように、理彩子さんは、広げていた股間へと手を被せたのだった。
「は、はい……初めてです」
昨日、散々見てきたものの、プレイに合わせて、俺はそう答えた。
「そう。それじゃあ、もっと良く見せてあげるから、顔を近づけてごらんなさい」
誘われるままに顔を股間へと近づけると、俺の左右へは、むっちりとしたふとももが、そびえ並ぶのが感じられた。
股間を覆っていた手のひらが上へとずれて、ぐっしょりと濡れた割れ目と、綺麗に生えそろったヘアが見て取れた。
理彩子さんは、上げた手のひらの人差し指を割れ目が上で終わる辺りへと、突きつけた。
「ねえ、見える。ここがクリトリスよ。女の人が、一番、感じる場所よ」
すでに旦那さんとのセックスで開発されているのか、ピンク色の突起は、皮はすっかり剥けていて、ぷっくりとした容姿をさらけ出していた。
見慣れていると思ったが、人によってずいぶんと違うのと、それが、毎朝顔を合わせる理彩子さんのものだと思うと、俺は童貞男として興奮してきて、ごくりと唾を飲む。
そんな初々しい反応に満足したのか、理彩子さんは、人差し指と中指を割れ目の両脇へと当てて、Vの字を作るようにして、割れ目を左右へと広げた。
入り口の部分は、黒ずんでいるものの、普段は空気にさらされることのない――ちん○んだけしか触ることのない膣襞は、ピンク色をしており、理彩子さんの荒い呼吸に合わせて、ひくひくと動いていた。
まだ開発途中の沙織姉さんとは違った、セックスで使い込まれたおま○こ……
そう思うと、俺の興奮はますます高まっていき、自然と顔を近づけていた。
合わせるように理彩子さんが股間を広げると、酸っぱいような匂いが、ぷわん、と俺の鼻をくすぐってきた。
女性の股間の匂い……
「ふふふ、義隆君。ずいぶんと熱心に見ているわね。でも、見ているだけじゃ我慢できないでしょ? 良いのよ、触ってみても……舐めてみても」
「え、良いんですか?」
俺は、プレイをしていることを忘れて、素の反応で、上擦った声を出してしまった。
ええ、と言ってから股間が広げられると、熟れた果物のような匂いが、俺の周りを取り囲んだ。
果汁に誘われるハチのように、俺は顔を股間へと近づけていった。
口元をクリトリスに合わせるようにすると、きめ細かい肌を持つ腹部と、肌の白さを際だたせるような黒い陰毛がアップになって俺に近づく。
俺は、水を求める犬のように、舌を伸ばす。
舌先に、ぷるん、としたものが触れた。
「ああっ! 義隆君、そう、そこがクリトリスよ……」
鋭い喘ぎ声を上げてから、理彩子さんはあくまでも童貞の俺をリードするように、声を掛けてくる。
舌先に意識を集中させて、目をつぶってもその形が分かるぐらいに舌を動かすと、ぷりぷりとした突起が転がるのが感じられた。
「ん……んん……そう。そこ、もっと弄って」
言われるままに、俺は舌を動かした。
すると、下の方から、果実の芳香が、さらに強くなって、沸き立ってくるのが感じられた。
「ねえ、クリトリスを触るだけじゃなくて、おま○この中に、指を入れてみて」
理彩子さんの口から漏れる、おま○こという言葉に、俺はまたしても唾を飲む。
そういえば、この後でペニスバンドを挿入するにしても、理彩子さんの中を感じることは出来ないのだ。だとしたら、今が一番の機会となる。
俺は、人差し指を、理彩子さんの割れ目へと当てた。
そこは熱く柔らかくなっていて、とろとろと溢れ出る粘液が、添えただけの俺の指先に、絡みついてくるかのようだった。
「義隆君……指、入れてみて」
「は、はい……」
指先は、驚くほどスムーズに入っていった。
さらさらした粘液が、潤滑油の役割をしていることもあるけれど、それだけじゃない。
指先を受け入れる理彩子さんの膣襞が、俺の指を奥へ奥へと誘い込むような動きをするのだった。
指先は、すぐに第二関節まで入った。
指先には、愛液に濡れた襞が、ぬめぬめと絡みついてくるのが感じられる。
人差し指を動かしてみると、出産経験があるせいか、姉さんほどには、ざらついた感じは無く、どことなく、つるりとしていた。
もっとも、経験豊富って訳じゃないから、理彩子さんの中が、平均的にどうとか言うことは出来ないけれど。
そんなことよりも、今の俺にとっては、同じ膣でも、人によってまったく手触りが違うのだ、という発見の方が、よほど大事だった。
「ねえ、義隆君。指、もう一本入れて」
見上げると、人差し指と中指を口にくわえ、わずかに開いた口から喘ぎ声を漏らす理彩子さんの顔が見える。
その下では、胸元へとふわりと山盛りになったクリームを思わせる乳房が、その柔らかさを誇示するかのように、ふるふると震えているのが見える。
年上の女性が童貞少年をリードする余裕を感じさせながら、そんな優越感に、いつも以上に興奮しているかのように見える。
俺は、いったん人差し指を抜いた。
じゅぱっ、という音と共に、栓を抜いたかのように、粘液が溢れ出る。
人差し指と中指を揃えて、俺は再び理彩子さんの中へと入る。
二本の指は、さっき以上に強烈に締め付けられてきた。
それは、より強い刺激に、理彩子さんの膣が、歓喜に震えているかのようだった。
指先を広げたり、回転させてみると、理彩子さんの膣襞は柔軟に広がって、俺の無茶な動きもすべて飲み込んでいく。
「ああん。義隆君。上手よ……」
俺の指先の動き全てを、理彩子さんは快感へと変えていっているようだった。
「も、もう……指だけじゃ我慢できない。義隆君のおちん○ん、欲しいの……」
快感に溺れるようにして、俺のちん○んを欲しがる理彩子さんの声に、俺はどきりとする。
慌てて膝立ちになって、ペニスバンドを挿入しようとすると、そこはセックスに慣れた理彩子さんだけあって、俺にしなだれるように、腕を巻き付けてきた。
「うふふ。慌てちゃ駄目。おちん○んを入れる時には、よく濡らしておかないとね」
理彩子さんは、腕を俺の背中へ這わせたまま、体を下ろしていき、俺の股間から突き出ているペニスへと口を当てた。
口紅の塗られた唇をすぼめたかと思うと、ペニスバンドの先端へとキスをし、そのまま飲み込んでいく。
ゆっくり、ゆっくり、と俺のちん○んが理彩子さんの口へと飲み込まれていく。
ペニスバンドだから、その刺激を味わうことは出来ないけれど、理彩子さんが俺の股間にしゃぶりついていく様を見ていると、それだけで興奮してくる。
「ん……」
根本まで飲み込んだ所で、理彩子さんは小さく呻き声を上げた。
今度は、さっき以上にゆっくりと口を引いていくと、理彩子さんの唾液が、俺のちん○んへと塗されていくのが見て取れた。
笑うとえくぼが出来るその頬は、ストローを吸っている時のように、小さくへこんでいた。
先端まで口をやり、ちゅぱっ、と音を立てて、ちん○んから口を離してから、今度は舌先を延ばして、雁首の部分を舐め始めた。
形は良く分かっている、と言うかのように、舌先は綺麗に亀頭の形をなぞりつつ、目線は俺の方を向いていた。
あの理彩子さんが、俺のちん○んをしゃぶりながら、俺を見つめている……
もしもこれが、男としての俺の体だったら、ちん○んはすっかり充血して、腹に張り付くほどに勃起していることだろう。
ちん○んからの刺激が無い分、理彩子さんのフェラチオの様子へと、より集中が出来ることを、俺は素直に嬉しいと思った。
「もう準備は良いみたいね。それじゃあ義隆君。あなたの童貞、あたしにちょうだい」
理彩子さんは、髪の毛を軽く撫でてから、布団へと腰を下ろして仰向けになって、その股間を俺へと向けたのだった。
見下ろすと、俺の胸元にある乳房の谷間越しに、俺の股間にあるペニスバンドが、ひくり、ひくり、と脈打ち、一刻も早く、理彩子さんの中へと入りたがっているのが感じられる。
そのわずか先、手を伸ばせば届く距離には、そのペニスバンドを納めるべく、理彩子さんのおま○こが、ひくひくと動いては、俺を誘ってくる。
俺は、再び、ごくり、と唾を飲み込んでから、ちん○んの先端を、理彩子さんの割れ目へと当てた。
作り物のちん○んからは、童貞を喪失する時に感じるべき、最初の女体の感触は伝わってこなかった。
起こりうるはずの快感が無い、と落胆するものの、眼下の映像は、そんな感覚の不足を補うほどだった。
ちん○んの先端が割れ目へと触れると、重厚なドアが観音開きになるかのように、割れ目が左右へと広がっていく。
亀頭の丸みが入っていくのに合わせて、理彩子さんのおま○こは、型どりをするように、真円を作り出す。
くちゅり、と音がして、入っていくちん○んに押し流されるようにして、愛液が溢れ出し、アヌスへと垂れ落ちていく。
雁首の部分が入り込むと、そのくびれの部分へと、理彩子さんのおま○こが、ぴたりと張り付き、くわえ込んできた。
俺は、その映像を見つつ、俺に本物のちん○んがあって、理彩子さんに童貞を捧げているとしたら、どんな感覚だろうか、と思った。
きっと、ごつい亀頭の形とは対照的な、幾層にも重なり合った理彩子さんの柔襞が、俺のものを包み込み、その襞一本一本で、撫で上げてきていることだろう。
その感触を味わうことが出来ないのは残念だが、視覚として、それも無修正で、蒸れた匂いの中で、理彩子さんへの挿入に集中できることは、義母さんの体になっている余得とも言えた。
俺は、亀頭の部分からさらに中へと入ろうと腰を進めた。
ところが、角度が良くなかったらしく、埋め込まれた亀頭を支点にして、ペニスバンドが下へと引っ張られるようになってしまった。
シーソーの要領で、俺の中へと入っているペニスバンドは、その先端が、俺の中を、ぐいっ、と上へ持ち上げる。
「あふっ!」
思わぬ刺激に、俺は腹部を圧迫されたような声を上げてしまった。
それと同時に、さっきは寸止めをされたような、俺の中へと入ったペニスバンドによる、子宮への圧迫が、湧き起こったのだ。
慣れないペニスバンドと、それ以上に慣れない感覚に、俺は理彩子さんの中へと、亀頭を入れただけで、にっちもさっちもいかなくなってしまった。
そんな、童貞らしい戸惑いをする俺をなだめるように、理彩子さんは声を掛けてきた。
「慌てなくても大丈夫よ。先っぽの部分は入っているんだから。あとは、腰を下ろすようにしてから、体全体を持ち上げるようにするのよ」
言われるままに、俺は理彩子さんの指示に従った。
腰を少し落として見ると、理彩子さんの膣と、俺の膣とが、ペニスバンドによって、棒を渡されたかのようになった。
それから俺は、両腕を理彩子さんの両脇へとやり、覆い被さるようにして、腰を上滑りに動かしていった。
じゅぷ、じゅぷり、と言う音が聞こえて来ると共に、熱く蒸れている二人の股間が、だんだんと近づいてくるのが感じられた。
いったん途中まで入ってしまえば、あとはスムーズだった。さっきまでは動きを邪魔しているように思えたペニスバンドが、今度は逆に、進むべき方向を教えてくれているかのようだった。
ペニスバンドの導きに従って、俺は腰を進めた。
理彩子さんの火照った温もりが、俺の肌全体に感じるようになってきて、さらにはヘアが擦れ合い、そして恥骨が重なりあった。
俺はエビぞりになりながら、なおも腰を動かしていくと、理彩子さんと俺のふとももが、ぴたりと張り付くのが感じられた。
理彩子さんの中に……入ったんだ。
ペニスを通じての感触はないものの、隙間が無いほどにまで密着した理彩子さんの肌と温もりを感じているうちに、俺は、童貞を理彩子さんに捧げたのだ、という達成感を感じた。
「ああ、義隆君のが、あたしの中に入ってきている……
どう? 童貞を失った感想は?」
荒い息で、理彩子さんが尋ねてくる。
「はい、とっても嬉しいです。それに、こうやって間近で理彩子さんが見られて、幸せです」
それは、素直な感想だった。本来あるべき、ちん○んからの快感こそ無いものの、こんなにも間近で、理彩子さんを感じら、そのうっとりとした表情を見られるだけでも、俺は満足だった。
「そう。あたしも嬉しいわ。義隆君の最初の相手が、このあたしだなんて。
前々から、近所で会う度に、義隆君の初めての女性になれたら嬉しいだろうな、って思っていたのよ」
その言葉が、本心なのか、それともプレイの一環なのかは俺には分からない。
理彩子さんの気持ちがどうであれ、今の俺にとっては、彼女が俺の最初の相手であってくれたことだけで、満足だった。
しばらくの間、俺は、ペニスバンドを理彩子さんの中へと深々と埋め込みつつ、腰を密着させ、両腕を細い首筋へと絡みつけ、そして口紅に染まった柔らかい唇をまさぐった。
全身で感じる、理彩子さんの、か細い、それでいて、俺の欲望を全て受け入れてくれる包容感。
感じられるのは、理彩子さんの体だけではない。重ね合った胸元では、理彩子さんの乳房に張り付くようにして、俺の乳房が覆い被さっているのだ。
首筋へ回した腕に力を入れると、それに反発するかのように、俺と理彩子さんの乳房が、押され合い、そしてはじき返し合う。
俺は、乳房を密着させたままに、体を上下左右へと動かし、上下に重なり合った乳房を転がすような動きをしてみた。
成熟した柔らかい乳房は、相手の動きを受け入れ、そしてしっとりと張り付いてくる。
そんな柔々とした乳房の中で、鬼っ子のように、弾けるものがあった。
それは、俺と理彩子さんの乳首だった。
固くなった乳首は、柔らかい乳房の肉に挟まれつつ、それを押し返すかのように、存在を主張している。
柔らかい乳房同士がねっとりと張り付き、軟体動物が交尾をするように、ずるずると動いていくと、時折、俺と理彩子さんの乳首が擦れ合う。
「ああっ」
「んあはっ!」
