『小学校裏サイト・ログ05』

作:月華



りょう>ねえ、セックスしてみようよ
あやの>駄目だよ。あたしたちには、まだ早いよ
りょう>だから、俺たちの体じゃなく、俺の兄ちゃんとその彼女の体でするの
あやの>どういうこと?
りょう>幽体離脱薬ってのがあってさ。それを使うと、他の人の体に憑依できるんだ
あやの>憑依ってなに?
りょう>魂だけ体に入って、体を自由に操ること
あやの>そんなこと、本当にできるの?
りょう>できるらしいぜ。だから、それを使って、俺は兄ちゃんに、あやのは兄ちゃんの彼女に憑依してみようぜ
あやの>うーん、どうしようかな
りょう>それじゃあ、明日お前の家に行くよ
あやの>分かった。待ってるね


「ふーん、これが幽体離脱薬なんだ」
彩乃は、亮から渡された小瓶に入った透明な液体を見つめていた。
「ああ、それを飲むと、憑依ができるようになるんだ」
「で、亮君のお兄さんとその彼女に憑依して、セックスしようって訳なんだ?」
「いいだろ。兄ちゃんの彼氏の体でセックスするんだったら、問題無いだろ」
「でも、最初のセックスってのが、他の人の体って言うのは……初体験ってことになるんでしょ」
「いいじゃん。自分の体じゃないんだから、ノーカウントってことにすれば。俺たち、いずれはセックスするんだから、予行演習だと思えばいいじゃん」
「予行演習か……分かった。それじゃあ、やってみようか」
「よっし。今だったら、兄ちゃんの彼女が俺の家に遊びに来ているから、さっそく俺の家に行こうぜ」
亮は、小瓶を手にして、蓋を開けた。
「お前も一緒に飲めよ」
渡された彩乃は、タイミングを合わせるようにして、同時に薬を飲んだ。
途端、ふっ、と体が軽くなり、糸の切れた風船のように、視線がゆっくりと上へと浮かんでいくのが感じられた。
見下ろすと、椅子に座って眠ったようになっている、亮と彩乃の姿があった。
部屋を高い視点から見回してみると、なんとなく、自分の他に誰かいるような気がする。
(彩乃、聞こえる?)
頭の中に響くような、亮の声が聞こえてくる。
(亮?)
(うん。姿は見えなくても、会話はできるみたいだな。テレパシーみたいだ)
声が聞こえてくる場所には何も見えないのだが、なんとなく人の気配のようなものが感じられる。
(それじゃあ、行こうぜ)
言うなり、亮の気配が部屋の窓を抜けて行った。彩乃はそれを追いかけて、亮の家へと向かった。
二人の意識は亮の家へとたどり着き、そのまま亮の兄の部屋へと入っていった。
中には、床に置いたクッションに並んで座り、二人で映画を見ている、兄の剛と彼女の姿があった。
亮の意識が、剛の中へと入り込んでいくのが感じられる。
それに合わせるようにして、彩乃も隣に座っている彼女の中へと入ったのだった。
「彩乃か?」
剛(亮)が、探るような顔つきで尋ねてくる。
「うん、そうだよ」
剛の彼女の体へと入った彩乃が答える。
「ふーん。これが他の人の体に入るって感じなんだ。やっぱり高校生だけあって、あたしたちに比べると、ずいぶんと体が大きく感じられるね」
座っていても、その視線がいつもより高く感じられるし、全身にしてみても、まるで体が膨らんだかのように思えるのだった。
それだけではない。胸元は前へと大きくせり出していて、眼下に膨らみが見て取れるし、その重さも、ブラの肩ひもが引っ張ってくる感触も、初めてのことだった。
「これがおっぱいの重さなんだ」
胸の膨らみに下から手を当ててみると、体の一部が、ぐにゃりと形を変える感触が伝わってくる。
まさに、一瞬にして大人の体になった、という言葉がふさわしいぐらいに、彩乃にとって、今の体は、自分のものとはまるっきり違っていた。
「あ、そうだ。ねえ、この人の名前、なんて言うの?」
「美穂さんって言うんだ。兄さんと同じ、高校三年生」