乳首から刺激が伝わってくると同時に、俺と理彩子さんは、艶めかしく、そして甲高いユニゾンを奏でる。
触れあっているのは乳房だけではない。
お互いの首筋へと腕を這わせ合っている二人は、熱い口づけを続けていく。
覆い被さっている俺の口元からは、股間を思わせるほどの唾液が流れ落ち、それを口移しで受け取る理彩子さんは、おいしそうに飲み込んでいく。
こくり、こくり、と飲み干す音が聞こえてくる度に、俺は理彩子さんに、唾液を飲ませているのだ、という興奮が湧き起こる。
ふと、俺の首筋に絡まっていた理彩子さんの腕が、俺の顔を持ち上げた。
まだ唾液をかわし合っていた唇へと、つぅ、と透明な唾液の糸が流れる。
「義隆君……せっかくあたしの中に入っているんだから……あたしを、滅茶苦茶にして……」
恥ずかしさと欲望が入り交じったような、恍惚とした表情で、理彩子さんは俺を見つめてくる。
顔をまっすぐこちらへ向けつつ、その腰は、快感からか、さらなる刺激を求めてか、ストリップダンスのように、くなくなと動いている。
そうだった。さっき挿入をしたものの、股間の方はそれっきりとなっていたのだった。
中へ入るだけで満足していた俺は、次のステップへ進めることに、新たな期待を感じた。
俺は、腰を動かそうと、さっきまで深々と挿入していた腰を、ゆっくり、ゆっくり、と引き抜いたのだった。
腰を引きながら、俺は密着していた体も離した。
腕立て伏せの要領で体を分かつと、密着し合っていた肌の間を、汗がしたたり落ちるのが感じられる。
よく満員電車とかで、他の乗客と二の腕が触れあって気持ちの悪い思いをするけれど、女同士の重なり合いは、そんなものじゃなかった。
きめの細かい肌同士が擦れ合い、お互いを刺激し合うのだ。
和服を脱ぐ時の、衣擦れの音がするんじゃないかと思えるぐらいだった。
体が離れると、その間に溜まっていた、むわっ、とする匂いが辺りに漂う。
そこには、男の汗くささとは違った、女の色香が入り混じっている。
女の汗と、化粧香と……愛液の匂い。
女同士で体を重ね合わせているんだ、ということを思い知らされるような匂いだった。
俺は、さらに体を起こした。
垂直に立てた上体を再び引き下ろそうとするかのように、胸元には二つの重みが感じられる。
下側の視界を占めるような膨らみの合間から下を見ると、股間から伸びる肌色の棒によって、俺と理彩子さんがつながれているのが見て取れる。
「ねえ、もっと見て。義隆君のが、あたしの中に、入っているのを……」
理彩子さんは、見せつけるようにして、足を持ち上げて、股間をさらけ出した。
誘われるようにして、その細い足首を掴み、俺はさらに理彩子さんの足を広げる。
「義隆君……あたしの中、滅茶苦茶にして……あたし……体が疼いて、もう我慢できない」
訴えるような、潤む瞳で、理彩子さんは呟きつつ、見せつけるように自らの胸を揉みしだいた。
「理彩子さん……」
許しを請うように名前を呼んでから、俺は腰を突き立てた。
ずぶずぶと音を立てて、俺のものが理彩子さんの中へと入っていく。
同時にその反動から、俺の中へも太いものが入り込んでくる。
「あふっ!」
「んあぁ!」
二人して喘ぎ声を上げると同時に、俺の股間には、ずきりと来るものがあった。
理彩子さんの奥へと突き当たるのと同時に、そんな理彩子さんの感覚を植え付けられるように、俺の中にも尖ったものが当たってくるのだった。
眼下には、髪を乱し、乳房を自ら揉みしだき、ふとももを広げつつ、喘ぎ声を上げる理彩子さんが見える。
そんな姿に、男としての欲望が燃え立つ。
その一方で、俺の股間には、太いものが当たってきては、女としての快感をもたらしていくのだった。
男として興奮しつつ、女として満たされる。
そんなアンバランスというか、ありえない組み合わせというか……とにかく、女の体になってしまった俺にしか体験できない感じなのだ。
俺は、男として腰をずんずんと突き立てる。
「ああっ、あぁっ! 義隆君……激しくって……
もっと、強く。あ、そ、そう……」
俺の腰つきとちん○んに振り回されるままに、理彩子さんは身悶え、嬌声を上げる。
俺が、理彩子さんを気持ち良くさせているのだ。
俺のなすがままに、理彩子さんは、狂ったように啼き声を漏らす。
俺が、理彩子さんの快感を支配しているのだ。
そう思う度に、俺のピストン運動はますます激しさを増していくのだった。
それと同時に……腰を密着させる度に、俺の腰には、どすんとした刺激が起こり、その度に女の声を上げてしまう。
「ああ……理彩子さん……」
俺の口から漏れるその声には、童貞を捨てて、女の体が与えてくれる快感の虜になってしまった少年のような、か細さが感じられる。
いや。亜紀子さんの開発された体で女の快感を感じている俺は、童貞を捨てた少年以上に、その快感に取り憑かれてしまっていた。
一突きする度に、俺の中では、眼下で悶えている理彩子さんが感じているのと同じ快感が湧き起こる。
沙織姉さんの体と違って、クリトリスではなく、その奥の方が、ジクジクと疼いては、さらなる刺激を求め、わずかな振動も敏感に取り込んでは、快感を生み出す材料へとしていく。
クリトリスの快感は、男のちん○んが感じる快感に近いものがあったけれど、体の奥――多分子宮なんだろう――で感じる快感は、まるっきり違っていた。
快感という言葉で表して良いのかも分からないぐらいの別物だ。
まるで、腹の辺り全体が性感帯になってしまったかのようなのだ。
腹だけに止まらない。
一カ所に落ちた石が生み出す波面が、水たまり全体に伝わっていくように、腹部で生まれる快感は、全身へと散らばっていくのだった。
快感は、股間だけではない。
腰を動かす度に、俺の胸元で揺れる乳房からも、伝わってくるのだ。
男のピストン運動ではあり得ない、体に合わせて揺れる乳房。
ぶるん、ぶるん、と宙に浮いては、自らの重みで深く沈む。
それ自身が意志を持っているかのような、乳房の勝手な動きは、俺に予期しない快感を与えてくる。
もっともっと、刺激が欲しかった。全身に、刺激が欲しかった。
俺は再び、理彩子さんと肌を密着させた。
尖った俺の乳首が、理彩子さんの乳房へとめりこみ、同時に理彩子さんの乳首が俺の乳房へと入り込んでくる。
無我夢中の表情を浮かべて両手を伸ばしてきて、俺の首筋へと絡みつく。
なおも貪欲に両足を俺の背中へと巻き付かせ、柔らかいふとももで俺の腰を挟み付けてくる。
ぐいっ、ぐいっ、と両足を締め付けつつ、腰を押し当ててくる。
全身で刺激を求めてくる様は、罠に掛かってしまった獲物を食べる食虫植物を思い出させる。
「あはぁっ!」
びくびくっ、と理彩子さんは、首を震わせつつ、片手で布団のシーツを握りしめる。
それと同時に、理彩子さんの体が、弓なりになった。
ちょうど腰を埋めようとしていた俺は、逆に押されるような形になった。
「んあぁっ!」
俺の全身へと、電気が走った。
体の中心へと、快感の杭を埋め込まれたようだった。
必死に俺の体をくわえ込もうとする理彩子さんに抗(あらが)って、俺が腰を前後に動かす度に、快感のパルスはますます強くなっていった。
体の中心から溢れ出した電気は、体全体へと伝わっていき、さらなる出口を求めようとしていた。
瞬間、俺の頭に、懐かしい快感が甦った。
射精、だった。
俺の股間で、何かが弾ける。
「あぁぁぁっ!」
ぷしゃぁっ、と俺の股間が破裂した。
訳が分からないままにピストン運動をすると、その度に、じゅぷっ、じゅぷっ、と何かが溢れ、股間を垂れていく。
ひょっとして……これって潮吹きって奴か?
そう冷静に今の状況を考えられるのは、俺の中の、ごくわずかな部分だけだった。
亜紀子さんの体が持っている本能に支配されたかのように、俺は無我夢中に腰を動かし、自らの体へと刺激を与えていく。
さらにその上へと、理彩子さんの中へと射精をしているかのような、俺の意識が上乗せされる。
俺が……
理彩子さんの中で……
そう思ったと同時に、さっきまで俺の全身に散らばっていた快感が、反転して、一気に腰に集まった。
それは、俺の体には収まりきれるものではなかった。
溢れる、溢れる、溢れる……
「あっ、ぁあっ、あはぁぁ!」
男の射精以上に盛大に潮を吹きつつ、俺は体をよじらせながら、理彩子さんへともたれかかったのだった。
第3章「熟女に寄ってたかって責められて……」
「はあ、はあぁ……」
俺と理彩子さんは、抱きしめあったまま、見詰め合っていた。
お互いの顔へと、荒く乱れた息が掛かる。
「亜紀子さん……じゃなくて、義隆君。どう、童貞を失った感想は?」
密会を楽しむようにして、理彩子さんが尋ねてくる。
「はい。とっても気持ちよかったです。それに、初めての相手が、理彩子さんで嬉しいです」
「まあ、こんなおばさん相手にそんなことを言って。お世辞でも嬉しいわよ」
髪の毛を整えつつ、理彩子さんがお礼の言葉を口にする。
「そんなことないですよ。理彩子さんが初めての女性(ひと)だなんて、一生の思い出になります」
「お上手なのね。さすがに女心がわかっているわね」
俺のことを、義隆を演じている義母さんだと思っているのか、舞台を終えて安心したかのような役者の顔つきで、理彩子さんは呟いてくる。
そんな顔の中には、その言葉通りに、近所の好青年(←俺のこと)の初体験の相手が出来たことに、満足しているような表情も浮かべている。
してみると、まんざら俺のことを、悪くは思っていないようだ。
ひょっとして、男に戻った後で、理彩子さんを相手に、本当に初体験を迎えられるんじゃないか、なんて期待が浮かんできた。
俺の頭には、さっき指先を入れた、膣内の様子が浮かぶ。
くねくねと襞が動き、だらだらと蜜を垂らす理彩子さんの中へと、俺のものを入れる……
指を入れただけで、あんなに反応していたんだ。それをちん○んで体験するとなったら、どんなに気持ちいいことだろう。
浮かんでくるのは、膣のうねりだけではない。
大人びた表情を浮かべて、理彩子さんが、俺を抱きしめてくれる。
奪われるようにキスをしつつ肌を重ねると、俺の胸板へと柔らかい乳房が当たってくる。
背中をぎゅっと抱きしめられると、胸元では、乳房がやんわりと押しつぶされ跳ね返しつつ、ぴたりと張り付いてくる。
俺はまっすぐに理彩子さんを見つめながら、無我夢中に腰を振りたて、そして、中に精液をぶちまける。
そんなことを想像していると……家のチャイムが鳴った。
裸になって理彩子さんと抱き合っていた俺は、慌てて体を跳ね上げて隠れようとしてしまったんだけれど、それを見越して制するかのように理彩子さんは俺の方を見た。
「どうやら、近所の奥さんたちがいらっしゃったようね」
理彩子さんは、布団の近くにあったコードレスホンの子機を取って、応対をした。
「ええ、亜紀子さんは、もういらっしゃっています。皆さん、お上がりください」
ドアの開く音がして、何人かの足音が近づいてくる。
「まあ、亜紀子さんがいらっしゃっているとは聞きましたけれど、もうお楽しみだったんですか」
そう言ったのは、同じ社宅に住んでいる、詠美さんだった。その後ろには2人、由紀さんと、香澄さんが立っている。
上は理彩子さんより年上から、下は亜紀子さんよりも年下までと、今までよりも幅広い年齢の女性が集まったことになる。さすがは社宅だな、と思う。
「それじゃあ、私たちも、さっそく参加させてもらいましょうか」
言うなり詠美さんが服を脱ぎ始めた。釣られて後の二人も服に手を掛けた。
女性の脱衣シーンなんて言うと、一枚一枚丁寧に脱いでいくイメージがあるが、そんなものではなかった。
女子生徒は、女子更衣室の中では乱雑に脱いだり猥談をしたりするなんて聞くけれど、まさにそれにふさわしかった。
夏服になっている上に、元々ここに来てエッチなことをするつもりで軽装だったこともあって、三人とも、すぐさま全裸になった。
ちょうど上体を起こしていた俺の視線の高さと、彼女たちの股間の位置が合った。
三種類の異なった生え際をするヘアが、俺の視界に飛び込んでくる。
同じ女の人でも、生え方とか、形とか、ずいぶんと違うんだな、と思う。
熟女と呼ぶのにふさわしい落ち着きと成熟感を持った、一番年上の詠美さんは、割と薄目の生え具合になっている。
35才の由紀さんは、いつも来ている派手な服を思わせるような、全体的に広がった感じだ。
亜紀子さんよりも年下の香澄さんは、ハイレグを着るために手入れをしているようで、左右の部分が斜めに刈り取られて、毛網の水着でも履いているように見える。
その下にはもちろんそれぞれの割れ目があって、その形も微妙に違うのだけれど、昨日今日で女性のあそこに見慣れてしまった俺は、むしろヘアの生え具合の違いに気を引かれた。
こうやって、女性の裸体が集まっている姿を見つめていると、改めて、俺は女の集まりに、女として参加しているのだなあ、と思えてくる。
「今日はお試し会の日ですから、そんなに慌てていたら、体が持ちませんよ」
お試し会ってなんだろう? そう思っている俺の前へと、詠美さんは、床に置いていた紙袋へと手を入れて、中を漁り始めた。
「今日も、色々とネットで注文しましたから、楽しめますよ」
そう言って詠美さんが取り出したのは、バイブレーターだった。それも、1本だけではなく、形も大きさも違うものを、3本、4本、と取り出していく。
出てくるのはバイブだけではなかった。ピンクローターや、赤ん坊の腕ぐらいはあるようなディルドーとか、双頭ディルドに、SMチックなコスチューム。ピンポン球が繋がっているようなものは、いわゆるアヌス用って奴だろうか?