「そうなんだ。やっぱり高校生のおっぱいって、結構大きいね」
ゴムまりで遊ぶかのように、美穂(彩乃)は、両手で乳房を鷲づかみにして、もみもみと手を動かした。
「Dカップぐらいあるのかな?」
「そうなのか?」
剛(亮)は、興味深げに胸元を覗き込んでくる。
その体つきは、どことなく腰が引け気味だった。
そんな様子を見て、美穂(彩乃)は、ぴんと来た。
「あー、亮、勃起してるんでしょ?」
「そりゃそうだ。女の人が、おっぱい触っている姿なんて見せられたら……」
外見は剛と言えども、中身は亮だ。その彼が自分以外の女を見て興奮していると思うと、ちょっとした嫉妬を感じてしまう。
「ふーんだ。やっぱり亮も、おっぱい大きな女の人が好きなんだ。このおっぱい馬鹿」
美穂(彩乃)は、乳房から手を離して、視界から隠すようにして、腕を組んだ。
「なんだよ。何、怒ってるんだよ」
「別に怒ってなんかいないよ。ただ、亮もおっぱいが好きなんだな、と思って」
「そりゃ俺だって男なんだから、おっぱいは好きだよ。でも、それ以上に、彩乃のこと、好きだぜ」
「……お世辞言っちゃって」
美穂(彩乃)は、ぷいっ、と顔を逸らした。
「なあ、それよりも、せっかく兄ちゃんの体になったんだからさ。早くセックスしようぜ」
「本当に、するの?」
他人の体とは言っても、初めての体験を前にして、美穂(彩乃)は心配げな顔で見つめ返す。
「ああ、しようぜ」
言うなり、剛(亮)の腕が首筋へと絡んできて、唇を重ねてきた。
口元から、じんわりとした温もりと、それと同時に後頭部が軽く疼くのが感じられた。
亮と彩乃は、キスならばしたことがある。ただそれは、スキンシップの延長としての、唇の触れあいと言った程度のものだった。
だが、今は違っていた。
元の体では、まだ若い年齢のため、さほどに体力差も無いのだが、首筋へと絡まってくる男の腕には、青年男子ならではの力強さが感じられる。
それと同時に、小学生よりかはもちろん成長しているが、それはたくましくなったというよりかは、女らしくなったと言える、今の己の体を実感していたのだった。
抱きしめられるままに、男からの唇による愛撫を受け取っていると、その唇の合間から、ぬめりとした舌先が入ってくるのが感じられた。
これが大人のキスなのか、と思いつつ、美穂(彩乃)は、それを受け入れ、答えるようにして、自らの舌を絡めていく。
柔らかい舌先が絡み合い、口中から溢れ出る唾液が交わり合うのを感じているうちに、さっきから感じていた後頭部の疼きはだんだんと甘いものになり、それが、全身へと広がっていくのが感じられた。

両腕で美穂(彩乃)を抱きしめつつ、剛(亮)は、その体格差に驚きを感じていた。まだ小学生では、男女の体格差はほとんどなく、むしろ女子の方が大きいこともあるが、高校三年生ともなると、その差ははっきりと感じられる。
亮の家に遊びに来た美穂を見た時には、やはり高校生は大きいなあ、と思っていたのだが、そんな彼女の体も、たくましさが感じられる男の腕の中に、すっぽりと収まっている。
それと同時に、手のひらへと触れてくるうなじの柔らかさ、腕の中で感じられる肩幅の狭さなど、体格の違いだけでなく、女性の体が持っている、繊細さというものが感じられるのだ。
剛(亮)は、そんな感触をより感じようと、腕に力を込めようとするのだが、もしかしたら、このまま腕の中で壊れてしまうのではないか、という思いすら浮かんできた。
ゆっくりと両腕に力を込めて、美穂(彩乃)の体を引きつける。
唇がより一層触れあうのと合わせて、丈夫な胸板へと、ふにゅんとした柔らかいものが当たってくるのが感じられる。
それは、胸同士が密着しあうのを避けるような弾力感と、貼り合わせるような密着感を、兼ね備えていた。
剛(亮)は、うなじをなぞっていた右手をゆっくりとずらし、背中をさすりつつ、二人の胸の合間へと差し込んだ。
男の胸板に圧迫されていた女の乳房は、脇から入ってきたものを、その柔らかさですんなりと受け入れつつ、弾力を持って応えてくる。
大きな手のひらへと、夏服の薄い布地の感触と、その下にある乳房の柔らかさが伝わってくる。
(おっぱいって、こんなに柔らかいものだったんだ)
当てた指先がめり込んでいくような感触を味わいつつ、剛(亮)は、初めて手にする乳房の手触りを感じていた。
片手に余るほどの膨らみへと、ゆっくりと力を入れて、握りしめていく。
「ん……痛い……」
軽く握ったつもりだったのだが、美穂(彩乃)は、キスをしていた口を離して、そう訴えてきた。
「ご、ごめん」
剛(亮)は指先の力を抜きつつも、手のひらは乳房に添えたままだった。
「おっぱいを揉まれるのって、変な感じだね」
ようやく二次性徴が始まったばかりの彩乃にしてみれば、胸元に乳房があり、それが触られるというのは、不思議な感じだった。
自分の体のような、そうではないような、境界上に、彼女はいた。
「俺は……気持ち良いよ」
その柔らかさや弾力もさることながら、胸を揉んでいること自体に、剛(亮)は興奮していた。
男の無骨で力強い指先が、女の柔らかくて弾む乳房へとめり込んでいく。
包容感に溢れるその感じは、自分が大人の男になって、大人の女の体をまさぐっているのだとも、自分が子供の頃に戻って、母親の乳房を触っているのだとも思えるようだった。
乳房をまさぐりつつ、剛(亮)は、股間のものが、激しく大きくなっているのが感じられた。
勃起や射精ぐらいは、自分の体でも経験していることだが、大人の体で感じる勃起は、パンツの中を一杯にしてしまいそうに思えた。
自分の股間を気にしつつ、剛(亮)は、相手のことも気になった。
女の体は興奮すると濡れると言うが、果たしてどうなっているのだろう?
そう思いつつ、乳房をまさぐっていた右手をさらに降ろして、スカートの中へと入れた。
「あぁん」
手のひらへと、太もものむっちりとした感触が伝わってくるのと同時に、美穂(彩乃)は、小さく声を出し、体をびくんと震わせた。
指をさらに伸ばすと、つるつるとした肌触りの下着が感じられた。
その中心は、乳房とは違った、ぐにゃりとするような柔らかさを持っており、そしてわずかに、濡れているように思えた。

(ああ、そんなとこ、触られたら)
自分以外の指が股間へと触れてくるのは、美穂(彩乃)には初めてのことだった。
ただでさえ、オナニーをする時以上に熱くなり、そして湿り気を帯びている部分へと、他人の指が触れてくるのだ。
自分のものではない指先の動きには、臆病さと、乱暴さと、優しさと、そしていやらしさが入り交じっているように思えた。
股間から伝わってくる感じは、いつもとはまるっきり違っている。同じ女の体だと言うのに、女の子と大人の女では、こんなに違うものなのか、と美穂(彩乃)は思う。
そうなると、相手に触らせているだけでは気が済まない。自分でも見てみたいという気持ちが湧き起こってくる。
「ねえ。下着、汚れちゃうから裸になろう」
いつかは言ってみたいと思っていた言葉を、美穂(彩乃)は口にした。
股間をまさぐっていた男の指が離れていく。
剛(亮)は、着ていた上着とランニングを同時に脱ぎ捨てた。
そこからは、幅の広い、男の胸板が姿を現す。
さらにベッドの上に立ちあがって、ズボンとパンツを一気に脱ぎ降ろした。
それと同時に、全裸になった股間の中央に、大きく勃起したものがそそり立つ。
(すごい……男の人のって、あんなに大きいんだ)
初めて見る男性のものを、美穂(彩乃)は顔を真っ赤にしつつも、まじまじと見つめた。
座っている美穂(彩乃)に見せつけるかのように、すぐ近くにあるものは、そのたくましさを強調するかのように、びくり、びくり、と脈打っている。
(あんな大きなもの……アソコに本当に入るの?)