これで、奥さんたちとエッチなことをするのかと思ってドキドキしていたら、理彩子さんが声を上げた。
「そういえば、今日は面白い趣向にしてあるんですよ。亜紀子さん、実は息子さんの義隆君と体が入れ替わっていて、今の亜紀子さんは、本当は義隆君だって言うんです。だから今日は、全員で、義隆君に、女性の体のこと、教えてあげましょうよ」
「そうなんですか。それは面白いですね」
詠美さんが、にこりと言いつつ、バイブを見せつけてきた。
「ふふ。これで、義隆君を気絶するまで、よがらせちゃいましょうね」
俺は、蜘蛛の巣にかかった蝶になってしまったかのように思えてきた。
「それじゃあ、まずはオーソドックスにこれでいきましょうね」
詠美さんは、手にしていたバイブレーターを俺の顔へと近づけてきた。
「亜紀子さん……あ、今は義隆君だったわね。もちろん、バイブレーターを入れられるなんて初めてでしょうけれど、バイブレーターのことは知っている?」
「はい、知っています。回転して、ぐりぐり刺激して……」
「ふふふ。やっぱり初心者ね。バイブレーターにも色々とあるのよ」
詠美さんは、取り出していた数本のバイブを、床へと並べた。
「これが一番オーソドックスなもの。膣に入れるバイブだけがあるタイプよ。それでね、振動は、普通に震えるだけじゃなくて、IC制御によって、ランダムに刺激が変化するの。単調な刺激じゃなくて、いきなり激しくなったり、焦らされたりするから、一人だけでも興奮するのよ。
それから、こっちはクリトリスも刺激するタイプ。上の方に、小さく枝分かれしているでしょ。この部分も回転して、膣と同時に、クリトリスにも振動を与えるの。
で、こっちは、クリトリスだけでなく、アナルも一緒に責めるタイプ」
手にしたバイブは、中心の部分の上下に、突起がついていた。
その2本の突起を指さして、
「こっちでクリトリスを、こっちでお尻の穴を責めるの」
俺の前に、形は微妙に違うものの、いずれも女の敏感な場所を責めるためだけに作られた、大人のおもちゃが並ぶ。
「義隆君は、バイブなんて初体験だから、最初はこのオーソドックスなものが良いかしらね」
大人のおもちゃ以上に、俺はおもちゃ扱いされているような気がした。
「それじゃあ、義隆君。両足を開いてみて」
俺は、布団の上に腰を下ろしながら、両足をM字に開いた。
「ふふ。さっきまで、理彩子さんとお楽しみだったみたいだから、もう準備は大丈夫ね」
言って詠美さんは、俺の股間へと、バイブの先端を押し当ててくる。
イボイボが付いたシリコンの感触は、さっきまで理彩子さんと体験していた双頭ディルドとは違ったものだった。
ぬぷり、と俺の股間は、バイブを易々と受け入れては、押し出されるように、愛液を垂れ流していく。
敏感になっている膣口には、バイブのイボイボが当たってきて、その一本一本が、くりっ、くりっ、と折れ曲がっては、その反動で俺の入り口を刺激してくる。
先端は、膣の半ばまで入ってきていた。
ぴたりと左右から張り付いていた膣口が押し広げられるのを感じつつ、イボイボの一つ一つが、膣壁の襞々を刺激していく。
両足の間に入り込んでくるバイブは、早くもその根本まで、俺の中へと入り込んできた。
「準備が出来ていたから、すんなり入っちゃった」
俺の中に、シリコンで出来たペニスが入っている。
その感触は、昨日、沙織姉さんの体で感じた、本物のペニスとはずいぶんと違っていた。男のものと違って、柔らかいシリコンで出来たそれは、俺の膣襞がひくひくと動く度に、その収縮を受け入れては、シリコンの反動で、押し返してくる。
俺の膣がどう動いているのか、思い知らされるような反応だった。
俺は、自分の膣口に入れれたバイブを、ぼんやりと眺めていた。
「義隆君。入れられるだけだったら、さっきまでと同じでしょ。これからは、男である義隆君に、体の中でバイブが振動する様子を味わってもらうわよ」
言って詠美さんは、バイブの根本から伸びるコードの先にあるスイッチに手をやった。
円形状にスライドするスイッチを捻ると、ヴヴヴ、という音が聞こえてきて、同時にそれに見当たった、体の奥底を揺さぶるような振動が伝わってくる。
「ああ、膣中で、動いている……」
体の中に埋め込まれたものが振動する。男の体では味わうことの出来ない体験に、俺はただ、困惑しつつ、そこから生まれてくる、味わったことのない快感を感じているのだった。
「どうかしら? 初バイブの感触は?」
「は、はい。体の中が揺さぶられるみたいで、なんだか凄いです」
「そう。それじゃあ、これはどうかしら?」
意地悪そうな笑みを浮かべつつ、詠美さんは、手にしていたスイッチを、思い切り捻った。
途端、俺の中で、振動というよりも、膣を膨らませるかのような、激しい揺さぶりが起こった。
「あっ、やっ、やぁ……」
俺は、満足に言葉を発することが出来なかった。
体の中心が、乱暴に刺激され、その振動は全身へと伝わっていく。
それは、振動というレベルではなかった。まるで、電気を流されているかのような、全身が、びくんっ、びくんっ、と跳ね上がるような刺激なのだ。
「ああっ、あはっ、こ、こんなのって……」
俺は、布団に背中を付けた上体を動かしのたうちまわった。
一方の下半身は、バイブという太い杭を埋め込まれてしまっているために、自分の意志で動かすことが出来ない。
その動きの全ては、バイブの振動が与えてくるものだった。
膣口だけでなく、その奥にある子宮までもが、ぶるぶると震えさせられる。
体の中にあり、普段は奥まった場所にある性器へと、性具を近づけられ、激しく蹂躙される。
男の体では、あり得ないことだった。
子宮が揺さぶられ、熱に溶かされるかのようになる。
熱せられた子宮は、女ならではの、先が見えないぐらいの深い快感を生みだしていく。
「ふふふ。義隆君。すっかりバイブの虜になったみたいね。それじゃあ、これはどうかしら?」
詠美さんは、スイッチを一気に捻り上げた。
途端、大地震が体の中で起こったかのような揺れが、俺の全身を揺さぶった。
「ああ、こ、こんなのって……」
膣に埋め込まれているはずのバイブの振動は、全身にまで伝わっていた。それが、本当に振動が伝わっているのか、それとも敏感になっている俺の全身が、股間の振動を敏感に察しているのかどうかは分からない。
ただ言えることは、もうどうにもならないということだった。
体中に快感が満ちていく。
体に収まりきれなくなった快感は、汗となり、喘ぎ声となり、俺の体から溢れていく。
そして、そうやって俺の肌や耳へと伝わってくる俺の変化は、ますます俺を興奮させていく。
「ああ、やはっ、イクっ、イクぅっ!」
視界が、頭の中が、真っ白になった。
空白になった意識へと、バイブが生み出す快感が侵入してきて、俺の意識すらも犯してくる。
絶頂を迎えたというのに、俺の体は、男の体のように、急降下をしていくことは無かった。
本来は最高の高みであるはずの絶頂を起点として、なおも続くバイブの揺れによって、ますます快感は高まっていくのだった。
もはや、バイブは膣に入っているだけではなく、頭にある快感神経に直結しているようだった。
バイブが揺れる度に、俺の頭の中が、ぐちゃぐちゃになっていく。
感覚が、意識が、神経が、快感を受け入れるための器官に作り替えられていく。
またしても、絶頂――さっきよりももっともっと強烈なものが押し寄せてきた。
イクっ、イクっ、イクぅ
「ああぁぁーーーー!」
がくり、と俺の全身から力が抜ける。そんな中でバイブはなおも動いており、バイブに支配されている俺の体を、びくん、びくん、と震わせているのだった。
「はあ、はあ、はあ……」
ぼんやりと天井を見つめつつも、俺の股間では、まだバイブレーターがランダムに動いている。
その度に、全身が揺さぶられるようになり、股間からは、炙り出されるようにして、愛液がぼたぼたと垂れ落ちていき、アヌスをくすぐっていく。
そのアヌスへと、詠美さんの視線が向けられた。
「ふふふ、義隆君。こっちの方も、物欲しげみたいよ」
言って詠美さんは、俺のアヌスへと人差し指を当ててくる。
「あっ!」
叫んだのは、男の体の時に便所に入って、ケツを拭く時に感じる感覚とは、まるっきり違っていたからだ。
まるで、性的な肉体改造を受けて、排出をするための穴が、愛撫を受けるための穴に作り替えられているかのようなのだ。
ひたり、ひたり、と詠美さんが指先で触れてくる度に、俺のアヌスは、きゅぅん、と締まり、火照った感じを伝えてくる。
そして、入り口の周りで焦らすような指先の動きだけでは、だんだんと我慢が出来なくなってくる。
「義隆君。こっちにも、欲しいんでしょ?」
俺の体は、亜紀子さんのものだけれど、今や詠美さんを始め、周りの女性陣は、みんな俺のことを、義隆ということで扱っているようだ。
詠美さんにしてみれば、アヌスによる経験のない童貞少年へ、いきなりセックスを飛び越えて、アヌスの悦びを教えようとしているようなものなのだ。
年下の少年が、熟女からセックスの手ほどきを受けるなんてのは、背表紙の黒い文庫本ではおなじみのパターンだけれど、その俺の体は、亜紀子さんのものだということが違っている。
女性としてすっかり開発された体と、そんな体に不慣れでいる俺の心。
好奇心と、尻の穴を犯されるという男としての違和感から俺は、受け入れるべき行動を選べないでいると、
「それじゃあ、まずはいつものように、このアナルパールからいきましょうね」
言って詠美さんが取り出したのは、十円玉サイズの丸いボールがつながっている、アダルトグッズだった。
詠美さんは、見せつけるようにして、アナルパールへと舌先を這わせ、唾液を塗していった。
黒っぽい玉のつながりは、ねっとりした唾液に包まれて、いやらしい光沢を放つ。
その上へと、詠美さんは、鞄から取り出したローションを垂らそうとした。
そこで、指の動きが止まった。
「せっかく、ここはぐしょぐしょなんだもの。どうせ濡らすのなら、こっちでの方が良いわよね」
言って詠美さんは、俺の股間に突き刺さっていたバイブを引き抜いたかと思うと、入れ違いにアナルパールを入れてきた。
バイブよりかは小ぶりな先端は、するりと俺の中へと入ってくる。
バイブと違うのは、パールの間に、区切れがあることだった。
膣の入り口が、丸く広げられたかと思うと、今度は逆に、膣口がすぼまって、区切れの部分を締め付ける。
膣口が開いては閉じ、閉じては開き、が繰り返される。
その感触は、バイブとはまるっきり違っていた。
奥へ奥へと入ってきているアナルパールを、膣襞が絡み取り、まるで型どりをするかのようになっているのが感じられる。
あんなでこぼこしたものを、ぴたりと受け入れられる女の膣襞って、柔軟なんだな、と思う。
膣襞を通して、中へと入ってきているものの形がはっきりと分かる。ずいっ、ずいっ、と入り込んでくる度に、膣襞を広げたり、すぼめたりしていく。
やがて、アナルパール全てが、俺の中へと入り込んだ所で、今度は詠美さんは、それをゆっくりと引き抜いていった。
俺の股間から、数珠つながりになった丸いモノが、一つ一つ、姿を現してくる。その様子は、まるで卵を産んでいるかのようだった。
俺の中から出したアナルパールは、ねっとりと濡れていた。
玉の下に溜まった蜜が、ぽたり、ぽたり、と垂れ落ちていく。
「うふふ。準備は良いみたいね」
詠美さんは、濡れそぼったものを、左右に広げられた俺の股間の下――アヌスへと突き立てた。
押し当てられると、尻の穴が、丸く膨らむのが感じられる。
それは、だんだんと大きくなる。
下品な表現だけど、俺は排便をしているのを思い出した。それとの違いは、あっちは出て行く方で、こっちは入っていく方だ。
きゅぅっ、と尻穴が大きく広げられたかと思ったら、その尻穴は、意志を持っているかのように、途中までめり込んできた玉を、自ら飲み込み始めた。
ちゅぷん、という音と共に、一個目のパールが、俺の中へと入った。
物凄い違和感だった。
トイレに行きたい、という気持ちが一番近いんだけれど、そうじゃない。
排泄器官としての尻穴は、出したいという気持ちがあるんだけれど、性器としての尻穴は、もっともっと入れて欲しい、そう叫んでいるのだった。
こんな気持ちは、男の俺にはないことだった。
男としての違和感が、さらなる侵入を拒もうとするものの、体は逆の反応をしていた。
腰を持ち上げて、尻穴を見せつけるようにして、さらに足を広げて、腰をくねらす。
一つ、二つ、三つ……俺の愛液を潤滑油にして、アナルパールはだんだんと俺の中へと入ってくる。
「ふふふ。義隆君。もう全部、入っちゃったわよ」
不思議な気持ちだった。
昨日、沙織姉さんになった時には、膣にバイブやちん○んを入れたりしてきたけれど、尻穴に入れるというのは、それとはまるっきり違っていた。
入れちゃいけない、そう思うものの、そんな状況を受け入れて、そして興奮しているのだ、という背徳感が俺の心につきまとう。
「それじゃあ、義隆君には、アヌスが一番感じる方法を教えてあげる」
言って詠美さんは、アナルパールの取っ手に手をやった。
「そぉれっ!」
かけ声と共に、一気に俺の中に入っていたものを、引き抜いたのだった。
時間にして1秒足らずだった。
だが、その間に、俺は様々なことを体験した。
腸の中が掻き乱され、尻穴の入り口が広げられてはすぼめられる。
そして一番の体験は、疑似排泄感だった。
排便をした時のような、妙にすっきりとした感情だった。
だが、そんな男の俺にも理解できる快感は一瞬だけ。
次の瞬間には、尻穴の中に、ぽっかりと穴が空いたような、物足りなさが湧き起こるのだった。
「ああ……そんな、一気に……」
もっと味わいたかった。尻の穴へと、数珠繋ぎになったものを入れられ、掻き回されたかった。
男にもあるはずの器官が、女の体になると、性感帯の一つになってしまうことに驚きを覚えつつ、俺はその性感帯を、もっと味わいたいと思った。
そんな俺の表情をするどく見抜いたのか、
「ふふ、義隆君。物足りなさそうな顔をしているわね」
詠美さんが、新たなバイブを手にしてながら、俺の顔を見詰めてくる。
「それじゃあ今度は、回転式のこのアヌスローターで行こうかしら」
差し出された、すでにスイッチが入っていて、うねぬねと動いている様を見て、俺はごくりと唾を飲む。
(あれが……俺の尻の中で……)
詠美さんは、アナルバイブへとローションを塗してから、俺の尻穴へと、突きつけてくるのだった。
同じく数珠繋ぎなんだけれど、くびれの部分がさほど細くないアナルバイブは、俺の中へとずぶずぶと入ってきた。
「はぁ、あくぅ……」
ローションにまみれた凹凸のくびれが、俺の肛門を通り抜ける度に、広げてはすぼめて、という動作を繰り返していく。
その感じは、尻穴を自由に弄ばれて、まるでおもちゃのように開閉をされているかのようだった。
肛門への刺激が繰り返される一方で、その先端部分は、着実に俺の中へと入ってきていた。
いつもは、排泄しなれているはずの場所へと、逆流するように、柔らかくて太いものが入り込んでくる。
尻穴を犯されているんだ……俺はそう思わずにいられなかった。
そんな、亜紀子さんの体を犯されているという気持ちは、さっきあった、膣へのバイブ挿入の比ではなかった。
あちらの方は、膣の方が勝手に動いて、自らバイブを飲み込もうとしていた。ところが今は、直腸の動きは、入ってくるアナルバイブを押し戻そうとして動いているのが感じられる。
体が抵抗を続ける中で、ローションに濡れたバイブは、絶えず入り続けてくる。
直腸が示す反応に逆らうようにして、バイブはすっぽりと中へと入ってしまったのが感じられた。
仰向けになっているものの、腰を持ち上げているため、その様子を見ることは出来ない。
股間に見えるのは、無理矢理にアヌスにバイブを入れられて興奮をしているのか、股間がだらだらと愛液を流している様子だった。
「それじゃあ、スイッチを入れるわね」
詠美さんが手にしていたピンクのスイッチを捻ると同時に、俺の腸内では、風船が膨れあがったかのような刺激が湧き起こった。
「ああ、お尻の中が……掻き回される」
アナルバイブは、単純に回転するだけでなく、のたうつ蛇のように、体全体をうねらせているようで、振動を起こしつつ、同時に尻穴を全方向へと押し広げていく。
「ああ……あぁん。お尻の中……ぐちゃぐちゃになってるぅ……」
俺の口からは、慣れない感覚への戸惑いと、それを性感として感じてしまうことに対する困惑の混じった声が漏れる。
「ふふふ。亜紀子さんのお尻、すごいわよ。まるで尻尾が生えているみたい」
尻尾……
人間にあるはずのない器官……
そしてそれが、俺の中を掻き乱している……
その様子に、俺は興味があった。
尻穴にバイブが入れられて、そして身悶えている亜紀子さんの姿……
そんな俺の期待を叶えるようにして、由紀さんが、取り出したのは、ビデオカメラだった。
手慣れた感じで、部屋に備え付けられている液晶プラズマディスプレイへとケーブルをつなぎ、手にしたカメラを、俺の尻へと向けてくる。
「ほーら、お尻の穴にバイブを入れられた、義隆君のアップですよ」
液晶テレビの画面を見ると、そこには白くて太いバイブを入れられた尻の穴がアップで映っていた。
あれが……亜紀子さんのお尻の穴……
そして、今の俺の、お尻の穴……
カメラの先が、股間から、上へと移る。