心では心配するのだが、体は大人のもののためか、股間が物欲しげに疼くのが感じられ、美穂(彩乃)は、そんなちぐはぐは態度に、戸惑ってしまう。
「彩乃も、早く脱げよ」
促されて、美穂(彩乃)は、上着に手を掛けた。
ブラ一枚になった上半身がさらけ出されると、胸元から張り出した乳房の部分が布地に覆われているという、初めての感触が伝わってくる。
胸元を見ると、そこには小さいながらも谷間ができていて、その下を、水色をしたブラが包み込んでいる。
美穂(彩乃)は、ブラを外そうと、後ろに手を伸ばすのだが、手に当たってくるホックをどうやって外して良いのか分からない。
しばらく格闘していたのだが、
「ねえ、亮。ブラ、外してもらえる?」
「いいのか?」
言われた剛(亮)も、初めての経験に戸惑ってしまう。
向かい合ったまま手を伸ばして外すなどと言う知識など持ち合わせておらず、彼女の背中へと周り、ホックへと手を添えた。
「これで良いのかな?」
そんな言葉が聞こえてくるのと同時に、それまで肩ひもへと集中していた乳房の重みが肩全体へ分散し下へと引っ張る感じが強くなるのと同時に、胸元で感じていた重心が、わずかに下にずれるのが感じられた。
スカートとパンツを脱ごうと、美穂(彩乃)は腰を持ち上げて、一枚一枚脱いでいく。
最後に残った靴下も脱ぎ終え、二人は裸のままに、ベッドに座って向かい合った。
お互いの視線が、慌ただしく交差する。
大人である相手の体つきも気になる一方で、同じく大人である自分の体も気になるところだ。
しばらく自分と相手を交互に見つめていた剛(亮)の視線が、最後には一点に集まってきたのが感じられる。
男と違って見えづらい部分であるが、それでも、熱を帯びたような視線を感じるだけで、見られている美穂(彩乃)の股間は、熱くなってくるのだった。

「なあ、アソコ、見せてくれないか?」
そう言った自分の声が、わずかに上擦っているのが、剛(亮)には感じられた。
「うん、いいよ」
恥ずかしさの混じった小さな声と共に、美穂(彩乃)は、おずおずと足を広げていく。
両膝が離れ、太ももが開いていくと、その中心には、複雑に作られた肉の割れ目が見えてきた。
インターネットで無修正の女性器を見たことはあるが、生で見るのはこれが初めてであり、その感じもまるっきり違っていた。
映像なんかと違って、閉じた割れ目が、ひくひくと小さく震えているのが見て取れる。
それだけではない。太ももからは、肌の温もりが伝わってくるし、開いた股間からは、汗ばんだ匂いが感じられる。
「ねえ、わたしのアソコって、どう?」
尋ねてくる美穂(彩乃)に答えようと、その顔をますます股間へと近づけてくる。
顔の両脇にそびえる太ももからは、体が火照っているのを表すかのように、人肌の暖かみが伝わってくるのと同時に、その先にある割れ目もはっきりと見えてくる。
「なんて言うか……真ん中に筋があって、その脇にびらびらがあって……その上に、クリトリスがある」
見たままのことを、剛(亮)は口にする。
「そんなこと言われたら、恥ずかしい」
呟いた美穂(彩乃)の足が、思わず閉じるかのように動くのだが、それは返って、剛(亮)の頭を挟み込み、より股間へと近づけてしまうことになった。
剛(亮)は顔をさらに近づけ、ついには唇を、女性器へと重ね合わせた。
「ひゃぅん!」
いきなりの刺激に、美穂(彩乃)は驚きの声を上げる。
唇で感じる、初めての女性器の感触は、キスの時以上に、生々しいものだった。
興奮の赴くままに、女性の性器へと接吻をしてしまった剛(亮)だったが、そのままでは、女性器を見ることができないことに気付いた。
顔を少し離して、視界へと女性器全体――薄目の感じがするヘアから、その下にあるクリトリス、そしてそこから続く割れ目――を収めつつ、その中心へと、指を伸ばす。
自分の指が小さく震えているのを感じつつ、その先端が、柔らかい部分へと触れた。
「あぁ……」
ぐにゅり、と艶めかしい柔らかさを持った肉が動き、その中心部分が左右へと動くのが見て取れる。
わずかに濡れて感じられる割れ目へと、広げるか広げないかの微妙な力加減で指先を押し当てながら、上下に、つぅぃっ、動かしていく。
「あ、そんなところ……触られたら……」
そう言ってくるものの、割れ目は、男の指で触られていることの悦びを表現するかのように、ひくひくと蠢いているのが感じられた。
割れ目に沿って、指を動かしていると、だんだんとその部分が左右へとほころび、指先がその中へとわずかに埋もれていく。
湿り気を帯びた粘膜が指の腹へとまとわりついてくるのを感じるのと同時に、割れ目から溢れてくる粘液が絡みついてくる。
剛(亮)は、当てていた人差し指を割れ目から離し、じっと見つめた。
他の指とは違い、人差し指の先端だけが、コーティングされたかのように、輝いてみえた。
見入っていた人差し指を口へと近づけて、舌先を伸ばす。
その味は、海から上がった肌を舐めた時のような味がした。

触れていた指先が離れた時、美穂(彩乃)が最初に感じたのは、もどかしさだった。
それまで感じていた、オナニーの時に自らで触れるのとは違う、男の太い指先が無くなると、まるで裸のままで外へ放り出されたかのような気分になった。
(なんだか、切ない。これって、亮が触ってきているから? それとも、これが大人の女の人の体だから?)