そこには、体中に汗をしたらせ、大きな胸を震わせ、うっとりとした表情で、テレビの方を見つめている、亜紀子さんの姿があった。
あの大画面テレビに映っている亜紀子さんが、今の俺……
試しに俺は、両手を胸元へとやってみた。
すると、亜紀子さんも同じように胸に手をやる。
その胸をわしづかみにしてみると、カメラに写る亜紀子さんの胸が、細い指先に握られつつ、指の脇から乳肉をはみ出して、そのボリュームを誇示しているのが見て取れる。
「ふふ。義隆君、自分が撮影されるのに、すっかり酔っちゃったみたいね。
それじゃあ、今度はこっちを」
ロングで俺を写していたカメラのスパンが変わり、その先は股間へと向けられた。
さっきまでバイブが居られていたためか、左右に広がったようになっていて、割れ目からは、愛液がとろとろとしたたり落ちている。
その様は、新たな刺激を求めているようだった。
「それじゃあ今度は、膣とアヌスの同時責めに行こうかしら」
詠美さんは、さっきよりも太いバイブレーターを取り出した。女の両手に余るほどのサイズで、雁首のえらは、傘のように張り出している。
「もう濡れているから準備は要らないわね」
あっさりと言って、詠美さんは、スイッチを入れたバイブを、俺の膣口へと突き立てた。
根本を握りしめたままに、力を入れていくと、ぐしょぬれになっている俺の膣は、そのバイブを易々と飲み込んだ。
そして湧き起こる、体が内側から圧迫される感覚。
さっきよりも大きなバイブの上に、その下ではアナルバイブが入って、俺の腸内を掻き回している。
上と下、二つの穴へと同時に突っ込まれて、さらにその中で二つのバイブが跳ねる。
「ああぁ……あはっ、んくぅ……」
距離からすればほとんど離れていないはずの場所への刺激なのだが、その違いに、俺は気が狂いそうになる。
膣からの刺激は、膣が求めているものが与えられる、充足感の伴ったものだった。
一方の尻穴からの刺激は、その刺激により排泄感を催してくるような、違和感の伴ったものだった。
膣の快感は、昨日に沙織姉さんになった時にも感じたことなので、多少の慣れはあるものの、そのすぐ近くで、まったく違った感覚を押しつけられると、どうしてもそちらの方に気が向いてしまう。
尻穴で感じる快感は、排泄感に近かった。アナルバイブが出たり入ったりしていると、疑似排泄をしているような気持ちになってくる。普通、排泄の快感と言えば、一回こっきりだ。
だが今は、その快感を、繰り返し、繰り返し、体験させられているのだ。
快感のプレイバック。
「どう。女の体の快感は? でも、こんなものじゃないのよ」
詠美さんは、鞄の中から、3つのピンクローターを取りだした。
「さあ、これで、まだ刺激が足りない部分を、いじめてあげましょう」
詠美さんから1つずつ渡された由紀さんと香澄さんは、自分の役目をすぐさま理解したようで、ローターを持って、俺へと近づいてきた。
由紀さんと香澄さんは俺の胸元へ、詠美さんは、股間へと近づく。
そして、ピンク色をしたローターそれぞれが、その近くにある、ピンク色の場所へと近づいてくる。
乳首と、クリトリスだ。
ひんやりとした丸いプラスチックの固まりが、俺の乳首とクリトリスへと当てられる。
「それじゃあ、いくわよ」
詠美さんの声に従って、同時にバイブのくぐもった音が響く。
「あはっ! ひぎぃっ! こ、こんなのって……凄すぎ……」
女の体が感じるあらゆる場所を、人工的な振動で刺激されると、それらの箇所をとりまとめる場所、脳の部分が、バイブで掻き回されているように思えてくる。
「あひぃっ、あがぁっ、やっ、やぁぁ! 墜ちる、墜ちちゃう……墜ち……」
その途端、俺の記憶は途絶えた。
後にはただ、なおも俺の体を揺さぶる振動と、それが生み出す快感だけが、まるで生き物のように、俺の体内を這い回っている様子が、ぼんやりと浮かんでくるのだった。
そして俺は、気を失った。
10月8日掲載
しばらくして目が覚めた俺は、さっきまでの仰向けとは逆に、俯せにされているのに気付いた。
体を動かそうとしたんだけれど、両腕と足の部分が後ろ手に手錠をはめられたようになっていて、片手を動かそうとすると、もう一方が引っ張られる。
俯せになっている顔の前には、シルバー色のエアーマットが敷かれていて、頭だけじゃなく、全身へと、空気の入ったバッグの感触が伝わってくる。
俺は、自由に動かすことのできる頭をひねって、体を見下ろしてみた。
どうやら、ラブホテルとかにある、大きなエアマットの上に寝かされているようだ。両腕と両足を頭が向いている方へとやってみると、両手と両足へと、太くて黒いバンドのようなものが撒かれていて、それが四本の手足を鎖で結び合っている。ぴったりと繋がっているわけじゃないから、エビぞりになることはないけれど、うつぶせにされたまま、両手両足を背中へと引っ張られているような格好になる。
「あら、起きたようですね」
「あの……これは?」
「今日は、マットプレイと拘束プレイを試してみようと思うの」
理彩子さんは、俺の顔を覗き込みながら、にっこりと言ってきた。
「それじゃあ、まずは皆さんで、マッサージをしてあげましょう」
言って理彩子さんが、俺の背中へと、なま暖かく、とろりとしたものを垂れ落としてきた。
ドレッシングの容器みたいなものから出ているものは、どうやらローションのようだった。
匂いがついているのか、軽い香水を当てられたように、俺の体へと、甘い香りがまとわりついてくる。
背骨に沿って垂らし終えられると、4人の奥さんの手が、一斉に俺の体へと伸びてきた。
「ひゃふぅっ!」
くすぐったさに、思わず声をあげてしまう。
だが、それも一瞬のことだった。
男に比べて、一回りは小さく、そして繊細な指先を持った手のひらは、俺のまだ敏感に火照っている場所へと、回り込んできたのだった。
一人は背中をマッサージしたままで、一人は両手を俺の乳房の下へと入り込ませてきて、むにゅり、と揉んでは、ローションを塗していく。
もう一人は、クリトリスと膣へと指先を伸ばしてきた。元々、亜紀子さんの体が出した愛液で濡れている所へ、粘り気の違ったローションまみれの指先が伸びてきて、勃起した俺のクリトリスをくすぐってくる。
その下――今は俯せになっているから上だけれど――へも、指先が伸びる。
さっきまでアナルバイブを入れられて、自然とゆるんでいた尻穴へと、しなやかな人差し指が、無遠慮に入り込んでくる。
「ああ、あはぁ……」
まだ絶頂の余韻が抜け切れていない所へ、敏感なままの部分を刺激されて、俺は悶えるものの、両手両足が拘束されているため、自由に動くことができない。
反抗か、身悶えなのか、自分でも分からないままに、手足を揺さぶって、鎖をがちゃがちゃと鳴らしているうちにも、4人の手は休まらない。
乳房をまさぐっていた手は、敏感な2つの突起を探り当てて、そこを集中して弄り始めた。
膣へと伸びていた指先は、俺の反応を見てGスポットを探り当て、そこを集中的にこじってくる。
尻穴へと入り込んだ人差し指は、恥ずかしい穴の存在を知らしめようとするかのように、そこを押し広げてくる。
そんな、亜紀子さんの体の弱みを握られたままで、俺は体を満足に動かすことができなかった。
これが拘束プレイってやつか、と思う。
俺を責めている4人は、反射的な動きを遮って、その反応を、鎖の音として楽しむ。
そして俺の方は、されるがままの状態を、ますます実感する。
不思議な気分だった。
もしも俺の手足が自由になっていたとしても、彼女たちの動きを遮ることは無いだろう。
でも、こうやって動きを封じられていると、俺は受け身になって、愛撫を受ける一方なのだ、ということが強調させられる。
まるでモノになってしまったよう――それも、快感を感じることしかできない道具にでもなってしまったような気持ちだった。
4人の指先は、性感帯を責める一方で、腕や指先、ふとももへも伸びてくる。ねっとりとしたローションが、女性の指先で塗られる度に、まるで、媚薬を塗りつけられているように、その部分が敏感になり、性感が高まっていく。ローションを塗られることで、性感帯を全身へと広げられているような気持ちになってくるのだった。
ふと、尻穴へと伸びていた指先が抜かれた。
俺は、小さく、あ、と切なげな声を漏らす。
そこへいきなり、ずぶり、と指なんかよりもはるかに太いものが、入り込んできたのだった。
「ああぁ、ああ……」
「どう。義隆君? 極太アナルプラグの味は?」
縛られているために背後を見ることのできない俺の顔近くへと、俺の尻穴へ入っているものらしきアダルトグッズのケースを見せつけてきた。
そこには、ピンク色をした、浣腸のような形をしたものの写真が映し出されていた。
細い先端が、一気に広がって、そして根本へ行くと再びくびれて細くなり、その根本は、栓をするように蓋状になっている。
「あはぁ……」
さっきの数珠状のアナルバイブよりも、はるかに太いそれは、俺の尻穴を内側から、四方へと広げていった。
快感と排泄感、混じり合わないはずの二つの感覚が重なり合い、俺は喘ぎ声を上げる。
「す、凄い。お腹の中が、膨れて……」
「ほうら。こうやって、揺さぶると」
「あぁ……ああ……」
前後への揺さぶりと、引き抜くような動作が入り交じり、俺の尻穴は絶えず刺激された。
一番感じるのは、引き抜かれようとして、尻穴が大きく広がる瞬間だった。
女の体になっている俺は、ひょっとしたら、卵を産むってこういうことなのか、と思ったりする。
「ふふふ。お尻だけじゃ物足りないでしょ。こっちでも、楽しませてあげる」
その声は、由紀さんのものだった。
「あら、これじゃあ鎖が邪魔ね」
鎖の鍵を外して、何をするのだろうかと思ったら、由紀さんは、自らの乳房へとローションを塗りたくった。
尻穴を弄る理彩子さんの邪魔にならないようにと、体を横にしてから、俺の背中へと覆い被さってくる。
俺の背中へと、由紀さんのローションまみれのおっぱいが当たってくる。
ソープランドもののAVで見る、男の背中を、自分のおっぱいを押しつけてくるやつだ。
背中へと、むにゅり、としたものが当たっては、それが上下に動く。
快感で敏感になっている俺は、指先とはまるっきり違った、張り付くような感触を、亜紀子さんの体で、まとわりつくような愛撫として感じる一方で、男の心で、由紀さんからの奉仕を感じるのだった。
「うふふ。義隆君。おっぱいが好きみたいね。それじゃあ、私のおっぱいも、味わってみる」
言って香澄さんが、俯せになっている俺の前へと乳房を見せつけるようにして、横になった。
ちょうど、俺の目の前に、香澄さんの乳房が迫ってくる。
子供を産んだとは言っても、まだ若いだけあって、その乳房は横になっても、垂れることなく、丸みを保っていた。
俺は、吸い寄せられるように、その乳首へと口を近づける。
「まだ焦っちゃだめよ。ちょっと待っててね」
香澄さんは、乳房を二度、三度と扱くようにすると、やがて乳首の先端から、白い乳液状の糸が、ぴうぅ、と伸びた。
「こ、これって……」
「そうよ。母乳よ。いつもは私の赤ん坊と夫だけに吸わせてあげているんだけれど、今日は義隆君にも吸わせてあげる」
俺は、赤ん坊のような気持ちになって、香澄さんの乳首へと吸い付いた。
どうやって吸ったら母乳が出るのかと戸惑ったけれど、本能が覚えているのか、思うままに乳首を吸っていたら、自然と舌先へと、甘い感触が伝わってきた。
ちゅぱっ、ちゅぱっ、と頬と唇、舌先を動かして香澄さんの乳首を吸い続けると、それに合わせてとろりとした母乳が流れ込んでくる。
飲み続けているうちに、俺は赤ん坊のような気持ちになってきた。
「うふ。女の人に母乳を飲ませるなんて、不思議な感じね」
そうなのだった。俺は今は、亜紀子さんなのだ。
背中には乳房を押し当てられ、尻穴にはアナルプラグを突っ込まれている、淫らな女なのだ。
そう思うと、興奮が一気に高まってきた。
「ねえ、義隆君。私のおっぱい、触って良いのよ」
鎖を解かれ、自由になった腕が引っ張られて、詠美さんの胸へと押し当てられる。
4人の中では一番年上の彼女のおっぱいは、熟女の乳房と呼ぶのにふさわしかった。
張りはないものの、それを補うぐらいの大きさと、そして柔らかさを持っていた。
手のひら全体が、ずぶずぶとめり込んでしまうんじゃないかってぐらいに、詠美さんのおっぱいは、俺の手のひらを受け入れていた。
ぐにゅ、ぐにゅ、と指先を動かしてまさぐると、乳房は自由に形を変える。
指先へと俺の意識が集中していると、下半身へ、大きな揺さぶりが起こった。
「あぁ!」
アナルプラグが入れられた尻穴の下――膣穴へと、太いものが入れられたのだった。
太い。太い。とにかく太かった。
「どう? LLサイズのディルドの味は? 赤ん坊の腕ぐらいあるから、まだ出産経験のない亜紀子さんには、きついかもね」
体の中心へと、太い杭を打ち付けられるような感じになる。
頭の中が、それのことしか考えられなくなる。
尻穴と膣、同時に太いものを入れられている圧迫感は、俺の意識を押しつぶしていく。
そしてそれは、快感へと作り替えられていく。
「ああ、あぁ、ああぁぁーーーっ!」
ディルドによって、全身を破裂させられたかのような快感に、俺はまたしても気を失ったのだった。
第4章「肉棒と肉欲に弄ばれて……」
「やあ、準備は十分ですな」
俺が全裸のままにぼんやりとしていると、リビング入り口の方から、男の声が聞こえた。
見てみると、同じ社宅に住む男性が……4人立っていた。うち一人は、由紀さんの旦那さんで、後は独身だったり、奥さんがいたりだったりするはずだ。
「それじゃあ、我々も、さっそく取りかかりましょうか」
一人の男が言ったかと思うと、全員がそそくさと服を脱ぎ始めた。
年齢としては、理彩子さんと同じぐらいで、筋肉で引き締まった体から、中年太りが始まっているタイプまで、様々だった。
全員がパンツを脱ぐと、勃起したちん○んが、さらけ出される。
修学旅行の風呂とかで、男同士の裸を見ることはあるけれど、こうやって、下半身を見せつけられる――しかも勃起している状態で――なんてことは滅多にない。
それにしては、どこかで見た風景だな、と思ってから、AVで、一人の女優に対して、男優が何人もで集まって、精液を掛ける場面だった。
あちらではモザイクが掛かっているけれど、こちらは無修正、丸出しだ。伝わってくるのは映像だけではない。全裸の女性たちを前にして、息を荒げつつ、熱い視線をこちらへ送ってくるのが感じられる。
AVの撮影現場の雰囲気って、こんなものか、と思ったりする。
「それじゃあまずは、いつものアレからやりましょうか。女性の方が一人余るけれど、それは後で考えましょうね」
「アレって、何ですか?」
まだ快感にぼんやりとした頭で、俺は聞く。
「セックスを長く楽しむために、最初にまず、男の人達のものを射精させるんですよ。それで、一番最初に射精させることが出来た人が、今日はどんなプレイにするかを決めるの。言ってみれば、おちん○んを使った、王様ゲームみたいなものね」
ずいぶんと、大がかりと言えば大がかりな、王様ゲームだな、と俺は思う。
「それじゃあ皆さん。この紙の好きな所に、名前を書いてください」
理彩子さんが差し出してきたのは、真ん中が折り畳まれて、その上下に線が引かれたものだった。多分、あみだくじなんだろう。
俺も、義隆、と名前を書こうとしてから、他の奥さんが女の名前を書いているのを見て、亜紀子と書かなければいけないことに気付いた。
「それじゃあ、さっそく開けましょうね。はい、出ましたわ。それじゃあ、この通りにペアになってください」
俺の名前から伸びる線を見ると、一人の男の所へとつながっていた。
「亜紀子さん、よろしくお願いします」
上体を起こしていた俺の目の前に、鍛えられた腹筋と、その下に生えた陰毛、勃起したちん○んが突きつけられた。
さすがに若くは無いだけあって、真上を向いていることはないものの、水平になってこちらを向いている分だけ、より攻撃感を感じさせられる。
「それじゃあ、始めて下さい」
理彩子さんが言って、自らも目の前に居る男のものをしゃぶり始めた。
さすがに、男のもの、それも中年のものをフェラチオするのは抵抗がある。
でも、今の俺は義母さんなんだから、他の人と同じにしなければいけない。
ままよ、と俺は、男のものを、口に含んだ。
シャワーは浴びてきたようなんだけれど、鼻を近づけたことで、わずかにちん○ん特有の匂いがしてきた。
唇には、陰茎の固い部分が当たってきて、喉の奥には、柔らかい亀頭の感触が伝わってくる。
ぱくり、と俺は唇を閉じて、頬もすぼめて、舌先を動かして、先端の割れ口部分を、ちろちろと舐めた。
根本まで銜(くわ)えていることで、舌の動きに合わせて、男のものが、俺の口中を暴れ回る。
それを押さえようと、俺は根本の部分へと指を添えた。
指先に伝わってくる感触は、俺が自分の体でオナニーをする時ほどには固さは感じられないものの、義母さんの細い指先で触ってみると、その怒張ぶりに圧巻されるような気持ちになる。
「ん、んん……」
顔を前後に動かしつつ、舌先で転がしているうちに、ちん○んの先から、苦みの混じった液体が流れ出してきた。
舌先にしょっぱさと苦さが混じった感覚が起こり、それを飲み込んだ瞬間、頭がくらくらとした。
(な、なんだ?)