自分でも分からない感情を感じつつ、美穂(彩乃)は、自らの腰が、もじもじと動いているのが感じられた。
動いているのは腰だけではない。その中心にある、女性器そのものも、ひくひくと動いているのが感じられるのだった。
そこへ、いきなり未知の刺激が伝わってきた。
「きゃふぅぅ!」
それが、クリトリスへの刺激だとは分かった。
だが、その触れてくる感じは、いつも自分の指で触っているのと、まるっきり違っていたのだった。
叫びと同時に上に持ち上げていた顔を降ろすと、そこには、舌先を伸ばし、クリトリスを舐めてくる剛(亮)の姿があった。
「そんなとこ、舐めたら汚いよ」
思わず声が出ていたが、それでも剛(亮)は、お構いなしに、女性のもっとも敏感な場所を舌先で刺激してくる。
その感触は、自分の指先とは別のものだった。
唾液と舌先の粘膜が絡みついてくる感覚は、指先よりも、どろりとしていて、クリトリス全体へと絡みついてくるかのようだった。
指先とは違う、粘膜同士の接触は、美穂(彩乃)にとっては未知の体験であり、それは同時に、未知の快感だった。
自分でするオナニーと違うのは、舌先の感触だけではない。
オナニーであれば、指先を通してもその感触が伝わってくるし、自分の意識で動かしているという感覚もある。
だが今は、伝わってくるのは、クリトリスへの刺激だけなのだ。
オナニーとは違う、刺激を与えられるだけの状況の上に、その動きも、美穂(彩乃)の意識を離れたものだった。
どう動いてくるか、予想が付かない。
その結果、剛(亮)の舌先の動きに、翻弄されるがままとなってしまうのだった。
「ああん、あはっ!」
電気のように伝わってくる快感に身もだえつつ、美穂(彩乃)は体をくねらす。
そうしているうちに、いつもはクリトリス中心にオナニーをし、それで満足していたはずの股間に、新たな火が点るのが感じられた。
割れ目の辺りが疼いて仕方がない。
彩乃の体では、なかった反応だった。
やはりこれも、大人の女の体だからだろうか、と彩乃は思う。
クリトリスへの刺激が続くうちに、割れ目の疼きはますます高まっていった。
膣口から子宮口へと向かう膣内がひくひくと動き、膣襞がうねるのが感じられる。
炙られるようにして、割れ目から、とろりとした液体が溢れ出ていくのが感じられる。
膣の疼きは、さらに奥へと広がっていく。
膣の奥へと火が点ったようになり、膣の、軟体生物のようなウネウネとした動きとは違う、締め付けられるような、切なくなるような感覚が湧き起こる。
(欲しい……)
美穂(彩乃)の頭に、そんな気持ちが湧き起こる。
何が欲しいのかは、すぐに浮かんでこなかった。
ただ、膣が、子宮が、女の体が、そして女の心が、目の前にいる男に対して欲している。
「お願い……ちょうだい」
そんな言葉が、自然と美穂(彩乃)の口から漏れた。

聞こえてきた言葉は、これまでに見たどんなアダルト動画よりも艶めかしく、興奮を催すものだった。
もはや、剛(亮)のものは、痛いばかりに大きくなっている。
目の前には、その受け口がある。
剛(亮)は顔を離し上体を持ち上げて、男の体では考えられないぐらいに大きく広げられた彼女の両足への合間へと、腰を進めた。
そのまま、股間のものを濡れた割れ目へと突き立てようとするのだが、大きく上へと反り返ったものは、とてもそのままでは、おさまりそうもなかった。
剛(亮)は、固くなっている己のものへと指先を添えて、無理矢理に前へと倒す。
どうにか、その先端が割れ目へと向かったところで、わずかに腰を動かし、濡れそぼった部分へと当てる。
「これで良いの?」
初めてのことに、剛(亮)は、戸惑ったような声で聞いた。
「あたしにも、良く分からないよ」
言われた美穂(彩乃)にとっても、初めての経験であり、何が正しいのか、さっぱり分からなかった。
童貞と処女のようなやりとりが行われてから、剛(亮)は、決心をしたように、腰を進めた。