口に入ってきたのは、いわゆる先走りの汁というやつだろう。俺は、それを飲み込んで、何か違和感を感じたのだった。
なんだろうか、と思っているうちにも、舌と口の方は勝手に動き続け、喉が渇いた旅人が泉を見つけたかのように、先走り汁を求め続けているのだった。
(これって、義母さんの体が、興奮しているってことか?)
俺は、意識して舌を動かして、汁を舐めてみた。
そこにはさっきと同じように、しょっぱさと苦さが混じっていて、美味いというものではないんだけれど、不思議と、もっと味わってみたいと思うようになっていた。
(義母さんの体が、精液を欲しがっている)
そんな考えに、俺はどきりとする。
昨日は沙織姉さんの体になってセックスしたりしたけれど、そういう意識は無かった。
それが今では、俺が意識しないでも、舌と口が勝手に動いて精液を求めつつ、そして俺自身も、男の精液への興味が湧いてくるのだった。
俺が、男の体のままだったら、男の精液なんて、嫌悪感しか感じないだろう。
それでも今は逆に、精液を欲しがっているのだと思うと、改めて俺は、亜紀子義母さんの体になっているのだな、と実感させられる。
そうしているうちに、流れ込んでくる先走りの量が増えてきた。
ちん○んの方も、びくん、びくん、と脈打つ速さが、増しているのが感じられる。
欲しい、欲しい、精液、欲しい……
意識とは違った、亜紀子義母さんの本能が生み出す欲望に従って、俺は舌を動かし続けた。
「ああ、亜紀子さん。今日はいつも以上に熱心ですね」
呻くようにして、男が言ってくる。
不思議と、悪い気はしなかった。意識までもが、義母さんのものになっているってことだろうか。
俺は、元は男だからツボは心得ているということで、裏筋を人差し指の腹で刺激をしつつ、唇で雁首を含んで、舌先で亀頭を弄る、というように、ちん○んの感じる場所全てを同時に刺激した。
「ああ、亜紀子さん……もう、出そうです」
肯定の返事をする代わりに、俺はさらに口の動きを激しくした。
「亜紀子さん、出るっ」
口の中で、亀頭がぶわり、と膨れる。
どぴゅぅっ、と俺の中で爆発が起こった。
喉の奥へと、熱い塊がぶつけられる。
それを俺は、美味いと思った。
ごくり、ごくり、と喉を鳴らして飲み干していくと、腹の中へと、快感が染み渡っていくような感じになってきた。
精液がこんなに美味いものだなんて。
今まで、オナニーの度に、ティッシュでくるんで捨てていたのを勿体なかったな、と一瞬思ってから、これは亜紀子義母さんの体だからなんだ、と自分に言い聞かせることで、どうにか理性を取り戻した。
射精はなおも続いていた。
断続的に、どくり、どくり、と湧き出てくる精液を、俺は飲み込んでいく。
その度に、体中が熱く火照っていくのが感じられる。
まるで、媚薬を飲み込んでいるかのようだった。
「亜紀子さんは終わったようですね。でも、あたしの方が、早かったようね」
証明の品を見せつけるかのように、理彩子さんは手のひらへと精液を載せていて、舌先でぺろりと舐めた。
「それじゃあ、今日のプレイはあたしが決めさせてもらいますわね。
では今日は、亜紀子さんを、全員で気持ち良くさせることにしましょう」
「そうなんですか? でも、他の方は?」
男の一人が問い掛けてくる。
「うふふ。今日の亜紀子さんは、本当は中身は義隆君なんだそうですよ。だから今日は、義隆君に、亜紀子さんの良さを、思いっきり知らせてあげようと思いまして」
俺が本当は義隆だと言ったのが、よほど気に入ったのか、理彩子さんは、楽しそうにそう言った。
「そう、なんですか……まあ、わたしたちはそれでもかまいませんけれど」
「それじゃあ、これを使ったらいかがですか?」
そう言って詠美さんが取り出したのは、アイマスクだった。
俺が何かを言う前に、すばやく目の前へと、アイマスクが取り付けられて、俺の視界が隠される。
目隠しをされたことで、何をされるのだろうか、と心配になってくる。
そこへ、ひょい、と体が持ち上げられた。
いわゆる、お姫様抱っこというやつだ。
当然、持ち上げているのは、4人の男のうちの誰かなのだろう。
自分の体が軽々と持ち上げられていることに、今の俺は、軽い女の体なのだな、と思い知らされる。
ゆっくりと体が下げられて、背中に布団の感触が当たった。
仰向けにされたかと思うと、
「ひゃふっ!」
いきなり股間へと、なま暖かいものが当たってきた。
この感触は、舌先だった。
さっきのフェラチオの合間に落ち着いてきたものの、まだ火照ったままの俺のクリトリスが、舌先で転がされる。
それに歩調を合わせるように、俺の全身へと、なま暖かい舌先が重なり合ってくるのが感じられた。
口元へ、耳元へ、首筋へ、左右の乳首へ、指先へ、脇腹へ、ふとももへと、様々な種類の舌先が当たってくる。
その中には、女の人のものもあれば、男の人のものもあるのだろう。
どれが誰のものだか分からないけれど、数から言えば、全員が俺の体を舐め回していることになる。
目隠しをされたまま、誰からともなく舐め回されるのは、変わった体験だった。
それも、同じ場所を舐められるのではない。
舌先は、絶えず場所を移動しているのだった。
耳たぶを、その形に添ってなぞられるかと思ったら、唇を吸われる。
両の乳首をぺろぺろと舐められつつ、クリトリスがつまみ上げられるようになる。
刺激は、舌先だけに止まらなかった。
「あふん……」
柔らかい女性の唇が、俺のうなじを吸い立てて来る。
つぅぃっ、と何度も首筋に沿って、ぽってりとした唇を当てられると、背筋全体へと、ぞくりとした快感が湧き起こる。
頭が、ごつい男の両手で固定されたかと思うと、野太い男の舌先が、俺の中へと入ってきて、舌先を蹂躙していく。
「んふ……ん……」
乳房全体へと、しっとりとしたものが、塗された。
おそらくは、さっき使ったローションなのだろう。
デコレーションケーキのクリームのようにローションまみれになった乳房へと、2つの異なった指先が、マッサージをするようにして、念入りにローションを塗りたくってくる。
別の人達が触っているらしく、左右の乳房からは、違った動きが伝わってくる。
右側からは、それこそマッサージをするように、丁寧な動きが。
左側からは、自らの欲望を満たそうとばかりに、激しい動きが。
片方は女性、片方は男性だな、と思う。
そんな、まるっきり異なる二つの動きを、俺の乳房は柔らかく受け入れていた。
繊細に触られれば、たぷり、とはじくように。
大胆に触れられれば、やわやわと求めるように。
そんな中で、俺の乳首は熱く固くなってきていた。
「あふぅっ!」
俺の心中を見計らったかのように、左右の乳首へと同時に、唇が当たってくる。
「あは……あぁん……」
女のぽってりとした唇と、男のごつい唇に挟まれて、俺の乳首は歓声を上げる。
熱い口中でますます尖っていき、舌先の刺激を求めていく。
ねっとりとした舌先が、俺の乳首を絡め取る。
「んああぁっ!」
乳首ばかりに気を取られていた俺は、下半身からの強い刺激に声を上げた。
そこには、いきなり熱くて固いものが、入り込んできていたのだった。
舌先ばかりの刺激かと思っていた所へ、いきなりちん○んが入ってきたのだ。
目隠しプレイならではの、刺激の急激な変化に、俺の興奮は高まっていく。
それに遠慮してか、舌先の動きが、一斉に止んだ。
今の俺には、腰を掴まれて、ずばん、ずばん、と激しく挿入されてくるちん○んの挿入感だけが、唯一の刺激であり、最大の快楽であった。
よほど腰を激しく動かしているらしく、一突きされる度に、俺の体は、頭の方へとずれていく。
そして、布団の上を越えて、畳の上へと頭が着いた。
途端、上半身が持ち上げられた。
俺のおま○こには、ちん○んが挟まったままに、俺の体は起こされて、垂直になった。
ふとももの間には、男の体が挟まっているのが感じられる。
起こされた上半身は、後ろから、男の太い腕によって、羽交い締めされるような形になっていた。
そこへ、体が持ち上げられて、男のものをくわえ込んでいた股間が、持ち上げられる格好となる。
ゆるゆるとちん○んが俺の中から抜けていき、亀頭が膣口に掛かった所で、すとん、と俺の体は、落とされた。
「ああんっ!」
支えを失っていた体は、突き刺さっていたちん○んに沿って、落下する。
そして、太い杭を下から打ち込まれるようにされる。
しかもその杭は、先端の部分が膨らんでいて、幹の部分は血管が浮いていて、びくびくと脈打っているのだ。
再び、俺の体が、ゆっくりと持ち上げられる。
そして、再度の落下。
「ああん! 良いっ、体中に、おちん○ん、響いてくるぅ!」
俺は意識して、淫らな声を上げた。
すると、俺の中へと入り込んでいたちん○んが、びくり、と反応をする。
同時に、後ろから俺を操っている男の動きが、ますます激しさを増したものになる。
ずばん、ずばん、と俺の体が、男の股間へとぶつけられる。
一風変わった騎乗位、と言って良かった。
騎乗位と言うと、女性の方がリードして体を動かすのだが、今の俺には、体の自由は無い。
形こそ、女性上位であるものの、リードしているのは男の方だ。それも、俺にちん○んを入れている男と、後ろから俺の動きを支配する男の二人。
暴れ馬に、無理矢理に載せられているようなものだ。
格好は女性上位、でもリードは男、しかも俺は目隠しをされているということで、ますます支配されている感が強まってくる。
「ああ、イクっ、イクぅっ!」
急激に、俺の中で快感が高まっていく。
ずしん、ずしん、と体が揺さぶられるのに合わせて、全身へと快感が散らばっていくのが感じられる。
頭の先から、足の爪先までが、快感に満ちあふれる。
目隠しされているはずの目の前が、真っ白になった。
そして、頭の中で、爆発が起こった。
「イクぅぅぅぅぅぅっっっっ!」
がくり、と俺は頭を下げる。
俺がイッてしまったのを見計らってか、背後からの動きは終わったものの、まだ俺の中では、射精にまでいたらないちんちんが、ヒクヒクと動いている。
「亜紀子さんは達してしまったようですが、まだいけるようですね。
それじゃあ、次のプレイにいきましょうか」
理彩子さんの声がしたかと思ったら、目隠しが外された。
そして、全裸になっている俺の素肌へと、ぺたりとした生地が覆い被される。
なんだろうか、と思って見てみると、その布地は、やけに光沢のある水色をしていた。
肩から足までに切れ目は入って居らず、すらりと伸びていて、ふとももの脇には、スリットが入っている。
チャイナドレスか……俺は思った。
「亜紀子さんのチャイナドレス姿、なかなかお似合いですわよ」
俺からは、その全身像を見ることは出来ないけれど、あの亜紀子義母さんがチャイナドレスを着ている姿を想像すると、それだけで興奮してくる。
チャイナドレスの雰囲気とはちょっと違った、優しい顔立ち。
胸元の切れ目から覗かせる胸の谷間。
そして、腰から伸びる切れ目の合間に見える、むっちりとしたふともも。
「それじゃあ、今度は私が」
さっきまで、俺の後ろに居たらしき男が、俺の腰を持ち上げる。
四つんばいにされるままに、チャイナドレスの後ろがまくり上げられ、その背後から、男のものが侵入してくる。
「あぁん……」
俺の体は絶頂に達したばかりだが、男と違って、この体は、何度でも絶頂を受けれられるのだ。
下半身へは、ずばん、ずばん、と荒々しい男のものが入ってくる一方で、張り付くように密着してくるチャイナドレスの生地が、俺の素肌を擦り上げてくる。
「ああ、奥さん。奥さんのチャイナドレス、綺麗ですよ」
その言葉に、俺は興奮する。
一つは、チャイナドレスを着ているということだ。
亜紀子さんがチャイナドレスを着て、男からバックで犯されている……
そう思うと、俺の心はますますと高ぶっていく。
しかも、その亜紀子さんこそが、今の俺なのだ。
チャイナドレスを着て、綺麗だと言われる。
変身願望が実ったような思いがする。
自分が、別の自分になっているのを実感する。
女の人が化粧をするってのは、こういう心理なのか、と思ったりする。
もう一つは、奥さん、と呼ばれることだ。
夫も居て、子供も居る身分で、他の男と肌を重ねている。
いけないことをしているのだ、という背徳感が湧いてきて、それは一瞬にして、きわどい快感へと変わっていく。
「出しますよ。精液、出しますよっ、奥さん」
「来て、来て、わたしのおま○こに、精液、出してぇ」
淫らな不倫妻を演じつつ、俺は精液を求めた。
うう、と呻き声が上がってから、俺の中へと、熱い塊が打ち付けられる。
「あぁ、ああ、ああーっ!」
がくり、と全身から力が抜ける。
再び、俺の頭が真っ白になる。
体中の力と熱が、一瞬にして快感にすり替えられてしまったかのようだった。
ばたり、と前へと倒れると、固くなったままの乳首が、チャイナドレスの生地に擦られて、心地よい余韻を与えてくれる。