ちょうど向きがあっていたのか、慎重に入れようとしていた加減を無視して、割れ目へと忍び込んだものは、その中をずぶずぶと入っていく。
「わっ!」
突然の、そして未知の刺激に、声を上げてしまったのは、剛(亮)の方だった。
愛液に溢れて、ぬるぬるとした中を、ペニスが滑り込んでいく。
その様は、まるでペニスが女体へと吸い込まれていくかのようだった。
それと同時に伝わってくる、亀頭から雁首、竿の部分までを包み込んでくる、柔らかい女肉の感触。そして快感。
ペニスを触られているという意味では、オナニーと変わりがないはずなのだが、そこから伝わってくる快感は、まるっきり別物だった。
指先とは異なる、微妙なうねりを伴った襞々が全体へと絡みついてくる上に、その表面には女の体が流す愛液が塗りたくられる。
もしも、今の体が、セックスに慣れた剛のものでなかったら、それだけで射精してしまっていたことだろう。
それぐらい、初体験の快感は、亮にとっては異質であり、特別なものだった。
そんなペニスの快感もさることながら、それ以上に剛(亮)が感じているのは、初めてセックスをしたのだという感動だった。
これまで、オナニーの度に想像してきたことが、ようやく実現となった。
長いこと妄想してきたことの実体は、予想を上回るものだった。
ペニスへだけでなく、彼女の火照った体の温もりが、全裸の体を通じて感じられる。
眼下には、乳房をさらけ出し、両足を広げている女の姿が見える。
時折漏れ聞こえる彼女の溜息は、イヤホンで聴くAVの音とは、まるっきり違っていた。腰を密着させ、彼女の中に深々と入れているペニスからは、うねうねとした動きが感じられる。
まさに、五感を通じて感じる女の体であり、セックスであった。
腰を動かすことを忘れたかのように、彼女の中へとペニスを入れたままの剛(亮)の体からは、全身の肌がしっとりと汗ばんでいくのが感じられた。

(ああ、これが入れられるって感じなんだ)
美穂(彩乃)は、初めて感じる感覚に、むしろ戸惑いを感じていた。
オナニーはもっぱらクリトリスを触って行い、まだ始まって間もない生理については、タンポンではナプキンを使っているので、膣の中に何かを入れるというのは、これが初めてと言っていいほどの体験だった。
彼女を戸惑わせていたのは、その感覚だけではない。
同級生の話や、少女向けの雑誌からは、初体験は猛烈に痛いものだと聞いていた。
だが、そんなものは少しも感じられない。
男のものをくわえこんでいる膣は大きく広がり、圧迫感こそ感じられるものの、痛みは無い。
痛みばかりを想像していた美穂(彩乃)にとっては、拍子抜けしたとも言える感覚だった。
その感覚よりも、男のものが体の中に入ってきているのだ、という感じの方が、強く意識された。
さっき見かけた、手のひらでは握りしめられないぐらいに大きなものが、股間の中にすっぽりと収まってきている。
あんなに大きなものが入っているのか、と想像すると、美穂(彩乃)の膣の中が敏感になり、その大きさが、はっきりと感じられたのだった。
まるで、ペニスを含んだ膣が、腰全体にまで広がっているかのように思えてくる。
伝わってくるのは大きさだけではない。
丸い亀頭、えらばった雁首、脈打つ竿と裏筋、それらの形が、はっきりと感じられるぐらいに、美穂(彩乃)のものは、敏感になってきていた。
「動いて、良いか?」
剛(亮)が、不安げに尋ねてくる。
良いよ、と答えると、体の真ん中に埋め込まれたものが、ずいっ、と引き抜かれていく。
それに合わせるようにして、先端でえらばった雁首が、膣の中の愛液を掻き出すように引っ掻いていき、まるで膣の中に真空が生まれたかのように思えてくる。
膣口を大きく広げた雁首がそのまま抜けて、膣からの刺激がなくなった。
股間では、抑えを失った剛(亮)のものが、大きく上へと、ぴくん、と跳ねあがるのが見えた。
剛(亮)は、気恥ずかしそうな顔をしながら、さっきと同じように、ペニスに指を添えて向きを調節しながら、腰を進めてくる。
「ああん……」
再び、膣口が左右に分かれて、その真ん中へと、押し入ってくるかのように、男のものが埋め込まれてくる。
さっきほどに性急でない分、その感覚をじっくりと感じ取ることができた。
そして美穂(彩乃)は、ペニスが産みだしてくる圧迫感を、快感として感じることができるようになってきた。
(これが、女の人の快感なんだ……)
それは、クリトリスによるオナニーとはまるっきり違っていた。
外からの刺激ではない、体の内側が、満たされていくような感じ。
充実感、という言葉がぴったりのように思えた。
奥まで入った剛(亮)の腰が、ゆっくりと引かれていく。今度はペニスは抜けることなく、再び侵入してくるのだった。
体の中で、ペニスが前後する感覚も、初めてのことだった。
体が内側からぐちゅぐちゅと掻き回されているようで、改めて、ペニスの挿入ということを感じるのだった。
「ああ、気持ち、良い」
自分の口から漏れるその艶っぽい声は、改めて自分が美穂という他人の体にいてセックスをしているのだ、ということを彩乃に実感させた。

剛(亮)は、初めて感じるペニスによる膣の感触と、その快感を味わい続けていた。
オナニーとは比べものにならないほどの密着感を味わおうと腰を進めては、まるで吸い付いてくるかのような膣の吸引感を味わおうと腰を引く。
まだ加減が分からないため、時折、その腰は、彼女の中から抜け出してしまうこともあった。
その度に、ちゅぽん、と言う淫らな音が立つのと同時に、亀頭の先端部分が、割れ目の上辺りと擦り合わさるのが感じられる。
彼女と離れてしまっている時間が一秒でももったいないというように、慌ててペニスへと手を添え、再び彼女の中へと入っていく。
そうしているうちに、だんだんとリズムのようなものができてきた。
まず、膣口へと亀頭を当てて、ゆっくりと腰を進めていく。
先端部分へと、ぴたりと左右から貼り付いていた膣襞が割れていくのが感じられ、広げられた膣襞は、亀頭へと、そして竿へと絡みついてくるのが感じられる。
腰を進める度に、ペニスがだんだんと膣に包まれていく感じは、まるで快感の風呂へと身を沈めようとしているかのように思えた。
すっぽりと埋まったところで、剛(亮)は、そのまま腰を据える。
自らは動かなくても、細かい襞の入った膣内が、うねうねと動き、彼女の中へと入っているペニス全体を、撫で回し、吸い付くように動いてくるのが感じられる。
それと同時に、ワックスを塗られるかのように、とろりとした愛液が塗されるのが伝わってくる。
そんな彼女の中で暴れるかのように、心臓の鼓動に合わせて、ペニスが、びくん、と脈打つのが感じられる。
膣内が、それに合わせて動くのと同時に、興奮をなだめるかのように、押さえ込んでくる。
十分に彼女の中を堪能したところで、今度はゆっくりと腰を引いていく。
密着している股間からは、彼女の愛液が塗された陰茎が姿を現してくる。
つやつやと輝いている部分は、部屋の空気に触れて、わずかにひんやりとした感じを伝えてきて、それが返って、膣内の熱さを思い出させる。
同時に、膣の中で、ぐるりと外へ向かって張り出している雁首が、膣襞を掻き乱す一方で、その反動で、雁首が撫で回されるような感じが伝わってくる。
さらには、身を引いていく亀頭に合わせるようにして、ぱっくりと開いていた膣の先が閉じていき、亀頭全体を包み込むようにして動いていく。
そして、雁首が、まもなく膣口にたどり着くと言ったところで腰の動きを止めて、再び腰を前へと突き出す。
体を動かし、だんだんと入れ具合が分かるようになってくるに従って、剛(亮)の腰の動きは早まっていった。
それに比例するように、ペニスからの快感も高まっていく。
入れてから出すのワンサイクルの時間は短くなるものの、快感の感度は変わらないどころか、むしろ、腰の動きが早くなるに従って、摩擦が強まっていくせいか、その接触感も高まっていくのだった。
ぐちゅり、ぐちゅり、とつながり合った腰からは、いやらしい音が聞こえてくる。