上半身に続いて、下半身からちん○んが抜けて、どさり、と床へ落とされる。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
おま○この部分が、ひくひくといっているのが感じられる。
そんな割れ目の中から、どろり、としたものが流れ出ていく。
さっき出された精液なんだろう。
改めて俺は、夫のある身でありながら、他の男に射精されてしまったのだ、と実感するのだった。
「奥さん。まだまだ、いけますよね」
一人の男が、にぃっ、と笑いながら、俺の顔を覗き込んできた。
はい、と俺は誘いに乗ってしまうのだった。
「それじゃあ、今度は私が、挿入れさせてもらいますよ」
チャイナドレスを脱がされて、再び全裸になった俺の体が、軽々と持ち上げられた。
男はそのまま仰向けになり、俺はその上へと俯せにされる。
まだ体中がぐったりとしていて力が入らない所へ、男は俺のヒップの両脇へと手をやって、割れ目を己のちん○んへと導いた。
「んぁあ……」
さっきよりも太いものが、急な角度で俺の中へと入ってくる。
力が抜けている俺の下半身を、男のものが、ずん、ずん、と突いてくる。
「あぁ、あは……ああ……」
うめくような亜紀子さんの声が、俺の口から漏れていく。
「亜紀子さんのおっぱいが、俺の胸に当たってきますよ」
まだぐったりとしている俺の上半身は、目の前にいる男の胸元へと、もたれかかるようになっていた。
俺の柔らかい乳房へと、男の固い胸板が当たってくるのが感じられる。
密着した胸同士の合間へと入り込むようにして、背後から、男の腕が差し込まれた。
両肩は俺の下から突き上げている男に押さえられつつ、両の乳房を、わしわしと揉みしだかれる。
「亜紀子さん。後ろの方、いただきますよ」
後ろの方、というのが何のことなのか、俺にはすぐには分からなかった。
だが、それはすぐに思い知らされることとなった。
ローションをまぶしたのか、ぬるりとして固いものが、俺の尻穴へと押しつけられる。
ぐいっ、と一気に入り込んでくる。
「ああ、奥さんのアヌス、おま○こと同じぐらい気持ちが良いですよ」
前と後ろ、二つの穴へとちん○んを入れられると、俺の頭はちん○んのことだけで一杯となった。
(すごい、すごいよ……亜紀子義母さんの体って、こんなに淫乱だったんだ……)
男のものを二本も、それも易々と飲み込んでいる亜紀子さんの体に、俺は驚きつつも、同時にそのことが生み出す快感に、溺れそうになっていく。
(女の体がこんなに気持ち良いだなんて。凄い。沙織姉さんなんかよりも、よっぽど気持ち良いや)
改めて俺は、開発された女の体、というものを思い知った。
じゅぷっ、じゅぷっ、と淫らな音を立てながら、俺のおま○こは男のものをくわえ込み、離そうとしない。
少しでも相手の動きを誘うかのように、割れ目からは、淫らな粘液を垂れ流している。
背後からの動きもそうだった。
本来は、排泄するための器官へと、男のものを誘い込み、そして締め付ける。
そうやって、男を悦ばせる一方で、自分はそれ以上に快感を感じている。
男が一カ所でしか感じられないのに対して、この義母さんの体は、前と後ろの両方でも感じられるのだ。
それも、男なんかよりも、よっぽど深くて激しい快感を。
それでもまだ足りないとばかりに、俺の腰は勝手によがり、股間の部分を目の前にいる男に密着させて、クリトリスを刺激していく。
「ああん、あんっ!」
クリトリスからは、男のちん○んとはまるっきり違った快感が湧き起こる。
ツーンとするような刺激が、全身を貫いていく。
「亜紀子さん。下の口ばかりでは、物足りないでしょう。こっちの方にも、ちん○んを差し上げましょう」
背後から両の胸をまさぐられて持ち上げられている俺の口元へと、もう一人の男がちん○んを当ててきた。
それを俺は、嬉々として飲み込んだ。
「ああ、亜紀子さんの口の中、暖かくてしっとりとして……」
うめくように、男が感想をもらす。
気持ち良いのは、俺も同じだった。
口の中までも、犯されている。
そう思うと、俺の感情はますます高ぶっていき、だんだんと口の中にも、性感帯が生まれていくのだった。
ぷるぷるとした唇へと、太い陰茎が当たってくる。
舌先へと、先走りの汁が垂れてくる。
のど元へと、亀頭の先端が触れてくる。
口中の各部分が、性感帯になってしまったかのように、口の中での動き一つ一つが、快感となって感じられる。
「お、奥さん……わたしにもお願いします」
別の男が、俺の右手を掴んで、自らのちん○んへと導いた。
俺は、繊細な指先を、男のものへと添えた。
フェラチオをしていて、視界には男の腹があるため、手探りで、亀頭の部分を探り当て、形に沿って、撫でていく。
丸くて柔らかい、亀頭独自の感触が、俺の指先へと伝わってくる。
ふと、今の俺の――亜紀子さんの姿を想像する。
男にのしかかるようにしてちん○んをくわえ込み、その後ろにも男を従え尻穴を犯させつつ、さらには顔を上げて男のものをしゃぶりながら、右手では慣らすようにして、男のものを触っている。
4人の男を従え、そして快感の奉仕をさせている。
そんな義母さんの姿を想像しただけで、その淫らさに、俺はぞくりとする。
想像だけではない。そんな義母さんこそが、今の俺であり、俺は、義母さんが感じること全てを、得ることが出来るのだ。
股間へとちん○んが入り込み、クリトリスが圧迫される。
尻穴が大きく広げられ、太い物が入り込んでくる。
背後から、男の手のひらによって乳房が揉みしだかれる。
男のものが当たる度に、唇と舌を淫らに動く。
余裕を見せるように、指先が男のものを撫で下ろす。
男であれば、それを見ながらすぐにでも射精をしてしまいそうな、淫らな光景であり、最上の快感だった。
そうしているうちに、前と後ろから激しくちん○んを突き立てられている、体の奥の方が、ずきずきと疼いてきた。
その場所は、クリトリスとも、Gスポットとも違っていた。
膣の奥にあるもの――子宮を俺は、思い描く。
そう思うと、まるで俺の腹の中に、子宮という淫らな生き物が巣くっているかのような気持ちになってきた。
俺の――義母さんの体は、その子宮に支配されていた。
子宮が求めるままに、男のものをくわえ込み、離さない。
まるで、子宮にマインドコントロールされているかのようだった。
考えてみれば、俺の欲望のほとんどは、亜紀子義母さんの体が生み出すものなのだ。
その奥にある子宮に感情を、欲望を、思考を支配されても、不思議ではない。
むしろ今は、その子宮の欲望を受け入れることこそが、自然なことだと思うようになってきていた。
その子宮が求めているものは、ただ一つ――男の精液だった。
俺は、促されるままに腰を動かして、男の精液を一刻も早く、絞り出そうとする。
「ああ、欲しいっ、欲しいっ! 精液、欲しいぃぃっ!」
「出しますよっ! 亜紀子さん、出しますよ」
「お願い、来て、来て、来てぇっ!」
俺の腹中で、獲物を前にした動物のように、子宮がひくひくと動く。
「イクぅ」
「んあぁぁ!」
どばぁっ、と俺の中へと、精液がぶちまけられる。
待ち構えていた獲物を捕らえた子宮は、口を大きく開いて、びゅくり、びゅくり、と男の精液を飲み込んでいく。
動いているのは子宮だけではない。
膣襞もうねうねと動き、陰茎の中に残っている精液を、少しでも多くと、吸い上げていくのだった。
そんな貪欲な動きも、今の俺には快感の動きとして感じられた。
精液を得た子宮は、なおもその欲望を止めることはなかった。
もっともっと精液を、と俺の中で暴れ、俺を狂わせる。
「お願い。精液、もっともっと欲しいの」
自然と、甘えるような声が出る。
男の俺だったら、それだけで勃起するような艶っぽい声だ。
それに刺激されたのか、ついさっき俺の中で射精したばかりの中年のちん○んは、まだ固くなる前に、もう一度、びくり、と反応した。
「あはっ、おちん○ん、また大きくなった」
俺は、風船屋で風船が膨らむのを見た女の子のような、無邪気な、それでいて淫らな歓喜の声を上げる。
「ちょうだい、ちょうだい。精液、もっとちょうだい」
「ああ、奥さん。俺も、出しますよ」
背後から、俺の尻穴へとちん○んを入れていた男が叫んだ。
同時に、どぴゅぅ、とした固まりが、俺の尻穴の奥へと流れ込んでくる。
もう精液のことだけで一杯になっている頭は、尻穴からも精液が吸収できるのではないかと言うぐらいに、淫らに反応した。
「ああ、良いっ。ケツま○こ。良いっ!」
「ああ、亜紀子さん。俺も……」
俺の口中へと、精液が吐き出される。
それを俺は、ひとしずくも残さずに、ごくりと飲み込んでいく。
熱い塊は、食道を通って、胃へと落ちていく。
まるで、胃の中が子宮になったかのように、体中が精液に対して、敏感に反応をしていた。
「ああ、あは……」
俺の声ではない、別の女の人の喘ぎ声が聞こえてきた。
ちらりと見ると、理彩子さんら4人が、レズパーティを開いている。
理彩子さんと由紀さんは、自らの股間を相手の股間へと押し当て、お互いのクリトリスを擦り合わせている。
詠美さんはペニスバンドを付けて、香澄さんを背後から犯している。
さっきは俺も当事者だったけれど、こうやって改めてみると、女同士で快感を求める様は、軟体動物が体を絡めて性交するようで、貪欲だな、と思う。
そして同時に、ここにいる4人の男を、俺が独占してしまっているのだ、とも思う。
「お願い、おちん○んもっと欲しいの。精液欲しいの。わたしにかけて、ぶちまけてぇ」
俺は、がくがくと腰を動かした。
すると、さっき射精したばかりのちん○んが、またしても、ぶわり、と大きく膨らんだ。
「亜紀子さん。出しますよ」
「来て、来て、思いっきり出してぇ!」
俺は全身を震わせ、髪の毛を振り乱せる。
そして、ぐいっ、と腰を押しつけると、
どぐぅっ、と俺の中へと、精液が流れ込んできた。
「あはあぁぁっ!」
開いた子宮口へと、亀頭の先が当たってきて、子宮口をさらに押し広げる。
そして、その奥にある子宮へと、精液が、どぴゅどぴゅと流れ込んでくる。
俺の背中が、ピンとのけぞる。
同時に腰は男へと密着させ、わずかな隙間すら作らないようにする。
「あは、ああぁ……」
全身が、びくん、びくん、と跳ねる。
精液を浴びたことによる、歓喜の震えだ。
それでもまだ精液が欲しかった。
子宮には二度も射精をされ、密着している股間の隙間からは、入りきれなくなった精液が溢れ出ているのが、とても惜しく感じられる。
「お願い。もっと精液浴びせかけて、どこでも良いから、精液、欲しいの」
その途端、俺の顔面めがけて、白い精液が浴びせかけられた。
「ああぁっ!」
パックのように精液を掛けられて、俺はイッてしまった。
がくり、と全身から力が抜ける。
「まだまだですよ」
後ろから、肩を掴まれて、上体を反り上がらせられる。
そして尻穴へと、再び射精をされる。
「んああぁぁぁっ!」
またしても俺はイッてしまった。
顔射、そして尻穴と、本来は性器でない部分で、絶頂へと達してしまったのだ。
凄いや、義母さんの体って。
「もう一度」
さっきまで、俺が手で扱いていた男が、俺の胸めがけて、精液を飛ばしてくる。
「ああ……また……イクぅ……またぁ……」
今度は胸でイッてしまった。
俺の顔、胸元、尻穴、膣へは、精液が一杯だった。
顔へかかった精液は、どろりと垂れて、肩へと落ちる。
精液まみれの俺。
精液まみれの亜紀子義母さん。
そんな状態が、堪らない快感だった。
これがいつまでも続けば良い。
いつまでも、何度でも、どこへでも、精液が欲しい。
俺の歓喜を代弁するかのように、遠くの方では、レズプレイをする女性4人の喘ぎ声が、いつまでも聞こえてくるのだった。
そして、自分自身の喘ぎ声も、遠くの方で耳にするのだった。
俺は、墜ちていった。
第5章「最後の相手は……」
気絶している間にも、俺は体を弄ばれていたらしい。
「ああ、んああぁ……」
最初に気付いたのは、自分の口から漏れる、義母さんの喘ぎ声だった。
俺は俯せになって、後ろからちん○んを挿入されていた。
「ああん、良いっ、もっと、深く突いて、激しく突いてぇ」
俺が喘ぎ声混じりの声を漏らすと、俺の頭には、義母さんのいやらしい声が響く。
「ああ、亜紀子さん。亜紀子さんの体は、最高だ。もう何度射精したことやら」
後ろの方から、男の呻き声が聞こえてくる。
そんな時、
「母さんっ!」
リビングのドアが開くなり、そう声を上げて入ってきたのは、「俺」だった。
「よ、義隆君……」
突然のことに、理彩子さんらが声を上げる。
それはそうだろう。母親とセックスをしていたら、いきなりその息子がやってきたのだから。
驚いたのは、俺も同じだ。ひょっとしたら他の人以上に驚いたかもしれない。
なにしろ、「俺」の中に入っているのは、亜紀子義母さんなのだから。
いったい何をしに来たんだろう……?