「ああ、あぁ……」
彼女の口から、切なげな溜息が漏れてきた。
それを聞いた剛(亮)は、自分が気持ち良くなっているだけでなく、その相手も気持ち良くうなっているのだ、と感じた。
そう思っただけで、興奮は一気に高まり、それは射精の前兆へと変わった。
オナニーをしている時であれば、手を止めたりして刺激を無くすことが出来るが、初めての快感の中で、腰の動きを止めようとは思わなかった。
ペニスの根本が熱くなり、一気に膨れあがっていく。
「で、出るっ!」
叫びと同時に、彼女の中へと入っていたペニスの先端から、精液が溢れ出ていったのだった。

(ああ、どろどろしたものが、入ってくる……)
初めて感じる、ペニスの挿入とはまるっきり違った、膣へのさらなる侵入に、美穂(彩乃)は、中出し射精、という言葉を思い出す。
男の精液の感触を、女の膣奥で感じている。
固いペニスの挿入感に比べれば、その勢いこそなかったものの、射精をされた瞬間の感触は、これまでに感じたことのないものだった。
膣へと深々と入り込んでいるペニスの先端にある亀頭が、ぶわりと膨らんだかと思うと、その先の部分から、まるで水鉄砲のように、熱い塊がぶつけられる。
膣とペニスが密着している部分へと入り込んできた精液は、行き場を求めるようにして、子宮口を抜けて、子宮の中へと入ってくる。
ペニスよりも奥へと、女体の近くへと、男のものが入ってくる感覚は、まるで男に体を支配されてしまったかのようだった。
射精は一度では収まらないようで、深く埋め込まれたペニスが脈打つ度に、どくり、どくり、とさらなる精液が流しこまれてくる。
脈打っているのは、男のペニスだけではなかった。
そのペニスから、さらに精液を搾り取ろうとするかのごとく、美穂(彩乃)の膣内が、びくん、びくんと動いて、飲み込んでいるものを、さらに奥へ奥へと導いていくのだった。
そんな、自らのいやらしい動きを感じつつ、美穂(彩乃)は、精液の暖かさを感じていた。
ペニスのように、激しい運動をする訳ではなく、子宮の中に止まっているだけなのに、そのことを思っただけで、美穂(彩乃)は快感を感じてしまうのだった。
子宮へと溜まっていく精液には、まるでそこに、女の体に快感を生み出す成分が含まれているかのように思えた。
子宮から発せられた快感は、そこだけに止まらず、体中へと散らばっていくように感じられる。
体中が火照り、敏感になっていく。
全身をしっとりと濡らす汗、呼吸に合わせて上下に揺れる胸元、その先端で固く尖っている乳首、締め付けるように剛(亮)のものを加えて離さない膣口、精液を与えられて悦んでいる子宮、射精に合わせて自分でも気付かないうちにピンと伸びていた足、それら全てが、一体となった快感として感じられるのだった。
彩乃の心は、初めての射精に満足感を感じていたのだが、彼女が入っている美穂の体の方は、まだ満足がいっていないようだった。
自分ではゴールしたと思っているのに、体中の疼きは、まだゴールははるか先にあり、そこには今とは比べものにならないぐらいの満足感があると訴えてきている。
これが、女の体の貪欲さだろうか、と思いつつ、美穂(彩乃)は、上体を持ち上げ、腰を密着させたままに、剛(亮)へと抱きついた。
「お願い……もっと、ちょうだい」
自分でも信じられないぐらいに大人びた、色気の混じった声が出るのと同時に、美穂(彩乃)の中へと入ったままのものが、ぴくりと震え、その大きさと固さを取り戻していった。
彼女の上体が、ぐいっ、とベッドに押し倒され、その上で、目を血走らせた剛(亮)が腰を突き立ててくる。
「ああん、そうよ。そう……もっと、激しく……」
荒々しい男の動きと、今の自分の体が持っている女の魅力を感じつつ、彩乃は、この体に記憶された女のゴールへと、体が突き動かされていくのを感じるのだった。

ログ05・完

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