「驚かせてすみません。でも、俺、知ったんです。義母さんは、俺とセックスしたいのを我慢するために、ご近所の皆さんとセックスをしているってことを」
そ、そうなのかね、と誰かが声を上げた。
そんなことだったとは、俺も知らなかった。
俺らをよそに、「俺」は言葉を続ける。
「俺、そんなの、我慢できません。義母さんは、俺のものです。他の誰にも渡しません」
言うなり「俺」は、つかつかと走り寄ってきて、俺を抱きしめた。
「あ、あの……義母さん?」
俺は小声で義母さんに囁く。
「しっ。今はあなたが亜紀子でしょ」
小さく「俺」が答えてきた。
「義隆君と入れ替わってから、沙織さんとセックスしたんだけれど、男の快感って強烈ね。それで、何度も何度も射精してきたんだけれど、そのうちに、男の欲望って言うのかしら。相手の女性に快感を味わわせたいと思うようになってきて。それだったら、わたしの体を相手にするのが一番手っ取り早いってことで、やってきたの」
ぼそぼそと、「俺」がそう言ってくる。
言われてみると、そうかもしれないな、と思う。沙織姉さんや義母さんの体になって、男とはまるっきり違った絶頂を何度も体験してきたけれど、男と女の快感は、どっちが強いかって比べられるもんじゃなくて、別の種類って言った方が良いんだろう。
相手の女を満足させたいってのは、まだ童貞の俺には、理解出来ないけれど、俺が、ついさっきまで体験していた乱交プレイを、義母さんは女の体で何度も体験しているんだ。それがいきなり男の体になって、男の欲求――それも若い青年の満たされぬ欲求ってやつを知れば、女とセックスしたくなるのは当然だ。
義母さんの言う通り、どこが感じるのか知り尽くした自分自身の体相手にセックスしてみたいってのも、分からない訳じゃない。
そんな考えの後、俺はどきりとする。
この体の持ち主である亜紀子義母さんが、俺とセックスするというのだ。いったいどれほどに強烈な快感を与えてくれることだろうか?
だから俺は、義母さんの言葉に乗ることとした。
「ええ、そうよ。わたしは、義隆君のことが好きなの。義理の息子だけど……ううん、義理の息子だからこそ、好きで好きで堪らないの」
言いながら、俺の台詞に演技感が増してくる。
しゃべっているうちに、フランス書院の黒背文庫を読みつつ、それを亜紀子義母さんに当てはめていたことを思い出す。
俺は、亜紀子義母さんに、こう言ってもらいたい、という言葉を続ける。
「義隆君。わたし、義隆君のことが大好きよ。だから、わたしの体を自由にして。わたし、義隆君のおちん○んで気持ち良くなりたいの」
「義母さん。俺も義母さんのこと、大好きだよ」
言って「俺」の顔が近づいてくる。
潤んだその瞳を見ていると、義母さんもひょっとしたら、本当に俺とセックスしたかったんじゃないかと思えてくる。
「どうも我々は、邪魔のようですなあ」
俺たちのことを見ていた男の一人が声を上げた。
「そんな、邪魔じゃありません。むしろ、俺たちが初めて一緒になることを、見届ける証人になってください。俺たちのこと、祝ってください」
「ははは、義隆君も積極的だなあ。それじゃあ、我々は見物させてもらいましょうか」
言った男を先頭にして、理彩子さんら全員が、ソファーへと座った。
「義母さん……」
そう呟いて、「俺」の顔が迫ってくる。
俺は無意識に、瞳を閉じた。
唇へと、熱いものが当たってくる。
首筋へと、腕がまかれ、後頭部へと男の太い指先が当たってくる。
「ん……んふ……」
俺の中へと入ってきている舌先は、すぐさま俺の舌へと絡みついてきた。
体を預けるようにして、巻き付いてくる舌へと、俺は反応する。
「ん……」
びくり、と体が震えた。
キスが、こんなに気持ち良いだなんて、知らなかった。
沙織姉さんと体を入れ替えてエッチした時にも、キスが気持ち良いと思ったけれど、今はそれ以上だった。まるで、全身を同時に舐め回されているかのような、体を揺さぶられるほどの気持ち良さだ。
鼻息が自然と荒くなり、触れあった唇から、溜息が漏れる。
キスだけで、体がとろけるようになり、全身の力が抜けていく。
体育座りの格好をしている俺が後ろに倒れそうになるのを、「俺」が腕に力を入れて支えてくる。
それと同時に、顔は上向きにされて、持ち上がった唇へと、「俺」の唾液が流し込まれてくる。
ねっとりとして、口の中全体に広がっていくような、フェロモンが感じられた。
媚薬が混じっているかのような唾液に、俺の興奮はますます高ぶっていく。
すでに乳首とクリトリスはビンビンに勃起していて、割れ目からはアヌスへと愛液が垂れ落ちていく。
こくり、こくり、と飲み干していくけれど、飲みきれなかった唾液は、口元を伝って、あごへと垂れていく。
そんな唾液を追うようにして、「俺」の唇が、俺から離れて、首筋へと向かっていく。
「あは……」
口を開放された俺は、深呼吸をするように、溜息を漏らす。
首筋の敏感な部分を厚い唇が辿っていくと、俺の体が、びくん、びくん、と震える。
唇の合間から伸びる舌先が、俺の首筋を何度もくすぐっていく。
その度に俺は、首筋だけでこんなにも感じるものなのか、と驚かされる。
ちらり、と目を開くと、「俺」の顔があり、俺の首筋へとキスの愛撫を続けているのが見える。
舌先が少しでも動く度に、俺は切なく声を上げてしまう。
まるで俺が、セックスのテクニシャンになっているかのように見えた。
感じる部分を、1センチの狂いもなく、着実に責め立て来る。
唇と首筋にキスをされているだけなのに、俺はセックスをしているかのような錯覚に捕らわれる。
挿入されるのなんかとはまるっきり違った、敏感な義母さんの体と、その場所を知り尽くした「俺」の組み合わせだけがなせる、隠された快感の追求とでも言ったような、プレイだった。
俺の全身が、「俺」の愛撫に敏感に反応する。
乳首はこれ以上ないってぐらいに固くなって、おっぱいも張り出したように大きくなっていて、股間からは、愛液がだらだらと流れていく。
クリトリスも、まるでちん○んと同じぐらいに、勃起しているのが感じられる。
刺激される度に、全身が敏感になっていき、さらなる刺激を求めていく。
そんな俺の求めに応じるように、首筋へと巻き付いていた手が、俺の乳房へと伸びてきた。
「あふぅっ!」
声を上げてしまったのは、いきなり強く、乳房を握られたからだった。
見下ろすと、膨らんだ義母さんの乳房が、俺の手のひらに、鷲掴みにされている。
そんな乱暴な男の行為を、義母さんの乳房は、やさしく受け入れていた。
五本の指先全てを受け入れるようにして、その柔らかい乳房の形を変えつつも、母性をもって抱きしめるように、しっとりとした弾力で押し返している。
「ああ、義母さんのおっぱい。柔らかくって暖かくって、気持ち良いよ」
興奮した口調で、「俺」が言ってくる。
「どう? 義母さんも気持ち良い?」
「ええ、気持ち良いわよ。義隆君の手のひら、とっても気持ち良いわ」
優しげな義母さんの声が、俺の口から漏れる。そんな声を聞いていると、改めて、今の俺は、義母さんの体なのだな、と思う。そして同時に、その体にどんなことも言わせられるんだ、と思う。
「好きよ。わたし、義隆君のこと大好きよ。だから、わたしのおっぱい、好きにして良いのよ。揉んでも良いし、吸っても良いし」
「ありがとう。義母さん」
言って「俺」は、乳首へとむしゃぶりついてきた。
「んああぁっ!」
舌先が乳首の先端を突っついて来つつ、歯の先で乳首を甘噛みしつつ、唇で乳輪を舐め回してくる。
電気の走るような刺激が、乳首から俺の頭へと伝わってくる。
途端、俺の頭は真っ白になった――
「はぁ、はぁ、はぁ……」
どれぐらいの間か、俺の意識は飛んでいて、快感だけが体中を漂っていた。
気を失いそうになって、俺は息を荒げる。
「義母さん。イッちゃったんだね」
その通りだった。
乳首への刺激だけで、俺は軽くイッてしまっていたのだった。
「俺、嬉しいよ。義母さんが、気持ち良くなってくれて」
喋り終えるなり、唇はまたしても俺の乳首をついばんできた。
「ああん、良いっ、義隆君の口で、わたし、イッちゃうぅっ!」
遠のく意識の合間に眼下を見ると、「俺」が義母さんの乳首へと吸い付いていた。
それを見ていると、不思議な感じがしてきた。
もっともっと吸って欲しくて仕方がない。
セックスの気持ち良さとは違った、むしろこっちの方から快感を分け与えたいと言う気持ちなのだ。
ひょっとして、これって母性愛って奴なのかな? と思う。
試しに俺は、「俺」の頭を撫でてみた。
答えるようにして、ちゅぱっ、ちゅぱっ、と乳首を吸う音が激しさを増す。
俺は、赤ん坊の頭を抱えるようにして、「俺」の頭へと手のひらを添える。
優しい、気持ちだった。
それだけで、心が落ち着くような、いつまでもこのままで居たいような気持ち。
女の体だけが味わえる気持ちに浸っているうちに、俺はセックスの快感とは違う心地良さへと、どっぷりと落ちていったのだった。
ちゅぱっ、ちゅぱっ、と乳首が音を立てて吸われている合間に、「俺」の右手は、俺の腹部をさすってきていた。
そのまま、足の付け根を探すようにしてから、ふとももへと伸びていく。
「ああ……」
性感帯とは少し違う、あまり触れられることがないために過敏になっている、ふとももへの刺激に、俺は声を上げる。
ちらりと見下ろすと、義母さんのむっちりとしたふとももの上を、無骨な「俺」の手が上下に移動して、撫で回している。
その度に、腕で雪をかき集めるように、柔らかいふとももの肉は手でこね回され、手が進む方へと集まっていく。
大事なものを触るかのような「俺」の手つきは、その感触がいかに気持ちの良いものかを物語っているようだった。
「ねえ、わたしのふともも、気持ち良い?」
「うん、義母さんのふともも、柔らかくって、すべすべしていて、気持ち良いよ」
「そう。ありがとう」
成熟した女性を表す部分を誉められて、俺はあらためて、今の自分は義母さんの体なのだ、と実感した。
ふとももを擦られているうちに、俺はその中心部分が熱く、疼いてくるのが感じられた。
触られていなければ、もじもじと両足を揃えて擦り合わせたくなるような、感じ。
肝心な場所をうかがうようにして、焦らされているような、感じ。
もっと中心を触って欲しいという、感じ。
「ねえ、お願い……」
「お願いって、何?」
いたずらっぽく、「俺」が顔を覗き込んでくる。
「義母さんのアソコ、触って欲しいの」
「アソコってどこ? ちゃんと義母さんの口で言ってくれないと分からないや」
「あの……わたしの、おま○こ、触って欲しいの」
「ふふふ。義理とは言え、息子におま○こを触って欲しいって言うだなんて、いやらしい義母さんだなあ。
でも、そんな義母さんのいやらしさ……俺は好きだよ」
言うなり、「俺」は口づけをしてきた。
これは完全に不意打ちだった。
前戯のキスとは違った、アイコンタクトとでも言うような、軽いやりとり。
口づけは一瞬で、唇が触れあっただけで終わったけれど、俺の心には、きゅん、とした感情が点った。
「それじゃあ、遠慮無く行くよ」
言うなり「俺」は、二本の無骨な指を、俺の中へと入れてきた。
「あひっ、ああん、義隆君の指、入ってくるぅ……」
これまでの乱交プレイで、すっかりほぐれきった俺の割れ目へと、人差し指と中指の二本が、ずかずかと侵入してくる。
「すごいや。義母さんの中、色々な汁が混じり合っている。義母さんの出した愛液が多いのか、それとも入れられた精液の方が多いのか……どっちも多すぎて、ぐっしょりしていて分からないや」
入れられた指先は、バタ足をするように、俺の中を掻き回していく。
「あはっ、やはぁ!」
俺の膣が、指に合わせてうねる。
指先を広げられれば、膣内に広い空間が出来、二本の指がねじられれば、まとわりつくように膣襞が絡みつく。
「義母さんの中、どろどろしている」
亜紀子さんの言う通り、指先で弄られている膣口からは、さっきまでの乱交で流し込まれた精液が、だらだらと垂れ落ちていた。
最初は精液の色に染まっていた、淫水も、やがては新たな刺激に影響されてか、愛液の方が増えてきて、透明に近くなってきていた。
「ふふふ。義母さん、濡れっ放しだね。これじゃあ、綺麗にしようとしてもきりがないや」
言って楽しそうに「俺」は笑う。
「それじゃあ、こんなことをされたら、義母さん、どうなっちゃうだろう」
いたずらっぽく俺の顔を見詰めながら、俺の中に入っていた指先が揃えられ、膣襞の上辺りを擦り始めた。
はうっ、と俺の中で新たな刺激が湧き起こる。
気持ち良いには違いない。ただ、気持ち良いだけじゃないのだ。
おしっこを漏らしてしまいそう、そんな感覚が混じっているのだ。
「な、や、なに、これ?」
「Gスポットだよ。これまでに経験しなかった?」
「それは経験したけれど、あの時とはまるっきり違う……」
尿意を感じつつ、俺は冷や汗を垂らしながら答えた。
そうなのだ。レズプレイの際にGスポットを刺激された時とは、まるっきり違うのだ。
あの時には、より気持ち良い場所を触られている感じが主だったけれど、今は、尿意を伴った快感という、これまでになかった感覚、しいて言うなら、男の射精に近いような快感なのだ。
「そりゃあ、自分の体だもの。どうすれば一番感じるかは、わたしが一番よく分かっているわよ」
俺の耳元で、義母さんが囁いてくる。
「膣ってのは、柔軟に出来ているのよ。だから、こんな激しいことをしても……」
「うぁあっ!」
中に入っている「俺」の指先は、俺の膣を掻き出すようにして、激しく前後に動いた。
体が、内側から膨れあがるような感じだった。
「や、あはっ、そ、そんなことされたら、変になっちゃう!」
「良いんだよ。義母さんには、もっともっと気持ち良くなって欲しいから。もっともっと変になって欲しいから」
びちゃ、びちゃ、という汁気たっぷりの音が、俺の股間から漏れていく。
そのうちに、男の射精に近いものが湧き起こってきた。
「あ、あ、なんか、変、あそこが変だよ」
俺の言葉を無視するように義母さんは、指責めを続けてくる。
「あ、あ、あはぁっ!」
俺の股間から、大量の液体が噴き出た。
これって、潮吹き……
男の時の射精感と、ちょっとした虚脱感が俺を襲う。
潮吹きはさっきも体験したはずなのだが、それとはまるっきり違っていた。それこそ、壊れた水道のように、びちゃびちゃと透明な液体が俺の股間から溢れていくのだ。
それと同時に湧き起こる、射精の時のような開放感。
女の体で味わうことなんて無いだろうと思っていた感覚が、俺の股間に湧き起こる。
そんな俺の股間へと、「俺」は顔を近づけていく。
当然その顔には、俺の吹いた潮がかかるのだが、むしろ嬉しそうにそれを浴びていく。
AVで見る、顔射をされて喜ぶ女優を見ているかのようだ。
もっともその顔が俺のものだってのは、ちょっと興奮を冷めさせるけれど。
なおも指を前後に揺さぶっているのに加えて、義母さんは、クリトリスへと唇を重ねてきた。
小さな突起へと吸い付いたかと思うと、いきなり吸い上げてきた。
「あひっ、んあぁっ、あはぁー!」
壊れたオモチャのように、俺は全身をがくがくと震わせつつ、股間からの刺激に耐えようとした。
しかし、すぐにそれは無駄だと分かった。
クリトリスと膣、両方から伝わってくる大波は、俺の体を、そして意識を飲み込んでいく。
海に出て、大波に体をさらわれるようにして、俺は全身がひっくり返るかのような、快感の波を受け止める。
股間しか触られていないのに、全身ががくがくと震える。
神経を通じて、頭の中が掻き乱されるようになる。
「ああ、あは、ああーーー!」
俺は、またしても気を失ったのだった。
「……義母さん、義母さん」
無骨な指先が頬を撫でてくる感覚に、俺は意識を取り戻した。
目を開くと、「俺」が優しいまなざしで見つめてきている。
俺らしくない表情だな、と思ってから、優しいと思った理由に気付いた。
その表情には、いつも義母さんが見せてくれる、思いやりのこもったような気持ちがこもっているのが感じられるからだった。
以前、風邪を引いて寝込んでいる時に、看病してくれた時と、同じ表情だ。
「義母さん……」
呟いてから、口から漏れる女の声に、俺は今は義母さんの体になっているのを思い出した。
「ああ、わたし、また気絶しちゃったみたいね。ごめんなさいね」
「謝ることはないんだよ。気絶するぐらい感じてくれて、俺、嬉しいよ」
言って「俺」はにこりと笑う。
好青年を思わせるような、さわやかな笑顔だった。
「さて、それじゃあ機を取り戻した所で、続きをやろうね」
言って「俺」は、俺の両足を掴んで、下半身を持ち上げる、いわゆる、まんぐり返しをしてきた。
足の向こうに見える「俺」の顔からは、優しさもさわやかさも消えていて、欲望を満たそうという顔に変わっていた。
獲物を狙う肉食動物のような鋭い目つきに、俺はどきりとする。
さっきまで味わった以上のことをされる。
もちろんそこには、さっき以上の快感があるはずだ。
両足が左右に広げられ、肉襞が左右に引っ張られるようになっている所へと、「俺」は腰を器用に動かして、入り口へとチ○ポを近づけてくる。
充血してぱんぱんになった亀頭が、俺の割れ目へと当たってくる。
俺の愛液を潤滑油の代わりに塗すようにして、二度、三度と亀頭から竿にかけてを擦りつけてくる合間に、すっかり勃起した俺のクリトリスが、チ○ポに押しつぶされ、ずきりとした刺激を伝えてくる。
擦りつけられているうちに、もう、我慢できなくなってきた。
割れ目からは、熱くてとろとろとした粘液が溢れ出していて、俺の尻穴まで垂れ落ちているのが分かる。
割れ目の奥では子宮がずきずきと疼き、早くどろりとして熱くて臭い精液を浴びせかけられたいと叫んでいる。
「お願い、義隆君。焦らさないで、入れて。義母さんのおま○こに、義隆君のチ○ポ、早く入れて」
そんな甘ったるて艶やかな俺の声に、「俺」は声では答えずに、にやりと笑った。
「あぐぅっ!」
いきなりだった。
割れ目の中心へと当たったチ○ポは、ぐいっ、と俺の中へと入ってきた。
そのまま、体を貫かれてしまうんじゃないかってぐらいの快感。
欲しかったもの、足りなかったものが、一気に満たされる。
それだけで俺は……達してしまった。
頭の中が真っ白になる。
体中の力が抜けていく。
膣口の中が満たされる。
子宮が押し上げられる。
密着していた「俺」の体は、さらに一押しをしてきた。
「んああぁっ!」
がくり、と全身の力が抜けて、落下していくような感覚が湧き起こる。
びくり、びくり、と痙攣をするように、体が勝手に反応する中で、俺は絶頂の中で、ぼんやりとしていた。
「あはぁ、あぁ……」
「義母さん、またイッちゃったんだね」
いたずらっぽい顔つきで、「俺」が覗き込んでくる。
「うん。わたし、また……」
「そういうのを、イキ癖が付くって言うんだよ。そうなるともう、イキっ放しってやつになっちゃうよ」
イキっ放し……
快感に埋め尽くされた頭に、そんな言葉がぼんやりと浮かぶ。
男にはあり得ない感じ方。
男の時だった知識には無いことを言われて、俺の中に好奇心が膨れあがる。
そんな、未知への想像は、一気に現実のものへとなった。
がくり。
深々と埋め込まれたチ○ポを、「俺」はさらに奥深くへと勧めてきたのだった。
「ああぁぁーーーっ!」
またしても、頭の中が真っ白になり、快感の雲の中を、俺の意識は漂っていた。
まるで、ジェットコースターに乗っているようだった。
上りと下りが絶えず続き、休む暇が無いという奴。
深々と埋め込まれたチ○ポが、今度はゆっくりと引き抜かれていく。
その様子は、俺の膣を通じて、はっきりと感じることが出来た。
充血し、えらばった雁首が、俺の膣を掻き回していき、じわり、じわりとした刺激を与えてくる。
絶頂にまでは至らないけれど、焦らされるようなもどかしさは、次に来る高まりのことをもったいぶっているかのようだった。
「ほらっ」
ぎりぎりまで引き抜かれたチ○ポが、再び俺の中へと、勢い良く入ってきた。
「ああぁぁぁぁ!」
がくり、と全身の力が抜け、エネルギーが熱に変換されるかのように、俺の全身にあった力は、快感へと変わっていく。
まるで、チ○ポが魔法の棒で、俺の中にある全てのものを、快感へと作り替えていくかのようだった。
さっきと違って、今度の挿入は激しかった。
ピストン運動という言葉がふさわしいぐらいに、「俺」は腰を前後に激しく振り立てて、俺の中を掻き回していった。
その一突き一突きの度に、俺は気を失ってしまうほどの絶頂を感じるのだった。
これが、イキっ放しって奴か、と思う。
いや、思うというよりも、思い知らされていると言った方が良い。
その動きも段々と巧みになってきていた。単にピストン運動をするのではなく、のの字を描くようにして、俺の中を掻き回していくのだ。
膣口がチ○ポで広げられ、掻き乱される。
イキっ放しになっている間、男とは違って、女の快感は体の中に溜まっていく。
義母さんの肉体は、底なし、という言葉がふさわしいぐらいに快感で満ちていく。
「ああ、こんなのって……やあ、変になっちゃう……」
「それじゃあ、もっともっと変にしてあげるよ。義母さんの中に、俺の精液を注いであげる」
「え、それは……」
今さらながら、改めて近親相姦との言葉が思い浮かんだが、もうそれを押さえる理性は無かった。
「欲しい、欲しい、義隆君の精液、欲しい!」
「じゃあ、義母さん。イクよっ!」
言って「俺」が腰を突き上げると、俺の中へと、深々と入ってきた亀頭が、ぶわりと膨らんだ。
子宮口に押しつけらた鈴口から、ぶわっ、と精液が俺の中へと溢れ出してくるのが感じられた。
「ああ、入って、くるぅ……」
どろどろとした熱い塊が俺の子宮を満たしていくのを感じながら、俺は眠り居るようにして、快感へと落ちていったのだった。
意識を取り戻したのは、身体がひっくり返されて、俯せにされるのを感じてのことだった。
ベッドに顔から胸元を押し当てられ、反転された勢いで両足が広がると、割れ目の間から、どろりとしたものが流れ出ていくのが感じられた。
「ふふ、義母さんのおま○こ、精液まみれでヒクヒクしてる」
義母さんの言葉通り、股間では割れ目の部分に心臓があるかのように、ひくり、ひくり、と開いたり閉じたりを繰り返しているのが感じられる。
股間から伝わってくる感じは、酸素が少ない時に、口をぱくぱくとさせる金魚のようで、下の口は、空気の代わりに精液をもっともっとと求めているのが分かる。
義母さんの身体――今の俺の身体、いやらしい、メスの身体だな、と思う。
欲しがっているのは股間だけじゃない。
今は割れ目の下にあるクリトリスは、溢れ出てくる精液を浴びて、まるでスコールで渇きを癒すかのように、ヒクヒクと勃起している。
乳首もビンビンに勃っていて、興奮して一回りは大きくなっている乳房に圧迫される中で、その存在感を示している。
性器だけじゃなく、肌全体も新しい刺激を求めていて、空気が触れてくるだけでも、繊細な愛撫のように受け取っている。
ただ、身体を動かすことが出来なかった。
全身には、快感ばかりが漂っていて、身体が言うことを聞かないのだ。
それよりも、このままに、どろどろに身体が溶けてしまうんじゃないかってぐらいに、今の俺は快感の余韻に熱せられている。
そんな力のない下半身が、義母さんの手で持ち上げられた。
「あん……」
振り返ってみると、持ち上げられた俺の白い尻の合間を、まじまじと見つめている「俺」の姿があった。
その顔は、毎朝洗顔室で見る俺の顔とは違って、欲望にまみれたものだった。
まさに、獲物を前にしたオスそのものだった。
「義母さん……」
そう言って「俺」が俺の尻へと顔を近づけてきた。
「きゃぅん!」
尻からやってきた刺激に、俺は少女の様な、小さな叫び声を上げてしまった。
粘膜と唾液にまみれた柔らかい舌が、俺のアソコを舐めている。
俺の、アヌスを。
これまでに、アナルの快感も経験してきたけれど、今回はそれとはまるっきり違っていた。
まずなによりも、その舌を這わす場所が的確なのだ。さっきのセックスと同様に、自分の感じる場所が分かっているからなんだろうけれど、周りを舌先でほぐして穴を緩めてから、だんだんと中へと入ってくる感覚は、いきなりま○こにちん○んを入れられるのとはまるっきり違った、スローテンポで、そして焦らしのこもった責め方だった。
それになにより、俺の尻穴を舐めているのが「俺」だってことが、俺の興奮を高めていた。これまでに俺は、義母さんをオナニーのおかずにして色々と想像してきたけれど、アヌス責めはその中になかった。想像を超えるようなことを、今の「俺」が、俺に向かってしているのだ。
義母さんの触れてはいけない場所に触れている興奮と、触れられて欲しい場所が的確に刺激される興奮に、俺は酔っていた。
「義母さん、すっかりほぐれたみたいだね。それじゃあ、こっちにも入れるよ」
俺の腰が、ぐいっ、と持ち上げられる。
両方の尻へと当てられた男の両手は、尻穴を広げるようにして、左右へと引っ張っているのが感じられる。
一瞬、部屋の空気が、尻穴へと入ってくる。
そんなライトな感覚を打ち破るようにして、熱くて太いものが、俺の尻穴へと押し当てられた。
「義母さん。一気に行くよ」
ずぶりっ
本来は排泄をするはずの場所へと、逆流するかのように、男のものが入り込んでくる。
「あふっ!」
逆流が口元まで上がってきたかのように、俺は小さな声を上げた。
「ああ、すごいや。義母さんのお尻の穴、おま○ことはまるっきり違うよ。
きゅうきゅう締め付けてくるよ。
それに、こっちの方が襞々がきめ細かい感じがする」
「俺」が言う通り、尻穴の感覚は、おま○ことはまるっきり違っていた。
やはり何よりも、本来は出すための場所に、無理矢理に入れられているのだ。背後から押し寄せてくる圧迫感は、おま○こ以上だった。
それに、後背位で挿入してくる位置がおま○こよりも上のために、俺の尻へと「俺」の足が、がんがんと当たってきて、その力強さを伝えてくる。
「すごい、義母さんのお尻、まるで処女のおま○こみたい」
その言葉に、俺はどきりとする。考えてみれば、ついさっき「俺」の身体は、義母さんと初体験をした上に、今度はお尻の方でも初体験をしているのだ。今は「俺」になっている義母さんにしても、新鮮な気持ちだろう。
そんな、義理の母と息子が結ばれる様子を、俺は母親の側から体験するなんてことになっているんだ。
「ああ、義母さん。動くよ」
ゆっくりと、「俺」の腰が引かれていく。
途端、俺の下半身から、感じ慣れた快感が湧き起こった。
排泄の時の、開放感だった。
全身の力が抜けるようになりつつ、性器としての尻穴は、全身へと快感をばらまいていく。
ぬぷり、
排泄の勢いに押し出されるようにして、「俺」のちん○んは、俺の尻穴から抜け出た。
だが、そんなことでは終わらなかった。
再び腰に手があてがわれ、尻穴へと男のものが入ってくる。
「ああぁんっ!」
今度は、俺の中を味わう間もなく、一気に引き抜かれた。
そして反動を付けるようにして、三度俺の中へと入ってくる。
その繰り返しだった。
俺の頭の中には、アヌスとしての快感と、性器としての快感が混じり合い、そしてそれを足し合わせたものよりも強烈な、和音とでも言ったうねりを伴って、俺を揺さぶっていく。
前へ入れられ、そして後ろへ入れられ、俺はもう、ペニスの奴隷だった。
新たな刺激を求めてか、たまに尻穴でなく、おま○この方へと入れられることもあったが、俺はすぐさま快感へと促されていった。
もう、どうでも良かった。
気持ち良い、それだけで良かった。
「ああ、義母さん。また出るよ。今度は、お尻の穴に出してあげる」
「良いわ、出して、わたしの尻穴に、義隆君の精液、ぶちまけてぇ!」
「イクよっ、イクよっ!」
「あはぁ、あぁん、来て、来て、来てぇ!」
尻穴へと、充血したものが、ぐいっ、と押し込まれた。
俺の中で、それはぶわりと一回り大きくなりつつ、びくん、びくん、と跳ね飛ぶ。
「イク、イク、イクぅ」
叫び声と同時に、俺の中へと、熱い塊がどぴゅぅ、と入ってくるのが感じられた。
身体が前へと飛ばされそうなほどの勢いに、俺はまたしても絶頂に押しやられた。
四つんばいになっているのも無理っぽいほどに、身体の力が抜ける。
身体が、本能が求めるままに、性器が蠢く。
全身が熱くなって、息も荒くなってくる。
そして理性が、振り切れる。
「あああぁぁーーーっ!」
まだ乱れたままの呼吸をしつつ、俺はベッドへと突っ伏していたのだった。
「どうだった。義隆君?」
耳元へと、義母さんが、そっと囁いてくる。
「ああ、やっぱりこの身体の持ち主だけあって、義母さんのプレイが最高だったよ」
「そう。でも、義隆君はわたしの身体には慣れて無くて、負担が大きいだろうからと遠慮しておいたのよ。まだ続けられるって言うんなら、もっともっと弄んであげる。一晩で、一生分の快感を味わわせてあげるわよ」
言って「俺」は、にやりと好色な笑みを浮かべた。
そんな顔を見て、俺は思ったね。
親の顔が見てみたい、ってね。
「あさはは」完
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この作品は、
「月華のTSF工房」http://www.geocities.jp/gekka3/gekka.html
に掲載されたものです。